ネットニュースを見ていると老後資金問題が2000万円から5000万円に上がっているとのこと。
記事を読んで思ったことなどをウェブログとして。
記事はこちら。
外部リンク老後に必要な貯蓄額が2000→5000万円になる可能性がある…だけじゃない! 日本の年金制度が抱える“恐ろしすぎる現状”とは
野口悠紀雄氏が書いていて若干煽り過ぎかと思いますが、一緒に見ていきましょう。(野口さんはNISAも推奨しないし投資嫌いなイメージだしなぁ、とかもあります。)
【悲報】老後に必要な貯蓄額が2000万円から5000万円になるかも
【そこまで心配は不要】年金で足りない生活費が5000万円になるケースはゼロ成長だった場合
公的年金は5年ごとに財政の現状と見通しをします。これが財政検証ですね。
2024年財政検証では、4つのケースが想定されました。
- 実質賃金2.0%成長
- 実質賃金1.5%成長
- 過去30年投影ケース(1人当たりGDPの伸び率0.7%)
- ゼロ成長ケース
野口さんは4番目の成長ゼロだった場合、5000万円の用意が必要とのこと。
今すぐ年金支給開始(70歳)の議論と準備を始めるべき、と書かれていて記事は終わっています。
ご本人は84歳だし、年金支給開始が70歳になっても痛くも痒くもないよなぁ、と思いながら読んでいましたw
ゼロ成長が続いた場合、
国民年金の積立金が2059年度に枯渇し、それ以降は賦課方式に移行するため、厚生年金の所得代替率が、2060年度に36.7%に低下するのだ。
36.7%とは、2024年度の6割の水準だから、現状からの減少額は、モデル年金で言えば、月額9.2万円、年額111万円となり、30年間では3319万円となる。したがって、これまで「2000万円必要」と言われていた老後生活のための要貯蓄額は、5000万円を超えてしまう!
これでは、ほとんどの家計がお手上げだろう。
※太字・装飾は管理人がしました。
年金の所得代替率が36.7%に下がるとモデルケースとして年額111万円になります。
2000万円問題のときはモデルケースが年金年額252万円だったので、ダメージ大きいですね。この当時で普通の暮らしに足りない生活費が月5万円で30年生きると2000万円足りない、というのが2000万円問題でした。
所得代替率が36.7%になってしまうと足りない生活費5000万円になる、というのが理論の様子。
さすがに大袈裟すぎるやろ、と思うんですがどうでしょうか。
ゼロ成長としても、記事のように5000万円貯めないと終わりだーーーと悲観するまでは無いと思います。
ちょっと書かれていた部分の補足です。
国民年金の積立金が2059年度に枯渇し、それ以降は賦課方式に移行するため
と書いてますが、この積立金はGPIFのことですね。
GPIFの積立金は現在年金を受け取っている人にはあまり支払っておらず、今後、ますます進む少子高齢化で私たちの子ども世代が支払いの負担を軽減するものです。
GPIFから分かりやすい画像など。
現在も年金に微妙に使っていますが、計画としては現役世代が減少した分を積立金、運用益で補填するというのがGPIFの存在意義。
私たち氷河期世代の年金が減るのはほぼ確定としても、今の年金受給者のためではありません。
こちらは積立金を使っていくイメージ。ただし、2019年の財政検証モデルなので、今後、若干変わる可能性があります。
何だかんだで賦課方式の保険料と国庫負担が年金を支えます。
なので、高所得者にとっては年金の所得代替率が36.7%に下がるケースはあるかも知れませんが、国民からガンガン餓死者を出すような政策はさすがにやらないでしょうし、最低レベルの部分はキープするんじゃないかな、と。
まぁ、厚生年金の支給額を減らして、国民年金の支払いを増やそう、みたいな案もあって炎上していましたが、これも最低限の支払いを維持するための観測気球なのかも知れませんね。
ただ、年金受給額は現役世代が払ってくれる保険料に依存しますし、賃金上昇に連動します。
またまた分かりやすい画像をGPIFより。
