ネットで人の生活費とかを見るのが好きです。(同じような人いると思うんですがどうでしょうか。)
All About編集部が定期的にアンケートを取っていて、たまにGoogleフィードで流れてくるので読んだところ、この手の回答にしては珍しくネガティブでした。
記事はこちら。
外部リンク「底辺。老後は破綻すると思う」都内在住52歳、年収300万円1人暮らしの1カ月のリアルな収支内訳
せっかくなので読んだ感想などをウェブログとして。
【感想】都内在住52歳、年収300万円。底辺に近い、老後は破綻すると思う
All Aboutからの引用です。
■東京都品川区、52歳女性世帯の収入状況と1カ月の主な出費内訳
年収:300万円
家賃:5万7000円
間取り:1K
食費:3万円
交際費:2000円
電気代:4000円
ガス代:4000円
水道代(2カ月での請求額):4000円
通信費:5000円
車:なし
その他:保険2万円
貯蓄に回す金額:5万円
今回は、東京都品川区に住む、52歳女性世帯の生活実態です。
年収300万円で1人暮らし。現在の生活について、「底辺に近い。金額を気にせず電気やガスを使ったり、食材の買い物をしたりしたい」と話します。
家賃や食費、光熱費など、主な1カ月の収支内訳は以下です。
今後について聞くと、「老後は破綻すると思う」とコメント。節約術は「まずは、買わない。買い物に行かない」ことだと教えてくれました。
※回答者コメントは原文ママです
生活は厳しいけど、都内に住んでいて貯金もしていて節約もしっかりしているので、そこまで悲観的にならなくても、と思ってしまいました。
貯金額とか保険の内容を書いていないので何とも言えないのですが、何でこの回答者に対してFPの意見とか載せれば良いのに、と不思議になりました。(お願いしたら高いからかもだけど、メディアとしてはこのキャッチーなタイトルで読んだ後こそ、FPの声がしっかり届く良い機会と思うんですが。。勿体ない。)
というワケでFPでも無い管理人がこうすれば良いのに、と思ったことを書いていこうかな、と。(余計なお世話ですが、似たような収入の人とかいたら地味に救われるとかあるかも、ですし。あと同じ氷河期世代なので、悲観しなくても何とかなる、というのも書きたくて。。自分も転職を繰り返し何度か年収300万円ちょっとの時期もあったし、気持ちは分かります。しかし自分を底辺と思ってしまうとホントに精神も落ち込むし、卑下するのはおすすめしません。)
※元記事は2023年7月公開のものした。以下は当時52歳だった女性の家計をもとに、52歳から70歳までの18年間を仮定して考えています。
まず、年収300万円で月5万円も貯金できているのは凄い
個人的に一番気になったのが、年収300万円で毎月5万円も貯金できていること。
年収300万円なので、手取りは年間240万円前後でしょうか。(社会保険料などで多少変わりますが、たぶんコレくらいかと。管理人が社会に出たときが非正規で年300万円でしたが同じく月5万円貯金をしていました。)
そう考えると、手取りの25%を貯金しているワケです。
いや、普通に凄くないですかね。
しかも東京都品川区に住んでいて、家賃は5.7万円。
車も持っていませんし、食費も月3万円。通信費も5000円と、かなり節約上手な印象です。
記載されている生活費を合計すると月12.4万円。
(水道代は2ヶ月で4000円なので月2000円で計算。)
もちろん、日用品や医療費、衣服代などは別にかかるでしょうけど、それでもかなりコンパクトに暮らしていると思います。
ただ、ひとつ気になったのが保険料の月2万円。
独身で月2万円の保険はちょっと高い気がします。
もし掛け捨ての死亡保険や医療保険であれば、見直す余地がありそう。
ここは保険の内容が分からないので何とも言えませんね。
ただ、個人年金保険や貯蓄型保険であれば、実質的に老後の資産形成をしていることになります。あと、月5万円の貯金もコツコツ続けていればそれなりに貯まってそうですし。
52歳から70歳まで月5万円を積み立てたらどうなる?
さて、この女性が現在52歳。
仮に70歳まで働くとして、あと18年間あります。
体力的な問題はありますが都内在住は仕事面では強そうですね。
せっかく毎月5万円を貯金できているのですから、これをNISAでオルカンなどに積み立てたらどうでしょうか。
現在の金融資産はゼロとして計算してみます。
| 運用利回り | 70歳時点の資産額 |
|---|---|
| 貯金のみ(0%) | 1080万円 |
| 年3% | 約1430万円 |
| 年5% | 約1750万円 |
| 年7% | 約2150万円 |
※毎月5万円を18年間積立。月末積立、月次複利で試算。税金・手数料・インフレは考慮せず。
年5%で運用できれば1750万円。
生活費がコンパクトなので、これだけあれば老後破綻どころか、そこそこ安心して生活できそうな気がします。
もちろん、株式投資なので暴落もありますし、18年間ずっと順調に増えるワケではありません。
70歳になる直前に暴落したら困りますしね。
ひょっとするとニッセイ4資産均等型とか良さそう。
ちなみに、今回は現在の金融資産をゼロとして計算していますが、すでに数百万円の貯金があれば、さらに余裕が出てきます。
何より、今から投資を始めなくても毎月5万円を貯金し続ければ70歳で1080万円。
これはかなり大きいと思うんですよね。
厚生年金もあるので老後は意外と何とかなりそう
もうひとつ重要なのが年金です。
年収300万円ということなので、会社員として厚生年金に加入している可能性が高そう。
仮に平均年収300万円で40年間厚生年金に加入していたとすると、65歳から受け取る年金は月12万円台になる計算です。
※国民年金40年納付、厚生年金40年加入を仮定した概算。実際の年金額はこれまでの給与や加入期間によって変わります。
この女性の現在の生活費は、記事に記載されている分だけなら月12.4万円。
