読者様より4%ルールについて質問をいただきました。
初歩的な考え方と、投資の出口戦略などを記事にて回答していきます。
まずは4%ルールって何?という人向けの情報から。
知ってる人はざーっと流してくださいませ。
4%ルールについて(生成AIより)
4%ルールとは、資産運用に関する研究から導かれた理論で、毎年投資元本の4%未満を生活費として切り崩していけば、30年以上が経過しても資産が尽きる確率は非常に低いというものです。
4%ルールは、米国トリニティ大学で1998年に発表された研究からきており、FIRE(Financial Independence, Retire Early)の流行をきっかけに注目を集めました。
4%という数字は、米国株式(S&P500)の1945年から2020年までの年平均成長率7%から、同期間の平均物価上昇率3%を引いた数字です。
4%ルールを適用するには、1年の支出の25倍の金額の資産形成が必要となります。たとえば、年間支出が400万円の場合、年間支出の25倍は1億円です。この1億円を年利4%で運用していくと、年間で得られる運用益は400万円となります。
実際は株式60:債券40くらいの比率だった記憶です。
あと、毎年4%を使っても資金が枯渇しない可能性が高いというレベルのものなので、大きいドローダウンがきた場合は、節約したり再就職したりといった必要もありますね。
当サイトでは3%くらいが安心じゃないかと思って、それくらいの数値でシミュレーションした記事が多いです。
さて、読者様からの質問を含め、投資についての出口戦略を考えていきましょう。
【読者質問】4%ルールは25年経つと引き出しが100%を超えてしまわないか不安です
読者様からの質問内容はこちら。
ブログいつも拝見しております。
さて、4%ルールについて質問です。
もうすぐセミリタイアをする予定でいますが、4%ルールについて一つ理解できないことがあります。
よく4%ずつ引き出しても30年後お金が残っているという話を聞くのでリタイア後は楽天証券の定率解約を使って年に4%ずつ引き出して行こうと思っています。
ただ年4%引き出して行くと25年経つと引き出しが100%になってしまい、最後は投信が全部解約されてしまうんではないのかとちょっと不安に思っています。
お金は減らず残っているのかもしれませんが最後は投信の口数がなくなってしまい、全部現金になってしまうのでしょうか?
そこの疑問がどうしても解消できません。
効率は悪いことわかってはいますが、分配金が出る投信やETFを使い配当をもらっていったほうがいいのかよくわからなくなってきました。
投信は基準価額✕口数なので、定率解約で口数が減っていくか、分配金で基準価額が下がるか…
ちなみに私は今年50歳なのでこのままいくとまだ25年以上引き出していかなくてはいけません。
この場合定率解約でもいいのでしょうか?
現在は楽天SCHDや東証ETFの2014などに退職金を入れることも視野に入れています。
お忙しいと思いますのでもし、お時間があればで結構ですので回答いただけると幸いです。
今年1年ななしさんにとっていい年になるよう祈っております。
ご質問ありがとうございます。
セミリタイア直前ということで出口戦略をお悩みという感じですね。
なお、毎度のことですが管理人は国語力が壊滅的ですので、意図と違っていた場合はスミマセン。
4%ルールについては上述したような形になります。
また、読者様が懸念されている4%ずつ崩すと25年でゼロになるのではないか?という不安は問題ありません。
後述していますがエクセル先生に計算して貰いました。
もちろん相場次第で受取金額が減るので、そのときは相場良いときに現金を残しておくなどで対応すれば良いのかな、と。
管理人は老後の相場低迷期を乗り切るために個人向け国債1000万円を用意しています。年金と合わせれば8~10年は生活できるので何とか株価も回復するという雑計算です。
50歳ということなので、年金受給までの期間も短くなっており計算が立てやすいのではないでしょうか。
- 年金受給までに生活費がどれくらい必要か
- 年金受給後はどれくらい資産取り崩しできれば良いか
この2点に分けてじっくり考えれば見通しを立てやすいと思います。
管理人が雑に考えているのは
- 55歳時点で資産7000万円
- 老後資産として3000万円(NISA満額+個人向け国債1000万円)には手を付けず生活する
- 残り4000万円を65歳まで無職で生活費として使っていく(年400万円計算)
