読者様より質問をいただきました。
ざっくり状況ですが、
- 公務員2馬力で老後の生活費は年金で賄えそう
- しかし現在53歳で投資を始めたのは3年前
- 60歳時点で資産5500万円を想定
- 運用期間は長く取れないが老後の遊行費として月15万円を作りたい
考えている戦略で大丈夫でしょうか?という内容です。
個人的には全然余裕と思いますが、今回も記事にて回答させていただきます。なお、いつもながらではありますが、管理人の国語力は壊滅的ですので、意図と違っていた場合はご容赦ください。
では、質問内容含め一緒に見ていきましょう。
公務員2馬力、バケツ戦略で老後に月15万円の余剰金を確保したい→余裕です
読者様からのご質問です。
長文なのでクリックで開閉できるようにしました。Geminiがやってくれました。AIすごい…
記事中にポイントは書いているので閉じたままでも大丈夫です。
▼ 読者からの質問を見る(クリックで開きます)
題名: リタイア後の資産取り崩しについて
ななしさま。※長文失礼しますm(_ _)m
はじめまして。イチと申します。
本の発売おめでとうございます。
私も購入させてもらうので到着するのを楽しみにしてるところです。
ななしさまは保守的なポートフォリオで素晴らしい運用成果をあげられており、いつも勉強させてもらっています。
さて、相談ですが、私は現在53歳でリタイヤに向けて資産形成中です。
資産運用歴は浅く50歳を目前にして考え始めた初心者です。
夫婦で楽しいリタイア後の生活を夢見てますが、自分の考えが果たしてうまくいくか不安で仕方ありません。相場を読むことはできませんが、相場が最悪なときでも耐えられるかイメージを持てたらと思っているところです。
ブログのネタにしてもらって構いませんので、シュミレーションしていただくことは可能でしょうか?
ななしさんだったら、私の戦略をどう思われますか?
よろしくお願いしますm(_ _)m
※加筆修正削除及び条件等を変更してもらっても問題ありません。
追伸
妻は資産運用にまったく興味がありませんので、NISA二人分が理想だとわかっていてもあきらめざるを得ないことはご理解ください(泣)
※夫婦仲が悪いわけではありません(笑)
自分なりの資産運用戦略に至った経緯
自身、退職が近づいてくる年齢で若い人のように運用期間を長くとることは困難だが、最速でNISA(オルカン)を埋めて出来る限り運用期間を確保したいと考えたことが始まりでした。
目標としたのが、資産取り崩しで月15万円の余剰資金の確保と、NISA取崩しを75歳から(運用期間20年)にしたい。
そうなると、退職から75歳までの生活費を別に確保しないといけない。その生活費は少しでも運用しながら取り崩したい。でも運用期間が短いと暴落が怖い。であれば、4資産均等なら薬落にもある程度の耐性があるから最適かもしれない。
75歳までの資金として4資産等を 2000万円確保できれば、それを使いきってから、NISA取崩しに移行したらいいのではないか。NISA(オルカン)を20年運用すれば、含み益バリアによって、暴落にも耐えられるはずだ。さらに保険として、暴落期には投資信託を取りさず現金取崩しで対応すれば、かなり手軽くいけるんじゃないか・・・との考えに基づいて、戦略を立てました。
その後、ななしさんのブログでバケツ戦略を知って、概ね自分の考え方に近かったことから少しだけ安心しているところです。←いまここ
設定条件
【家族構成】:夫婦二人
【住居】:賃貸マンション※実家(持ち家)があるため、妻 70歳を目安に実家暮らしを想定
【年齢】:夫60歳、妻55歳を想定
【職業】:夫婦とも地方公務員
【退職年齢】:夫婦それぞれ 60歳で早期退職
【想定資産】(夫 60歳時)※退職金まで含めての想定資産
* 長期バケツ:NISA(オールカントリー)2000万円
* 中期バケツ:特定口座(ニッセイバランスファンド4資産均等)2000万円
* 短期バケツ:現金 1500万円
* 年金:(夫)約220万円(65歳から受給予定)、(妻)約190万円(65歳から受給予定)
* 年金手取り想定額(合計):350万円(介護保険料・国民健康保険料・税金の合計差引額を年金収入の約15%と想定)
大まかなリタイア後の生活想定条件
* 生活費は二人分の年金ですべて賄うと想定
注1:夫が60歳からは、妻が60歳で退職するまで妻の給料で生活費を賄う
注2:妻が60歳から64歳まで(年金受給前)の生活費不足分は別枠で確保
* 旅行や外食等趣味を楽しむ娯楽費を資産取崩しで確保したい
* 月15万円取崩しのうち、10万円は趣味に全額使いきり、残り5万円は予備費として確保したらどうかと検討中
下記条件で取り崩した場合、どれくらい持つのでしょうか?