もちろん、年金からも税金や社会保険料が引かれますし、記載されていない支出もあるでしょう。
それでも、厚生年金が月12万円程度あって、さらに70歳時点で1000万~1500万円ほどの金融資産があれば、老後の生活はそこまで悲観する必要がないように思います。
というか、年金だけで生活費がほぼクリアできてますし。(税金分ショートしますが、それでも目安としては大きいです。)
例えば、70歳時点で1500万円の金融資産があったとします。
そこから毎月3万円を取り崩したとしても、運用しなければ約41年間持つ計算です。
毎月5万円でも25年間。
もちろんインフレや医療費、介護費用などの問題はありますが、年金だけで生活費の大半を賄えるなら、かなり心強いんじゃないかな、と。
70歳まで働くなら年金の繰下げもあり
さらに、70歳まで働くのであれば、年金の繰下げ受給も選択肢になります。
現行制度では、65歳から受け取る年金を70歳まで繰り下げると42%増額されます。
仮に65歳時点の年金が月12万円なら、70歳からは約17万円。
| 年金受給開始 | 年金月額 |
|---|---|
| 65歳 | 12万円 |
| 70歳 | 約17万円 |
※65歳時点の年金月額12万円を仮定した単純計算。税金・社会保険料控除前。65歳以降の加入による年金増額は含めていません。
月17万円の年金があれば、今の生活水準なら十分暮らせそうです。
しかも、貯金ペースが変わらなければ現金が1000万円以上あるワケですし。
ただし、年金を繰り下げると65歳からの5年間は年金を受け取れません。
元気であれば貯金はやめて生活費分だけ働くとかはアリかも。
長生きすれば有利になりやすい制度ですが、必ずしも繰下げが正解というワケでもありません。
個人的には65歳くらいで仕事を辞めても何とかなる資産形成を目指しておくのが良いと思います。
むしろ老後を心配しすぎて今の生活を楽しめないほうが勿体ない気も
ここまで勝手に試算してきましたが、もちろん分からないことも多いです。
この女性が厚生年金に何年間加入してきたのか、現在の貯金額はいくらなのか、健康状態はどうなのか。
特に70歳まで働けるかどうかでも大きく変わりますね。
本人が希望しても仕事が見つからない可能性もありますし、健康面で働けなくなることも考えられます。
あと、今の家賃5.7万円でずっと住み続けられるかも不安要素。
賃貸だと老後の住居費は気になるところです。
とはいえ、現在の年収300万円という数字だけで老後は破綻すると考える必要はない気がします。
むしろ、これだけ節約して毎月5万円も貯金できる人なら、老後に向けて十分準備していけるんじゃないでしょうか。
で、個人的にちょっと気になったのが、この女性のコメント。
「金額を気にせず電気やガスを使ったり、食材の買い物をしたりしたい」
別に高級車が欲しいとか、海外旅行に行きたいとか、贅沢なことを言っているワケではありません。
電気やガスを気兼ねなく使って、食べたいものを買いたい。
老後が不安だからと節約を続けるのは、ちょっと悲しい気がします。
例えば毎月5万円の貯金を4万円にして、残り1万円を今の生活を楽しむために使うのも良いと思うんですよね。
それでも年間48万円の貯金ができます。
18年間、年5%で運用できたら約1400万円。
もちろん、将来の資産額は減ってしまいますが、毎月1万円の余裕ができることで、今の暮らしがかなり楽になるかも知れません。
あとは将来との逆算。
ここらへんを数字として見積もりをして、自分のなかで納得いく生活をしていると精神的にも、日々の暮らしにも楽になって良い結果になるんじゃないかな、と。
老後の安心と、今の自分の楽しさ。このバランスが大切ですね。
というワケで、こんな風に52歳女性の家計を見て勝手にいろいろ考えてみました。
もちろん、記事に書かれていない事情もあるでしょうし、本人が感じている生活の苦しさを否定するつもりはありません。
ただ、年収300万円でも住居費を抑えて、月5万円を貯金できているのは大きな強みだと思います。
老後破綻と悲観するより、今の貯蓄習慣を続けながら、少しずつ生活を楽しむ方向に考えても良いんじゃないでしょうか。
こういう声を見ると、年金の仕組みをもっと分かりやすく知れる機会があるといいなと思いました。
管理人なら、まずは月2万円の保険内容を再検討して、ねんきんネットで将来の年金額を調べるところから始めます。
このあたりが分かるだけでも、老後の不安はかなり具体的になるはず。(65歳まで働けば年金だけで生活費のほとんどが賄えるというのを知るだけでも大きい。)
それにしても、こういう他人の家計を見るのは面白いですね。
自分の家計を見直すきっかけにもなりますし。
ちょっと自分でも老後の生活プランを考えてみようと思います。
今日はちょっと長くなってしまいましたが、【感想】都内在住52歳、年収300万円。自分は底辺、老後は破綻すると思うというお話でした。
誰でも老後は不安です。
しかし、自分の生活をしっかり把握して、将来を見積もれば、何が足りないか、意外といけているかなど、分かることも沢山出てきます。
もちろんインフレの今を生きていくのは大変ですし、しんどいことも多いですが、ともに頑張って乗り越えていきましょう。
お読み頂きありがとうございました。
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氷河期世代はキャリアの初期がハードモード過ぎましたが、だからといって老後は破綻するとまで悲観はしなくて良いと思っています。(管理人もキャリア初期に躓き40代中盤までずっとしんどかったです。。)
同世代で老後が不安な人がいましたら夏に書いた本が役に立つと嬉しいです。
発売1ヶ月経たずに重版で感謝です。これもすべて読者様のおかげです。


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