米国株へ投資をする人が増えているようです。
かくいう管理人もeMAXIS Slim米国株式(S&P500)をつみたてNISAで毎月積立しています。
いろいろなネットニュースやブログ記事を見ていると、米国偏重を心配される声もチラホラ。
リーマンショック以降、米国株が強過ぎた反動でしばらく低リターンになるのでは?と考えてしまいますよね。
記事内容は、米国偏重は控えた方が良いのか?という疑問に対して、管理人なりの考えを書いたものです。
先に結論を述べておきますと、読者様には国際分散をオススメ。自分は低評価されて下がった米国株を買いあさりたい、です。笑
未来は誰にも分かりませんので、管理人の戯言ではありますが、ちょっとした事があなたの投資の参考になれば幸いです。
米国株が強過ぎたので今後しばらくはリターンが見込めない?
ここ10年くらい米国株は圧倒的な上昇を見せつけてくれました。
下記は、全世界株式のVTとS&P500のSPYの比較チャートです。配当込みのデータで出しています。
出典:ETF Replay
水色:SPY(S&P500ETF)
緑色:VT(全世界株式ETF)
図を見ると一目瞭然ですね。
米国株式であるS&P500が圧倒的に全世界株式を上回っています。
主な要因はというと
- FANG、GAFAに代表される米国IT企業の著しい成長
- アメリカに比べ欧州や日本といった先進国の伸びが劣後した
こんなところでしょうか。
ヨーロッパではギリシャ危機以降、ユーロ圏の問題があったり、イギリスがEU脱退をしたがったりと問題を含んでいます。
日本はというと、2012年の政権交代で奇跡的な復活を遂げましたが、少子化やら内部留保の貯め込みなどもあって立ち遅れている感じ。
管理人はブログをするまで、投資は完全放置の生活をしていました。
おかげで儲かったのですが、改めて見るとアメリカの株価上昇凄いな、と思います。
上がり過ぎたものは下がる、というのが世の理です。
米国株と言えども、理を超えて上がり過ぎたら下がります。
これは、みんな大好きバンガードの創始者ボーグル氏が『インデックス投資は勝者のゲーム』でも言っている事です。
ちょっと画像を見てみましょう。
ボーグル氏の主張は最初のインデックスファンドを作った時から(たぶん)変わっておらず、株式リターンの要素は2つだけと言っています。
2つとは下記のものです。
- 利益成長
- 配当
超長期で見た場合、株価の上下は単なるノイズで、この利益成長と配当の合計が株式リターンというわけです。
利益成長と書いていますが、株価の成長ですね。
超長期で見ると、結局のところ、
企業が上げてきた利益=株価となる、というのがボーグル氏の主張です。
利益成長+配当が投資リターンになりますね。
昔の本には分かりやすく書いていたと思うのですが、古すぎて手元にも図書館にもありません。
今読んでも名著で、かつ初心者にも分かりやすいのでオススメしますよ。
ただ、投資家の欲望によって理論値を超えていても買い過ぎたり、相場に憶病になり誰も買わないなどの変化がありますので、若干ブレがでます。
ボーグル氏はそれを投機リターンと呼んでいました。それはPERの変化でもある、とも。
彼はS&P500をこよなく愛していましたが、米国株のPERは高過ぎであり株式市場での洗礼を受けて下がっていくだろうとしています。
また、配当基準は過去に比べ下がっており、米国の成長も鈍ると考えると向こう10年は4%程度の利回り、と最新の本では書かれていました。
※ちなみにインフレ考慮をされていないので、実質利回りは1.6~2.0%で我慢せよ、との事。
関連記事悲報:バンガード創始者より投資家の心をへし折る痛恨の一冊が出版
米国株推しの方は、一度読んでみると良いと思います。
他にもマイナス要因をあげれば、たくさん出せます。
米国も今でこそ覇権国として世界の株式時価総額の半分という凄まじい立ち位置ですが、100年前は列強国の一つに過ぎない時代がありました。
引用元:Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2018(PDF)
株主ファーストを貫く米国企業ですが、日本やヨーロッパの先進国が同じように配当や自社株買いで還元をするようになれば、米国株独走が無くなるのでは?とも考えられます。
あとは管理人のように逆張りが好きな人は、あえての米国を除く先進国や新興国をオーバーウェイトしたい、となったり。
もしかすると世界の機関投資家も案外、同じような事を考えているかも知れません。
Twitterでは興味深いアンケートがありました。
東北投信を運営するみらいさん(@instockexnet)も、興味深い記事を書いています。
つみたてNISAで投資しているアセットクラスに関して、アンケートに御協力願います。