国庫負担、GPIF積立金があるにせよ、年金を支払っている人の給料が上がらないことには年金受給金額はどうしようもありません。
なので、ホントは現役世代の給料を上げる政策をするべきなんですが、票田である老人優先になってばかりで若者が将来貰える年金は後回しな感じも。。
で、実際、5000万円足りない問題は大袈裟にして、現実的な落としどころはどうなん?というと3500万円あたりとも書かれていました。
蓋然性が高いのは、過去30年投影ケース
ちょっと長いですが引用にて。
ケース③であった過去30年投影ケース(1人当たりGDPの伸び率0.7%)の場合、所得代替率は
収支差(保険料収入、運用収入、国庫負担の合計である「収入合計」と、基礎年金拠出金と報酬比例年金の計である「支出合計」の差)は、2024年度の13.9兆円から継続的に悪化し、2035年度に、8.8兆円と10兆円を割り込む。
そして、2080年度にマイナス3.9兆円と、マイナスに転じる。その後も、マイナス幅が拡大していく。2120年度における収支差は、マイナス20.4兆円だ。給付水準の調整は、比例年金では2026年度で終了するのだが、基礎年金では2057年度まで続く。
このため、厚生年金の所得代替率は、2024年度には61.2%であるものが、低下を続け、2030年度に59.9%と6割を下回り、2057年度からは50.4%となる。つまり、2024年度に比べて、82.4%の水準に落ち込む。
※太字・装飾は管理人がしました。
ざっくり2割減といった感じですかね。
これくらいは年金減るだろうと覚悟している人は多そうですし、国も落としどころにしてそうな気がします。ただし、モデルケースで2割減なので、稼いでる人は負担が多く、稼いでいない人ほど有利な年金になる予感。。
モデルケースで2割減ると30年間で足りない生活費が1460万円増えて、合計3500万円が老後に必要だろう、というのが野口さんの内容。
個人的には算数だけやん、みたいな気がしており、庶民は入ってきた年金に合わせて生きていくだろうと思っています。
実際に2000万円問題が話題になったあと、実際に庶民の生活はどうなったかというとこんな感じに変わりました。
出典:「老後資金2000万円問題は3年で”55万円問題”に」それをメディアが全く報じない理由
年度 | 収入 | 出費 | 差額 | 30年差額 |
2017年 | ¥209,198 | ¥263,717 | ¥-54,519 | ▲1963万円 |
2018年 | ¥222,834 | ¥264,707 | ¥-41,873 | ▲1507万円 |
2019年 | ¥237,659 | ¥270,929 | ¥-33,270 | ▲1198万円 |
2020年 | ¥257,763 | ¥259,304 | ¥-1,541 | ▲55万円 |
数字を見ると一撃ですね。分かりやすいです。
2020年はコロナ禍にも関わらず2000万円問題は解消されてしまいました。
大きい部分は生活費が足りないならちょっとだけ働けば良い、というパワープレイで解決した様子。
もし良ければ過去に書いた記事なども。
関連記事コロナのおかげで老後資金2000万円問題は”55万円問題”に
あと、私たちには投資がありますね。
そのことから過度に不安にならなくて良いかな、と。
年金+NISA取り崩しで十分生活していける
年金が8掛けしか払われなくなったとしても、NISAをコツコツ積み立てている人たちは問題ないんじゃないかな、と思います。
北陸銀行さんのサイトから、貰える年金の金額をざっくり見てみましょう。
まずは厚生年金のイメージ。
サラリーマンを定年まで勤めあげると毎月上記の厚生年金が支給されます。
ただ、大学卒業後38年勤務での平均なので、若くて収入少ない期間などもあるでしょうし、低めに見積もっているほうが良いかも。
管理人は厚生年金を納めていない期間もあるので年収300万円くらいで上記カウント外です。涙
ここに基礎年金(国民年金)が加わることでざっくりイメージができるはず。
