NISAは生涯非課税枠が1800万円と大きいですが、庶民のお給料からだと満額埋めるのは厳しいです。
過去に買っていた特定口座での資産を乗せ換えるのが一般的ですが「含み益バリアを失うのはつらい」と相談をいただきました。
同じようなことで悩んでいる人もいるかもなので、自分の考えも含めて記事にて回答をしていこうと思います。
含み益バリアを失ってまで特定口座からNISAへ載せ替えるべきか
読者様からの質問内容
まずは読者様からのメッセージから。
新NISAに移し替える作業もつらいものですね…
以前ななし様のブログでも特別口座のリスク資産はよほどのことが無い限り新NISAに移した方が有利と検証しており、それをきっかけに移し換えております。(まだ数十万円ですが…)
この作業で何より自分の心理負担になるのが…
たくさんの含み益を利確した時点で、見た目の含み益が減ってしまうという心理負担(不安)…
高額に膨れ上がった含み益(含み益バリアー)のおかげで今まで落ち着いて投資ができてきた面も私の中で大いにありました。
また、暴落が来てもこれだけの含み益があればよほどの暴落でない限り乗り切れそうだとも考えていました…
それを利確して移し替えることで見た目の含み益が減る(バリアーが減る)ことがどうにもつらいのです…
長く投資し続ける手段として移し替えず含み益バリアーの環境下で投資すべきか…?
それとも私(NISA&iDeCo)・妻(NISA)・ジュニアNISAの含み益は900万円強あるので特定口座の1,300万円(含み益600万円弱)は移し替えていくべきか…?
特定口座を新NISAに移し替えが正解!がわかっているのですがどうにも上記理由で心理的に負担(不安)なのです…
ななし様がブログで、特定口座の含み益にかかる税率が先々上がる可能性がある!ということも十分あり得ますしね…
ななし様はどうお考えですか?
アドバイスいただけると助かります
よろしくお願いします。
メッセージありがとうございます。
利確して含み益バリアがなくなるの精神的に嫌ですね。超分かりますww
要点をまとめ、私なりの考えをまとめてみました。
読者様の要点|特定口座の1300万円(含み益600万円弱)という含み益バリアを無くしてまでNISAに移すべきか
資産規模が分からないのですが、世帯ですでに十分な資産がありますね。
一般NISA?、iDeCo、ジュニアNISAで含み益900万円。
これをホールドするだけで十分な気もします。
NISAを最速で埋めたいのか?が重要
特定口座1300万円(含み益600万円弱)とあるので約45%くらいのリターンです。(うち半分以上が為替差益のイメージ。。)
どうしても
- NISAを最速5年で満額埋めたい
- 夫婦でNISA満額埋めたい
という考えがあるなら売却してNISAに乗せ換えが良いと思います。
含み益が増える=支払う税金も増えるからですね。
資産が5%複利で増える
↓
支払う税金も5%複利で増える
これをどう受け取るか。
過去の非課税資産の含み益バリアを見て安心する
私(NISA&iDeCo)・妻(NISA)・ジュニアNISAの含み益は900万円強
とあるので、こちらの含み益バリアを見ていたら多少の調整では心理的負担も少ないような気がします。
あとは税引き後の資産を計算して見ると変わるかも知れませんね。
税引き後資産を計算してみる
特定口座1300万円(含み益600万円弱)
とありますが、純粋に使える金額は
1300万円-120万円(税金)=1180万円
という風に、世帯資産を税抜き後で計算して見ると余裕も出そうですね。
ここに非課税枠の資産を足すと、たぶん含み益バリアとか考えなくても十分な資産がありそうです。
NISAを無理に埋めることを考えなくても、資産が困っていないことを意識しても良いかもですね。
NISAを埋めなければいけない、というルールはない
NISAが始まり、とにかく早く埋めなければ、と焦る気持ちもありますが、5年で埋めなければいけないワケではありません。
通常入金で埋まるところまで埋める、でも良いです。
夫婦二人分をコツコツ埋めれば老後に困ることは激減するでしょう。