回答が4つまでしか作成できないので、追加ツリーに他アセットクラスを添付してます#つみたてNISA
— きしやん@コツコツ熊本の幹事やってます (@oyagakoniosieyo) August 31, 2019
たしかにリーマンショック以降は米国株の独壇場で、他の市場の運用成績を大幅に上回ってきたのはよーく知っています。
しかし、こうも米国株のインデックスファンドを利用する人が多いとさすがに不安になってきます。
参考元【日記】2020年の計画。米国株式「以外」の比率を高めます【アセットアロケーション】
Twitterアンケートをしているきしやんさん(@oyagakoniosieyo)は、ブログを拝見すると国際分散派ですね。
外部リンク親が子に教えよう!お金と資産形成の世界☆
また、管理人も自分はさておいて、読者に米国株一本でどうですか?と聞かれたら、
- 米国株一本よりも国際分散
- 国際分散でも新興国を含む全世界株式
- できれば株式一本よりも債券を含んだバランスファンド
といった具合に、より分散して低リスクのものを推奨します。
ちょっと長くなり過ぎましたが、反対に米国株式を積立投資している管理人の意見です。
米国投資を控えずにS&P500投信のみを積立投資している管理人の考え
理由を付ければ、こちらも色々出たりします。
- S&P500の採用企業はグローバル企業の集合体で、売り上げの40%は米国外なので十分に国際分散されている
- 過去100年以上に渡って実績を出してきた指数(S&P500ができる前までは合成指数)
- 米国が一番イノベーションを起こしてきた国である
- 栄枯衰退で、銘柄の新陳代謝が活発
などなど。
あえて管理人がつみたてNISAで20年も米国株投資を続けようと思ったかというと、ボーグル氏の本に影響されて、ということろでしょう。
あと逆張りです。笑
米国株がもてはやされているのはここ数年だと思います。
管理人が子供の誕生祝に、投資信託をプレゼントした時はS&P500投資信託なんて夢のまた夢、みたいな時代でした。
仕方なくコスト最安(それでも信託報酬0.5%)のNYダウ投信でした。
まだジュニアNISAがなく、未成年口座という時代でしたね。
高品質な投資商品が増えてきたという事もありますが、個人的には米国株受難の時代がくるだろうなぁ、とは思っています。
もちろん米国株だけでなく世界的かも知れませんが。。
これは2018年に本を出したボーグル氏だけでなく、古典的名著『敗者のゲーム』でも語られている事です。
20年周期で豊穣の時代と受難の時代を繰り返すものだと。
最近だと情報の伝達性が早くなったおかげか、10年周期で暴落と回復を繰り返しているように思えます。
だとすれば、やっと10年周期で米国株が低迷する絶好のタイミング的なものを感じます。
皆が離れだしたり、警戒しだしたりすると逆張り派の管理人としては嬉しくなってきたり。
つみたてNISAは20年の非課税期間を終えたら、老後の生活費としてそのまま換金される予定ですので、お楽しみとして取っておきたいという俗物っぽい考えのもと積立投資がされています。
外しても世界株式に劣後するだけで、大きすぎるミスではないとも思ってます。
株式投資は余裕資金でするものなので、このくらい楽観的な気持ちでやっていきたいですね。
まぁ、本場では純資産が100兆円レベルで動いているS&P500ETFなので、日本のブームなんて蚊みたいな存在なのでしょうけれど。
おわりに|米国投資を控えた方が良い?と考えるより、自分の納得する商品を選ぼう
つみたてNISAは金融庁が主導している事もあり、手数料ばかり取られてしまう悪質商品は排除されています。
米国、先進国、全世界株式とそれぞれ良質な投資信託が選び放題。
もし本当に悩んでいる人がいるとすれば、20年も投資を続けるものだし、そんなに失敗に怯えず、中庸を狙うのが良いかと思いますよ。
投資をするという事は、しっかり日々の生活で預貯金ができて支出をコントロール出来ているのです。
それだけで金融リテラシーは十分かな、と。
運用でのリターンよりも、最終は自分の求める暮らしや老後があるはず。
焦り過ぎず、ゆっくりと自分に合った商品を見つけたり、継続したりして投資をしていきましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
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もしかすると中古本でも高値がついているかも。
ボーグル氏最新の一冊です。
こちらも米国株を投資しようと思っている人が読んでおくと良い一冊です。
ただ、前知識無しに読んだら、投資をしようという気持ちが砕かれるのでご注意ください。
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