海外ETFが魅力だけど税金とか分からないので怖い、という読者様より質問を頂いたので記事にて回答します。
メジャーな指数であれば東証ETFが悩みも少なくてカンタンではありますが参考になれば幸いです。
では一緒に見ていきましょう。
【質問】源泉徴収ありの海外ETFなら確定申告不要で大丈夫でしょうか?
まずは読者様の相談内容から。
こんにちは。
毎日ブログ更新を楽しみにしている読者の1人です(更新時間の朝6時に、スマホを片手に待っています。)当方、現在30後半で、色々な投資手法のうち、オルカンに辿り着いてメインで積立しているインデックス投資家の1人です。
本来それで完結するというのがインデックス投資の良いところなのですが、ななし様の過去記事を読んでいるうちに、海外(米国)ETFも気になり始めました。
VYM、VOOなどそれぞれが魅力的で、今月やっとBNDを楽天で少しだけ買いましたが、
ふと確定申告が気になり、あっという間に全部売ってしまったという意味不明な挙動をとってしまいました。というのも…
私は特定口座の源泉徴収ありの海外ETF…(外国税の二重課税を気にしないなら)確定申告不要という認識です。
ただ、キャピタルゲイン、インカムゲインに対しては確定申告不要ですが、為替差益に関しては確定申告必要(特定口座で徴収されない)というのが認識なのですが、ななし様としての認識に合っていますでしょうか?
確定申告はしたことはあるのですが、医療費控除やふるさと納税に関してはしたことがあるものの、
株や投資信託周りに関しての所得申告はしたことがなく、ネットで調べてもわかりやすい記事等が見つけられず、結局(確定申告がNISAや特定口座で不要な)東証の2558や2559に行き着いてしまうということになってしまいました。
それでも米国ETFは魅力的ですし、たかが確定申告の手続がボトルネックなので、もっと詳しくなって、米国ETFも再検討してみたいです。
前置きが長くなりましたが、本来税務相談は税理士なのですが、海外株周りで確定申告で気をつけるべき点を、ななし様が「自分はこうやっている」という形でも大変参考になるので、氷河期ブログにて取り上げていただくことは可能でしょうか?
参考になる記事や書籍紹介だけでも助かります。
以上、ご一読頂ければ幸いです。
✳︎当方の条件…
1)楽天証券で旧積立NISAと新NISAで複数の投資信託を積立中。国内投資信託以外は持っていない。
2)外国MMFを一時的な現金置き場として利用中。
3)特定口座(源泉徴収あり)にて国内ETF(2558)を所有中(昨年購入)。
ご質問ありがとうございます。
また、格別のご贔屓も感謝です。
海外ETFの商品力は魅力ですが為替部分での税金が不安という感じですね。
国語力に不安がある管理人ですが、海外ETFで気を付けていることなども含めつらつらと書いていきます。
まずは結論から。
結論|円貨決済で海外ETFを買う場合は為替差益での確定申告は不要
昔は海外ETFを買うときは一度ドルを買い付けて、そのあとドルで海外ETFを買っていました。
しかし、現在は楽天証券、SBI証券とも円貨決済で売買できるので大きな心配は不要です。
画像を見て貰えると分かりやすいかと。
VYMの買い注文です。
一番下の決済方法を「円で買う」にすればOKです。
合わせて売るときも見ていきましょう。
こちらも一番下の決済方法で「円で受け取る」にすれば為替部分での確定申告の心配は不要です。
そもそもなぜ確定申告が必要になるのでしょうか。
この部分を理解すると不安が減りそうですね。
海外ETFを買った際に注意するのはドル→円にしたときの為替差益
海外ETFを買った際に注意するのはドル現物から円に戻したときの為替差益です。
逆に言えば証券である海外ETFやドルMMFを円貨決済していれば確定申告は不要となります。
管理人も昔同じように悩んで楽天証券に質問したことがあり、その回答をスクショで見てみましょう。
米国株式の譲渡損益は、決済方法に関わらず、購入・売却それぞれの約定日の為替レートを用いて日本円で計算をおこないます。
「特定口座(源泉領収あり)」ではその年ごとに譲渡の都度、年間損益を通算し、譲渡益がある場合には納付すべき税額を徴収し代理納付をおこないますので、確定申告を不要とすることができます。
と書かれているので安心ですね。
楽天証券からの返信の続き。
直接外国為替取引をおこなわれ、利益が発生した場合には、雑所得として総合課税の対象となり、確定申告が必要です。
直接為替取引をしなければ、分離課税とも読めますね。
実際に、投資信託などは為替などをファンド内で処理しており、為替差益部分を確定申告する必要はありません。このイメージを持っていると良いかも。