4パターンで見ていきましょう。
パターン①会社員と専業主婦の夫婦
ななし家のイメージですね。
うちの場合は厚生年金がもっと減って月4万円くらい、そこに基礎年金で10万円ちょいかな、と。
うまく定年まで勤めあげても12万円以下をイメージ。
妻の国民年金を合わせると最低限の生活は何とかなりそう。
管理人10.5万円、妻6.5万円で計17万円ほど。
ここに0.8を掛けると月額13.6万円。
これは流石に生活できません。
足りない分はNISAと個人向け国債を取り崩しで生活という感じですかね。
ただ、この金額だと普通の人は生活保護以下なので、まったく貯金がない人は申請したら生活保護も貰えそうな予感。
パターン②会社員と公務員の夫婦
共働きパターンですね。
何だかんだで共働きだったら月26.3万円の年金。投資とか深く考えなくて良い気もします。
ここに0.8を掛けると月21万円。
インフレの進む未来を考えると心許ない。
ただ、夫婦の退職金を考えると投資なしでも十分生活できそう。
共働き最強です。
パターン③自営業の夫婦
厚生年金なしの自営業夫婦。
月13万円ですが、ここはさすがに0.8を掛けるのは無さそう。
国民年金だけじゃ生きていけないし、実際に氷河期世代をはじめとして定職に就けなかった人たちへの保護として、最低限キープか上乗せをしてくるはず。
とはいえ、月13万円じゃ老後の生活ができないので、貯金なのか投資なのかというのがこのパターン。
自営業は何でも経費にできるし卑怯みたいな声もありますが、儲かってる一部の人たちだけで、大半の零細企業同様なんとか生きてるゾンビ状態も多そうな予感。
幸い人手不足なので75歳まで働く層として政府は期待してるかも。(働けば税金も取れるし社保の担い手にもなるし。)
パターン④会社員の単身者
おひとり様のパターン。
月額13.8万円だと厳しい金額。
ここに0.8を掛けると月11万円。
一番、負担がくるのはもしかするとおひとり様なのかも。2000年以降、退職金はジリジリ減っているし、一番投資が必要な層でもありそうですね。
こうやって年金単体だけ見てると憂鬱になりますが、前述した通り、私たちには投資があります。
コツコツNISAを埋めて年金支給まで生きていればそれなりのまとまったリスク資産を持つことが可能。
最近使いまくってる大和アセットさんの画像だと、月3万円を20年間積立投資するだけで過去チャートだと全世界株式(AWCI指数なのでオルカン)が3100万円になっています。
NISAで増えた3100万円も老後になった瞬間一撃で現金化はしないですし、チビチビ使ってるうちに、株価は変動し、ときには暴落をしつつ、老後30年を力強く成長するでしょう。
そう考えると年金+NISA(+無リスク資産)があれば、過度に老後を恐れなくて良いのかな、と思った次第です。
老後に必要な資金は人それぞれなので、ざっくりした年金を計算しつつ、いまのリスク資産を見ながら、これくらい積立を続けたら何とかなるだろう、と目安を付けるのが良いですね。
あとは不安になり過ぎず、人生を楽しむことに重点を置いていきたい、と管理人などは思っています。(思っているけど難しいので日々精進。)
そろそろ長くなってきたので終わりにします。
というワケで今日は【悲報】老後に必要な貯蓄額が2000→5000万円になるかもというお話でした。
私たちには投資があります。
過度に悲観せず、ゆるく構えて日々のお仕事を頑張り、コツコツと積立を続けていきましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
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コロナのおかげで老後資金2000万円問題は”55万円問題”に
いろんなニュースがありますが、過度に不安になるより何とかなるやろう、と気楽に生きるほうが良いですね。
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