* 夫 60歳から取崩し開始
* 取崩しパターン①月 15万円(年180万円を年当初に取崩し)
* 取崩しパターン②60~64歳までは取崩しを月 10万円(年120万円を当初に取崩し)、65歳以降は取崩しを月 15万円(年180万円を当初に取崩し)
* 取崩しルール①中期バケツから行う
* 取崩しルール②中期バケツの基準額が最高値から 10%以上下落している場合は短期バケツ(現金)から取崩しを行う
* リバランスルール①中期バケツが 500万円以下になった場合に行う
* リバランスルール②リバランスは長期バケツから行うが、基準額の最高値から 20%以上下落している場合はリバランスを行わない(その年の取崩し分 180万円は現金取崩しで補填する)
* リバランスルール(番外編):中期バケツにはリバランスしないパターン(中期バケツ使いきり)ではどうか?
当ブログのご贔屓と出版へのお祝いの言葉、ありがとうございます。
定年までしっかり働き、年金で基礎的な生活をしながら、遊行費などを投資で使っていくというのは非常に理にかなっていると思います。
しかし、投資は値動きがあるので不安が残りますよね。
状況を確認しつつ、大丈夫かどうかを見ていきましょう。
質問者イチさんのプロフィール
- 53歳、リタイヤに向けて資産形成中
- 資産運用歴は浅く、50歳目前から始めた初心者
- 妻は資産運用に興味なし → NISAは夫婦2人分ではなく1人分前提
- 夫婦とも地方公務員
2馬力で定年も見えているというのは強みですね。
また、奥様が投資に興味がないというのも良いと思います。イチさんは投資、奥様は守りという分担ができているので。
投資は自分一人でリスクを背負うというのは管理人と一緒なので勝手に親近感を覚えましたw
イチさんの戦略
- 運用期間を長く取れないので、まずNISA(オルカン)を最速で埋めたい
- リタイヤ後、月15万円の取崩し
- NISA取崩し開始は75歳から(20年運用させたい)
- そのため退職〜75歳までの「つなぎ生活費」を別に確保する必要がある
- そのつなぎ資金は運用しながら取り崩したいが、期間が短いので暴落が怖い
- 4資産均等型なら暴落耐性がありそう、というロジックでバケツ戦略に自力で到達
NISAの運用期間を長く取るのが最良ですね。
この考えからバケツ戦略になったのでしょう。NISAはできる限り長期で寝かせる。つなぎとしての4資産を見つけたのが凄い。
あとNISAでオルカン、つなぎの取り崩しは4資産均等型とシンプルなので投資に興味がない奥様にも良さそう。
資産状況などは次の項目。
家族構成や資産
家族・年齢
- 夫60歳・妻55歳でリタイア想定、夫婦とも60歳で早期退職
60歳早期退職とありましたが、公務員は定年を65歳に段階的引き上げ中なのですね。
目標:60歳でリタイア
イチさんは60歳でリタイア、奥様も60歳でリタイア。
ご夫婦で5歳差あるので、イチさんが60歳から年金受給するまでは奥様の労働収入で生活が可能。
60歳時点の資産(※退職金込み)
- 長期バケツ:NISAでオルカンを2000万円(60歳時点で運用期間約10年)
- 中期バケツ:特定口座(ニッセイ4資産均等)2000万円
- 短期バケツ:現金1500万円
- 年金:夫約220万円/妻約190万円(ともに65歳から)、手取り合計350万円(天引き15%想定)
長期バケツにNISA、中期バケツに4資産均等型は管理人が考えているセミリタイア戦略と同じですね。
あと、短期バケツに現金1500万円あるので余裕そうな気がします。。(AI使ってモンテカルロシミュレーションも回したので後述。)
全然違うのが年金想定額。
手取りで350万円あれば基本的な生活に困ることはないはず。賃貸マンションですが、実家(持ち家)があるので、奥様が70歳を目安にこちらを利用。
60歳から75歳までの15年間を4資産均等型2000万円+現金1500万円で毎月15万円使えるかどうかが、資産は大丈夫かどうか、となります。
月15万円散財✕12ヶ月×15年=2700万円
そもそも3500万円だと800万円余ってしまいます。。
安全資産は別としても4資産が15年で700万円を埋めればOK。
余裕っぽいですね。
シミュレーションは後述。
生活費や取崩しの使い道
- 基本生活費は年金でカバー
- 夫が60歳からは、妻が60歳で退職するまで妻の給料で生活費を賄う
- 妻が60歳から64歳まで(年金受給前)の生活費不足分は別枠で確保
- 娯楽費として月15万円取崩し(うち10万円は使い切り、5万円は予備費でも良い)
やはり年金が強いですね。
イチさんが60歳以降、労働収入が減りますが、別枠で確保とあるので大丈夫そう。
まぁ、完全リタイアしなくても週1で働くとかできる気もします。
シミュレーション前に75歳時点でのオルカンがどう育っているか
