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書評「インデックス投資は勝者のゲーム」は米国株投資家のバイブル

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インデックス投資をしている人なら、バンガードの名前は知っているはず。そんなバンガード社の創始者、ジョン・C・ボーグル氏の最新刊が出ました。

けっこう煽ったタイトルです。気になっている人もいると思います。私はずっと気になっていました。

やっと読み終わった事と、まだ出たばかりで書評やレビューも少ないので、書かせて頂こうと思った次第です。

記事の内容は、私が感じた本書が伝えたい重要事項と、時代に応じて本書がアップデートしてきた部分を書いています。ネタバレが嫌いな人もいるでしょうから、そのような場合、本書を先にお読みください。

私個人としては、改めてインデックス投資で大切な部分を思い返すきっかけとなりました。

また、強固な米国株集中投資な本であると感じましたので、興味がある方は是非本を手に取る事をオススメします。

図書館によっては、そろそろ入荷しているところもありそうです。

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けっこう高い本である事と、癖もありますのでkindleで満喫したら、原書を買うのが良いと思います。

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最新のデータを用意しつつ、一貫しての主張は常に低コストのS&P500投信に長期投資をするという事

インデックス投資かつ、S&P500に連動する低コストな商品へ超長期保有の投資を推奨しています。

読んで感じた点は「ウォール街のランダムウォーカー」や「敗者のゲーム」に比べて、圧倒的にS&P500に固執している点です。VOOかVTI一本で良いと思わせてくれます。(詳細は後述します。)

 

株式投資を勝者のゲームとするには、とにかく低コストで市場平均に連動する投資信託を長期保有をする。これだけです。敗者のゲームと同様ですね。

インデックスファンドは、個別株や市場セクター、運用会社の選択に伴うリスクを排除する。残るのは株式市場のリスクだけである。

※本記事の文章や画像の引用は、全て「インデックスファンドは勝者のゲーム」を使用しています

 

市場は常に上下しますが、超長期では常に投資家に素晴らしいリターンをもたらしました。これは、今後も大きく変わる事はないでしょう。

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本書の中で、インフレ考慮後の実質リターンはシーゲル教授と同じ6.7%を採用しています。まぁ、誰が調べても同じ結果になりますからね。

コストは常に敵。そして配当再投資が投資家にとって、より大きなリターンをもたらしてきたことも書かれています。

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配当を再投資してくれて、低コストの商品。日本でいえば、楽天VTI投信やeMAXIS Slim米国株あたりが有力候補でしょう。

コストを差し引く前では市場に勝つことはゼロサムゲームだが、コストを差し引いたあとでは敗者のゲームとなる。

われわれ投資家が手にするものは支払わなかったものである。支払うものがなければ、すべて手にする事になる。

本書にもありますが、決して投機にはしったり、技術的な盲進はしない事とも教えてくれます。

どれだけ技術が進歩しても、2+2=5になるような魔法に騙されないようにするべきです。2+2は4であり、投資家が受け取れるのは4から手数料を引いたものだけなのです。

 

インデックス投資は、アメリカだけでなく他の先進国や新興国でも有効な戦略

勿論、非効率的な新興国でも、全てを保有するインデックスファンドが有利とS&Pのリポートでも出ているようです。

アメリカを除く先進国ではアクティブ運用の89%に勝利。新興国市場では90%に勝利。もう、インデックスを買って寝ておくしか方法はない状態です。。

 

今後の10年は期待はしないように注意が必要

オーマイガー

しかし、今後も同じパフォーマンスを期待するな、とも言っています。過去40年の結果が良かったということは、利益を先食いしている可能性もあるという事です。

ボーグルの株式におけるリターンの源泉は極めてシンプルです。配当+企業の利益(=アメリカの名目成長率)+投機的リターン(PERの変化)である。

配当が現在は2%であり、過去の4.4%から比べると2.4%差し引き、アメリカの期待名目成長率4~5%と考えると6%。更に投機的リターンが過去に比べ2%は下がる(高いPER=過去に高いリターンを出し過ぎたのが原因)ので、投資家は今後10年はS&P500のリターンは4%を覚悟する必要がある。となります。

4%という予想に同意出来ない投資家は「どうぞご自由に」。と締められています。

あ、ちなみにインフレ考慮したら1.6~2%を覚悟するように、とも書いていました。

こちらについては、別記事を用意しているので、ご参照頂けると幸いです。インデックス投資初心者が読んだら、投資始める人いなくなるだろう、と思っていました。

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悲報|バンガード創始者より投資家の心をへし折る痛恨の一冊が出版
2016年から向こう10年はS&P500の投資リターンは1.6%を覚悟しましょう。

未来は誰にも分からないので、ここらへんは神のみぞ知る。といった所でしょう。

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セクターへの投資はどうだろうか

黄金の天秤

特定の市場セクターへのインデックス運用は効率的ではあるが、勝てるセクターにだけ賭ける事は、まさに賭け。賭けは敗者のゲームだ、と書いています。

ただし、注意点として、投資家が感情の生き物だから、とあります。人気セクターへの投資はその時点で事後の人気、いえば割高という事です。

セクターとは、生活必需品やエネルギー、通信といった分野の事です。それぞれに対して投資をするETFや投資信託があります。

ななし

高配当戦略が負けに負けた2017年にHDV(米国高配当ETF)を買った私の結果は20年後くらいに分かると思います。

まぁ、自社でVDC等のセクター別ETFを出しているので、強く否定は出来ない、という事でしょう。周りの熱狂に惑わされず、長期で保有する事が一番投資家の利益につながると書かれています。