投資は続けることが一番大切なので、含み益バリアをお守りとして続けるのも良いと思います。
通常入金しつつ、目標金額が足りない分だけ特定口座を取り崩す
管理人のパターンがこれです。
私の場合、年齢もあるので、55歳くらいまでにNISAを埋めたいので、けっこう無理して7.5年で非課税枠1800万円を埋めたいな、と。
そうなると月20万円。。
さすがに無理ゲーすぎるので、足りなくなってきたら資産を取り崩していこうかな、と。
特定口座はNISA、iDeCoを使うまでの「つなぎ」として使う
こちらも管理人のパターンですが、すでに資産をお持ちなので、老後にiDeCoやNISAを使うまでの「つなぎ」として特定口座を残しておくのも良さそうです。
管理人の場合、iDeCoはありませんが、NISA満額+現金1000万円くらいを老後資金に考えています。
これが埋まったあとは、残った特定口座、一般口座の海外ETFは年金が出るまでの自由資金に使おうかな、と。
理想的なのは55歳でNISAを埋め終わり、海外ETF1000万円+現金1000万円くらいが残っていたら嬉しいんですけどね。
そうなると年金65歳で受け取るとしても年200万円くらい自由に使えるし、積立投資もしなくなればキャッシュフロー劇的改善です。
全部使わなくても良いし、使っても良い。
たぶん、ご質問頂いた読者様は管理人より資産をお持ちなので、正直、含み益バリアを優先しても問題ないのではないでしょうか。
とはいえ、特定口座を売ってNISAに乗せ換えをしたほうがお得ではある
つらつらと書いてきましたが、特定口座を売って乗せ換えしたほうが税金的にはお得です。
資産が5%複利で増える
↓
支払う税金も5%複利で増える
なので、先にNISAを埋めて、まだ余裕があれば、また特定口座をコツコツ埋めていけばいいので。
また、NISAの制度が変わって、非課税枠が3000万円とかに増える可能性がない、とは言えませんしね。(英国ISAは非課税枠が年を経て増えていきました。)
下のほうにNISAへ乗せ換えの関連記事を載せておくので、参考になれば幸いです。
長くなってきたのでそろそろ終わります。
おわりに|含み益バリアを失っても乗せ換えがお得だが、資産は十分にあるので心地よく続けられる状況をキープで良いと思います
すでに一般的に見れば十分な資産があるので、自分が心地よく投資を続けられる状況をキープすれば老後も安定かな、と。
- 相場が上がれば支払う税金も増えますが、資産も増える
- もし暴落がきて含み損になってしまったら税金関係なく乗せ替えが可能
管理人はこんな感じで、どっちでも良い、というお気楽モードで生きています。
たぶん、今まで頑張ってリスクをとって投資をしてきたのだと思います。
それをNISAが始まって利確して税金払って、せっかく育った含み益バリアまで解消して、またイチから投資か・・・という気持ちも分かります。
とはいえ、今までの積み重ねは無駄になりませんね。どちらを選んでも十分な資産ができているので。
管理人は頑張って新規入金しつつ、7.5年でNISAを埋める。足りない分は血の涙を流しながら税金を払って特定口座を売却して埋める。
残った特定口座は年金までに自由に使う。
こんな感じでモチベーションを保ちつつ続けたいな、と。
ここらへんまでリスク資産が増えてきたら、あとは資本主義に任せて資産が増える時期を待つだけ。
リスク資産が2000万円あれば、運が良ければ10年で4000万円に増えています。伸びない時期だったら、低迷してるときに積立してるので、次の10年が期待できそう。これくらい緩い考えで良いのでは?
アホみたいに増える時期と、全然伸びない時期が交互しますが、資本主義を信じて、お互い相場に居続けることを頑張っていきましょう。
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下2つは毛色が違いますが、無理に乗せ換えを悩まなくてもNISAをコツコツ埋めれば十分豊かな老後が過ごせると思っています。
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