75歳までは中期バケツで娯楽費をまかない、それ以降はガチホしていた長期バケツで娯楽費を使っていく感じになります。(生活費は年金で問題なし。)
75歳時点で年金以外、すべてリスク資産というのが怖ければ、その時点あたりで売却して4資産均等型に乗せ換えれば60~75歳と同じような生活が期待できるので大丈夫そうですね。
では、60~75歳の15年間放置したオルカンがどう育っているか。

- 初期投資 2000万円(60歳時点)
- 投資期間 15年
- 想定リターン 7%
- 想定リスク 18%
インフレ込みだったら、まぁこれくらいで大丈夫なはず。
結果はこちら。

15年後の予想資産額は5518万円。
75歳時点で5500万円あったら使いきれないかもですね。
一応、リスク資産なので元本割れリスクもあります。

運用成績で下位5%を引いたら1460万円になります。
しかし下位30%でも1.5倍なのでリスクを取る価値は十分ありますね。
そして、75歳時点で1400万円になっていても、一生をこれで過ごす必要があるわけでなく、市況が15年にわたって低迷した場合、そこからの回復は大きなものが期待できそう。
75歳で基礎生活費は年金があるので、旅行や消費も落ちてくるでしょうから、少し節約気味に生活すれば十分な気もします。
あと、次の項目から4資産均等型シミュレーションを出しますが、たぶん十分に余った状況になるので、枯渇リスクはほぼないのかな、と。
シミュレーションしてほしいパターン
- 取崩し額パターン:①ずっと月15万円/②60〜64歳は月10万円、65歳以降は月15万円
- 取崩し順ルール:中期バケツから、ただし中期バケツが高値から10%以上下落中なら短期(現金)から
- リバランスルール:中期バケツが500万円以下になったら長期バケツから補充。ただし長期バケツが高値から20%以上下落中はリバランスせず現金で補填
- 番外編:中期バケツは一切リバランスせず「使い切り」パターンも試したい
長期バケツとありますが、記入ミスですかね。(NISAは75歳までホールドなので。)シミュレーションについては、NISAは使わず中期バケツ、短期バケツだけで完結させています。
中期バケツである4資産均等型のデータについては、下記記事を使いました。
関連記事4資産均等型の過去リターンを調べて超絶レポートを作ったから読んで欲しい
シミュレーション結果(モンテカルロシミュレーション2万回)
上記依頼に合わせて20,000回のモンテカルロシミュレーションをしました。使用した生成AIはClaudeです。
| ケース | 維持率 | 破綻件数 | 75歳時点残高(中央値) | 下位10%(P10) | 上位10%(P90) |
|---|---|---|---|---|---|
| ①ずっと月15万円・通常ルール | 99.950% | 10/20,000 | 2875万円 | 1608万円 | 4517万円 |
| ②60-64歳10万/65歳以降15万ルール | 100.000% | 0/20,000 | 3349万円 | 1975万円 | 5397万円 |
| ③番外編(中期リバランスなし・使い切り) | 99.950% | 10/20,000 | 2875万円 | 1608万円 | 4517万円 |
予想通りですが、ほぼ破綻の心配なしですねw
③が①と同じなのは、そもそも使い切りでも同じ結果になるためのようです。(500万円以下になるタイミングではリバランス用の現金も尽きており、その後は4資産だけで取り崩しになるため。)
下位10%を引いても資産がかなり残ります。ここに無傷で25年運用したNISAオルカンが控えているので無敵でしょう。。
あと、破綻したケースを考えると、シーケンスオブリターンリスクで取り崩し序盤にリーマンショック級が来て、そのあとも回復ターンが無いようなケースかと。
ただ、そういったケースがきたとしても現金があるから、そっちをメインで使って5年ほど凌げば問題ないはず。(月15万を5年続けても900万円で、現金はまだ600万円残る。)
試しに現金900万円(月15万円×5年)を先に使いシーケンスリスク回避でシミュレーションをしてみました。
| 戦略 | 破綻確率 | 75歳時点残高(中央値) | 下位10%(P10) | 上位10%(P90) |
|---|---|---|---|---|
| 通常ルール(中期優先・条件付き) | 99.950%(破綻10/20,000件) | 2875万円 | 1608万円 | 4517万円 |
| 現金5年逃避 | 99.890%(破綻22/20,000件) | 3581万円 | 1686万円 | 6517万円 |
良いかな、と思ったんですが破綻確率が微妙に増えました。
しかし初期のシーケンスリスクを回避し、4資産均等型を5年間育てるため、75歳時点での中央値は増えていますね。

管理人なら最初の1~2年は現金から取り崩すと思います。