例として分かりやすいのは、ハイテク銘柄に集中した投資は、大体が失敗をしている図を上げておきます。

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ここらへんも、ボーグルが広く分散されたポートフォリオであるS&P500を推奨している原動力となっているのかも知れません。

 

スマートベータETFには気を付けろ

バツを出す女性

S&P500指数は、時間という試練に耐えてきました。シーゲル教授の200年データを見ても明らかです。

しかし、新規のパッシブ運用者はアクティブ戦略家であると警鐘を鳴らしています。いわゆるスマートベータETFです。

実際のところ、運用会社が独自のインデックスを作って売っていますが、これには気を付けた方が良さそうです。

ポイントとしては、保有割合を時価総額でウエイトしていない、と点のようです。コンセプトとして悪いものでは無いが、世界を変えるほどでもない、と言っています。

平均回帰の原則はリターンに必ず反映されるので、過去をモデルに抽出した「今日勝てるファンド」というものは明日負けるという可能性が高いという事です。

現在でいえばFANG銘柄への集中投資でしょうか。

同じような事は過去にもあります。1965年から1986年に起こったゴーゴーファンド、1970年から1973年のニフティ・フィフティもファンド業界がこぞって新商品を出した一時的なブームだった事を、いま一度投資家は思い出す必要があります。

近年でいうとITバブル崩壊が分かりやすい事例でしょう。

 

個人的に面白かった点

アメリカ国旗

ボーグルはとにかくコストの安いS&P500を中心にした投資を推奨しています。では、アメリカ以外への株式投資はどうなのか?

ここらへんは国際分散投資派の人たちにとっては、気になるところでしょう。

ボーグルの主張としては、基本的にはアメリカ以外取り入れる必要が無い。そして取り入れるにしても、割合は20%以下にする事だ、と書いています。

現在の株式時価総額はアメリカ比率が約半分という事を考えると、日本で同じくような投資をするなら、全世界株式投信半分、S&P500連動投信半分というところでしょうか。

 

アメリカ株だけで構成されるポートフォリオは、ほとんどの投資家のニーズに応えるとボーグルは言っていますが、本国でも大反対にあっているようです。今もそうであるとも書いています。

 

反論者の意見は下記のようなものらしいです。

アメリカ以外の株資金を分散したポートフォリオから除外する事は、たとえばS&P500からハイテク株を除外するようなものではないか?

ボーグルの反論はこうです。

アメリカ人はドルでお金を稼ぎ、ドルで出費をして、ドルで貯蓄をしている。わざわざ通貨リスク(為替リスク)をとる必要はないだろう。アメリカ企業の収入と利益は既に半分がアメリカ以外得たものではないのか。アメリカのGDPは他の先進国と同じか、それよりも高い成長を示しているのではないか?

ボーグルは、S&P500はアメリカのGDP成長がほぼ株式市場全体のリターンと等しい、が理念にあります。

そこに配当金を足したものが、投資リターンとほぼ同じである事を考えると、先進国かつ成長を続けている米国一本で十分な気持ちになります。

 

ちょっと疑問に思った点

コラムの中で、シーゲル教授が1994年に出版したStoks fo the Long Runの中では、市場平均永久保有を唱えていました。

最近では、株式投資の未来で高配当戦略へ特化している事を、彼が心変わりをする事は自由だと思うが…とチクリと書いています。

反面、賢明なる投資家のグレアムに対しては、防衛的投資家として、ポートフォリオから得られる適度なリターンで満足すべきである、という事を例に出して誉めています。

個人的には、シーゲル教授もグレアムも言っている事は一緒と思うのです。シーゲル教授の理念も永久保有ですからね。

まぁ、シーゲル教授は防衛的投資家であることは奨めていないし、市場を出し抜く事をメインに書いていたりしますから、ボーグルの言い分も分からなくはありません。仲が悪いのかな?

ここらへんは、私がシーゲル教授好きな事もあり、余談的なものと捉えて下さい。

 

まとめ|何はともあれインデックス投資家の名著である事は変わらない

  • アメリカの成長をダイレクトに受け取れるS&P500は投資家にとって最適解な商品
  • とにかくコストは敵である。信託報酬だけでなく税金も敵であると認識せよ
  • ちょっと相場が上がり続けているので、今後10年は期待しない方が良い
  • セクター投資は良いが長期保有が必要
  • 流行りのベータETFには気を付けろ
  • 世界分散は特に必要ない。20%程度までだ。とにかくS&P500だ

ゴットロックス家の寓話や、オッカムの剃刀等、「インデックスファンドの時代」で書かれていた話もあり、十分満喫できる内容でした。(この部分だけ読むのでも価値ありです。)

ただ、今後10年のリターンは期待できない事についての対策等が特に書かれていなかった事。(とりあえず保有していけば良いのか、その期間は現金保有が良いのか等)

世界分散よりもアメリカ株のみで十分な点をもっと掘り下げて書いて欲しかったですね。

ななし
ななし

インデックス投資を考えている人は、まず「ウォール街のランダムウォーカー」を先に読む事をオススメします。

本書だけでも十分ですが、ランダムウォーカーの方が市場平均への投資を非常に分かりやすく説明をしているからです。今後の長い投資の中で、柱となるものが出来ると思います。

ボーグル本はランダムウォーカーを読んでからじゃないと心折れちゃうかも知れません。

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この記事を書いた人
ななし

1976年生まれ、超就職氷河期世代のインデックス投資家。投資情報を中心とした当サイトの管理とWebライターをしております。自己紹介は「ななし」をクリックで。

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