これは証券であるドルMMFも同様です。
なので、当サイトではドル配当を受け取った場合は即ドルMMFに変えるとこを推奨しています。
ドルのまま保有していて、それを円転したときに差益が出た場合、税制上、雑所得として納める必要があるからですね。
証券のドルMMFなら分離課税だから安心。海外ETFも円貨決済を選んでいれば問題なしです。
ちょっと昔の記事ですが、こちらも参考になれば。
関連記事米国株式、海外ETFの為替差益が気になる?楽天証券のドルMMFは超おすすめかも
気を付けるべきは配当で貰ったドルの処理
米国株、海外ETFで厄介なのは配当です。
ドルを現物で受け取ることになるので、このドル現物をそのままにしていて、円転したときに為替益が出ていると確定申告が必要になります。
というワケで、貰ったドル配当は即ドルMMFにしておきましょう。
これで証券扱いになるのでドルMMFを売って円転して為替益が出ていても特定口座内で処理してくれるので問題なし。
あと、楽天証券だと米国株・海外ETFの円貨受取が選択できます。
管理人はこちらを使っていますが、配当の都度、ドルMMFを買う必要が無くなったのでめちゃくちゃ快適ですw
関連記事【便利】楽天証券、米株、海外ETFの配当金を日本円で受取が可能に
ちなみにドルをどんどん貯めていて円転した場合の確定申告をSPオヤジさんがリアルに書かれている記事があります。
外部リンク為替差益の税金(総合課税)がめっちゃ痛かった話 ~だから私は海外ETF購入をお休みします~
SPオヤジさんも手間を考えて東証ETFや投資信託を買っていく、という感じになられたようです。
ドル現物を取り扱った際は為替差益に対して確定申告というのは罠ですよね。
結論としては読者様が辿り着いた東証ETFである2558(S&P500ETF)、2559(オルカンETF)がベストかと思います。
インデックスで良いなら東証ETFが充実している
アメリカの個別株を買いたい場合は別として、インデックス(指数)の商品であれば東証ETFも良い商品が充実してきました。
S&P500、NASDAQ100、全世界株式(ACWI)などは無理して海外ETFで買う必要もないでしょう。
配当の二重課税調整されているものも多く、今から投資を始める人はこちらがおすすめです。
どうしても日本では買えないような海外ETFや米国株を買いたいときは、為替差益に気を付けて、
- 配当円貨受取にする
- 売買は円貨決済にする
としておくのが良いですね。
関連記事海外ETFの配当受取と二重課税が面倒なので東証ETFに乗り換えたいが、ななしさんならどうしますか?
またメッセージのなかでBND(米国総合債券ETF)がありましたが、同じ指数のAGGを東証ETF化した商品もあるので、債券でバランスを取りつつポートフォリオを構築するのも格段に楽になりましたね。
当サイトでけっこうここらへんの情報を書いていますが、昨今はGoogleが個人ブログを上位表示しなくなった弊害を感じます。
もっと証券会社が分かりやすく個人談っぽく書いてくれると良いのですが。。
さて、長くなってきたのでそろそろ終わりにします。
おわりに|特定口座で海外ETFを円貨決済すれば確定申告不要
海外ETFを円貨決済で売買すれば確定申告は不要です。
気を付けるべきは貯まったドル現物を円転するときですね。この場合、利益が出ていると雑所得として確定申告が必要になります。
対策としては
- 海外ETFを売買するときは円貨決済
- ドル配当は即ドルMMFにしておく
- もしくはドル配当も円貨受取にする
ここに気を付けておけば確定申告に過度な不安はしなくて良いと思います。
もちろん税金のことなので最終確認は税務署にてお願いします。
というワケで今日は源泉徴収ありの海外ETFなら確定申告不要で大丈夫でしょうか?というお話でした。
ここ数年で東証ETFも投資信託も充実してきたので、自分にあったスタイルを見つけて、ともに頑張っていきましょう。
お読み頂きありがとうございました。
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関連記事です。
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海外ETFの配当受取と二重課税が面倒なので東証ETFに乗り換えたいが、ななしさんならどうしますか?
昔は低コストでインデックス投資をするなら海外ETFという時代でしたが、今はeMAXIS Slimシリーズ含め、かなり楽になりましたね。
確定申告が怖い人はSPオヤジさんのリアルな話も良ければ是非。
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