結論:4資産均等型2000万円+現金1500万円あれば25年間、毎月15万円を使っても75歳時点で十分資産が余ってしまう
10回中、一番悪い1回を引いたとしても75歳時点で1600万円くらい資産が余ります。
そして無傷のNISAが25年運用されて待機しています。
日常生活は年金だけで十分できるので、月15万円を散財しても余裕で暮らせますね。(ぐう羨ましい。。)
大切なのは日々を頑張って働き、奥様を大切にしていくこと。これだけで良いんじゃないでしょうか。
相場が最悪なとき(リーマンショック)でも4資産均等型は▲27.8%でした。もしリーマン級の暴落がきたとしても現金がありますし、月15万円取り崩しを1/4減らして112,500円に減らして市場の回復を待っても良いのです。
また、イチさんがリタイア初期に暴落がきても奥様は公務員として手堅い仕事をしており、当面生活の心配は不要。5年間を乗り切ればイチさんに年金が出ますし、夫婦の年齢差があるので加給年金で使えるお金も増えそう。
ちなみにご自身でも下記のデータを使って生成AIでシミュレーションを色んな角度から出来るので楽しいと思います。
参考用|4資産均等型の超長期データ
コピペして生成AIに貼り付けすれば勝手に読んで理解してくれますw(文字列から読み取るのとかはさすが得意ですね。)
| 年次 | 4資産均等型 |
| 1973 | -8.05 |
| 1974 | -8.8 |
| 1975 | 13.33 |
| 1976 | 12.98 |
| 1977 | 0.28 |
| 1978 | 11.5 |
| 1979 | 6.1 |
| 1980 | 24.08 |
| 1981 | 16.1 |
| 1982 | 12.68 |
| 1983 | 16.8 |
| 1984 | 13.7 |
| 1985 | 0.55 |
| 1986 | 20.65 |
| 1987 | 3.4 |
| 1988 | 21.55 |
| 1989 | 18 |
| 1990 | -13.4 |
| 1991 | 12.05 |
| 1992 | -5.6 |
| 1993 | 11.25 |
| 1994 | 4.4 |
| 1995 | 11.48 |
| 1996 | 10.78 |
| 1997 | 4.25 |
| 1998 | 2.83 |
| 1999 | 21.8 |
| 2000 | -5.68 |
| 2001 | -8.18 |
| 2002 | -13.33 |
| 2003 | 7.03 |
| 2004 | 4.4 |
| 2005 | 25.1 |
| 2006 | 10.2 |
| 2007 | -1.73 |
| 2008 | -27.8 |
| 2009 | 11.18 |
| 2010 | 12.3 |
| 2011 | -2.33 |
| 2012 | 17.05 |
| 2013 | 32.35 |
| 2014 | 13.95 |
| 2015 | 2.9 |
| 2016 | 2.13 |
| 2017 | 10.88 |
| 2018 | -7.25 |
| 2019 | 13.68 |
| 2020 | 5.95 |
| 2021 | 13.95 |
| 2022 | -4.35 |
| 2023 | 16.18 |
| 2024 | 18.25 |
| 2025 | 8.5 |
そろそろ長くなってきたので終わりにします。
おわりに|バケツ戦略で老後に月15万円は余裕で使える
- 現在53歳で夫婦ともに公務員で2馬力
- 60歳での想定資産は5500万円
- 2000万円はNISAで75歳までガチホ(長期バケツ)
- 中期バケツは4資産均等型2000万円、短期バケツは現金1500万円
- 60歳から75歳まで毎月15万円を取り崩したい
- シミュレーション結果では99.9%破綻せず75歳時点で中期バケツが余る
投資を始めるのは遅かったかも知れませんが、今までしっかり働いてきたこと、2馬力での厚生年金の安心感、そして戦略的に未来を見据えた資産の準備。
ほぼ完璧な老後じゃないでしょうか。
投資をしていると焦る時期もあるかもですが、安定した仕事も安全資産もあるので、あとはゆっくり時間をかけて資産を育てるだけ。
ステキな60代を過ごせるよう、ともに頑張りましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
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関連記事です。
4資産均等型の過去リターンを調べて超絶レポートを作ったから読んで欲しい
4資産均等型の長期リターンを調べてみました。想像以上に強くて笑いますw

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