米国株一人勝ちが続いていますが、この状況はまだまだ続くのでしょうか。
ニッセイ基礎研究所が丁寧なレポートを出していたので記事にてシェアいたします。
レポートはこちら。
外部リンク世界経済の現状と注目点-米国の一人勝ちが続くのか-
では、一緒に見ていきましょう。
【ニッセイ基礎研究所】米国の一人勝ちが続くのか
とりあえずの結論|当然不安定ながら何だかんだで大丈夫ではないか?
雑な結論から書きますと、
- 良好な雇用環境、株価上昇といった要因が所得・消費を支える要因となっている(米国経済の謎)
- 金利の高止まりが懸念されるなかで調整が起きるリスクも意識される
- 米国の成長減速は、世界にも波及しやすいと見られ、仮に米国経済が腰折れすれば、世界経済全体が下振れするリスクとなる
景気後退は危惧されるもののアメリカの謎に強い消費によって維持されている。当然、世界経済が下振れするリスクはあるものの、2024年以前と大きく変わらない。
未来は当然分からないのだから、自分の取れるリスクを保有しておくのが良いんじゃないかな、と思いました。
前置き
世界経済は2020年以降、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻(以下、戦争)といった、大きなショックに見舞われてきました。
また、今後も1月20日に米国大統領に就任したトランプ氏の政策によって、世界経済に新たな変化が生じる可能性が高いです。
こんな前置きをした上で、米国経済が謎に強いことなどを見ていきましょう。
米国経済の「謎」
レポートより引用です。
FRBは、欧州や日本と異なり米国の貯蓄率がコロナ禍前を下回っている状態、つまり消費が活性化している状況が持続されている点を「謎(A Mystery)」と言及している(図表16)。
米国ではコロナ禍期間中に蓄積された「過剰貯蓄」はすでに消失、ストックベースの富(純資産)も実質で見るとコロナ前から推計される水準を下回っており、現在の消費水準が維持可能なのかという疑問が残る状況である。
現在は良好な雇用環境(低失業率、賃金上昇の継続)、株価上昇といった要因が所得・消費を支える要因となっていると見られるが、例えば株価は割高感を示すPERが歴史的な高水準にあるなど(図表17)、AIブームによる過熱感が高まっており、金利の高止まりが懸念されるなかで調整(株価下落)が起きるリスクも意識される。
米国の貯蓄率はコロナ禍の過剰貯蓄を使い切っており、いつまで強いんや、という謎状況。
S&P500のPERは歴史的高水準で調整は意識されるラインです。
ただPERが低ければ株価が利回り通りに成長するかというとそれは別です。
PER14は7.1%の利回りですが、2010年から2014年のS&P500はPER通りに成長をしていません。企業利益が伴い、期待感とともに指数が上がっていく感がありますね。
なので企業の成長頼みというところかと。
これまで「逆イールド」に代表されるような米国の景気後退懸念は、外れ続けてきました。
現在はコロナ禍前と比較しても強い成長が持続しているが、新陳代謝が進んだ結果としての新しい高成長経路なのか、あるいはコロナ禍前への「正常化」が進み、成長減速などの調整が起きるのかに注目されています。
新陳代謝の結果として潜在成長率が上振れたとすれば、高い株価も正当化されるかも。
一方で現在の消費が持続可能ではなく、仮に米国経済が腰折れすれば、世界経済全体が下振れするリスクとなる。
個人的には株価が期待通りになるとは思えないので、過去のS&P500の勝率に賭けつつ、自分が取れるリスク分を保有しておくという、ありきたりな結論になるのかなぁ、と。
参考までにS&P500の勝率です。
サイコロを割と高い確率で0~10%のリターンが得られて、ちょっと低い確率でマイナスを食らいます。
過去67年で見れば勝率は73%でプラス。わりと良いギャンブルだと思っています。(ギャンブル脳)
関連記事S&P500を持ち続ける理由|過去67年で勝率73%
トランプ2.0はどうなる
経済を大きく左右すると見られる政策は、税制、通商政策、移民政策、規制緩和です。
なかでも、世界的に大きな影響を及ぼすと見られるのは通商政策(以下、トランプ関税)ですね。
ニュースを見ていると不安になりますが、思っているほど影響がないのかも。
分かりやすい画像など。
GDP、インフレともに影響はあるものの、何だかんだでエリート企業が乗り越えられるような気がします。
レポート内でも
「直接的な米国からの輸入物価増」の影響と「中国の米国への輸出が減少した分、中国産の輸入品が安価となる」影響が相殺されるだろう。
米国と結びつきの強いカナダやメキシコでは、いずれも前者の「直接的な対米輸出減」の影響が大きいとみられ、GDPの押し下げやインフレ率の押し上げ幅が大きくなっている。
と書かれており、そこまで悲観的な捉え方はされていない感じでした。
S&P500ギャンブルと同じで、サイコロの目次第な気がしますw
何となく読んでいて似たような結論があったな、と思ったんですが、そういえばスパコンさんがチャールズ・シュワブの貿易戦争に関するレポートを書いていた記事があります。
外部リンク「貿易戦争が市場に及ぼす5つの影響」
詳しくは記事を読んで欲しいのですが結論だけお借りします。
- トランプ大統領当選が決まっても全世界株式は順調じゃん
- トランプ一期目の関税の時もあんまり反応なかったじゃん
- 海外での売り上げが大きい企業ですら影響はあんまりなかったじゃん
- トランプの関税宣言は脅し半分で、そこまで極端にはやらんじゃん
- 結論、あんまり影響はでないんじゃん?
うん、大丈夫そう。
アカンかったときは安くNISAを積み立てられるチャンスだし、順調に成長したら保有してる株式資産が増えてラッキー。
どっちにしても気楽に過ごせるポジションを構築しておくのが良いですね。
ついついNISA埋めるのに必死になるのは分かりますが、ゆっくり積み立てて、ゆっくり取り崩していくことを考えると焦らずコツコツですね。
というワケで冒頭の結論である、当然不安定ながら何だかんだで大丈夫ではないか?となるのでした。
まぁ、将来の株価なんて分かったら苦労しないので、庶民である管理人は引き続きNISA埋めるのを頑張りつつ、余力があればS&P500を買っていこうと思います。
もし大外れして暴落の始まりであれば、泣きながら無リスク資産を投入していきます。来ないことを願いますけど。。
色んなニュースを見てると不安にもなりますが、100年単位で見れば世界経済は新陳代謝を繰り返しながら成長してきました。
たぶん投資する理由はそんな感じと思うので、ともにコツコツ頑張っていきましょう。
お読み頂きありがとうございました。
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ニッセイ基礎研究所さんの良レポートです。
スパコンさんの良記事です。こちらも面白いので是非。
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