- 年金受給開始後はNSIAと個人向け国債を取り崩す
- 70歳以降は投信自動取り崩しで30年分割で受け取る
みたいな感じです。
年金受給までの無収入期間をどう過ごすか、年金受給後にどれくらい残っていれば良いかを計算すると楽になりそう。
こんな上手くいくか不明ですが参考になれば。
自動取り崩しはいくつかのパターンがあります。
楽天証券をお使いのようですので実際の使い方を見ていきましょう。
楽天証券では下記の3つの方法を選べます。
- 金額指定
- 定率指定
- 期間指定
それぞれ特徴があるので見ていきましょう。
金額指定
毎月安定した金額を受け取ることが可能。
代わりに下落局面だと資産減少ペースが速くなり過ぎるので少なめに設定しておくほうが良いと思います
定率指定
こちら読者様がお悩みだった件かと思います。
指定した%で口数で取り崩ししていきます。
口数の○%を取り崩すので、
1年目 10000口×4%
2年目 9600口×4%
3年目 9216口×4%
・・・
という感じです。
私もこの感じだと25年後にゼロになるのでは?と思ったのでエクセル先生に計算して貰いました。
取り崩し率は4%です。
口数 | 取り崩し後 | |
1年目 | 10,000 | 9,600 |
2年目 | 9,600 | 9,216 |
3年目 | 9,216 | 8,847 |
4年目 | 8,847 | 8,493 |
5年目 | 8,493 | 8,154 |
6年目 | 8,154 | 7,828 |
7年目 | 7,828 | 7,514 |
8年目 | 7,514 | 7,214 |
9年目 | 7,214 | 6,925 |
10年目 | 6,925 | 6,648 |
11年目 | 6,648 | 6,382 |
12年目 | 6,382 | 6,127 |
13年目 | 6,127 | 5,882 |
14年目 | 5,882 | 5,647 |
15年目 | 5,647 | 5,421 |
16年目 | 5,421 | 5,204 |
17年目 | 5,204 | 4,996 |
18年目 | 4,996 | 4,796 |
19年目 | 4,796 | 4,604 |
20年目 | 4,604 | 4,420 |
21年目 | 4,420 | 4,243 |
22年目 | 4,243 | 4,073 |
23年目 | 4,073 | 3,911 |
24年目 | 3,911 | 3,754 |
25年目 | 3,754 | 3,604 |
26年目 | 3,604 | 3,460 |
27年目 | 3,460 | 3,321 |
28年目 | 3,321 | 3,189 |
29年目 | 3,189 | 3,061 |
30年目 | 3,061 | 2,939 |
口数はガンガン減っていますが、ここに基準価額がかかるので、20年後に株価が2倍、30年後に株価が3.3倍程度に上がっていれば受取金額はそこそこキープできるのではないでしょうか。
50歳ということなので、50年後まで数字を出しておきますね。
31年目 | 2,939 | 2,821 |
32年目 | 2,821 | 2,708 |
33年目 | 2,708 | 2,600 |
34年目 | 2,600 | 2,496 |
35年目 | 2,496 | 2,396 |
36年目 | 2,396 | 2,300 |
37年目 | 2,300 | 2,208 |
38年目 | 2,208 | 2,120 |
39年目 | 2,120 | 2,035 |
40年目 | 2,035 | 1,954 |
41年目 | 1,954 | 1,876 |
42年目 | 1,876 | 1,800 |
43年目 | 1,800 | 1,728 |
44年目 | 1,728 | 1,659 |
45年目 | 1,659 | 1,593 |
46年目 | 1,593 | 1,529 |
47年目 | 1,529 | 1,468 |
48年目 | 1,468 | 1,409 |
49年目 | 1,409 | 1,353 |
50年目 | 1,353 | 1,299 |
意外なことに50年後も残っているんですね。
私が算数できなかっただけですがw
こちらもリタイア初年度と比べて、40年後に株価が5倍、50年後に8倍くらいに成長してれば同じ金額を受け取ることが可能。
株式はインフレを取り込むので老後のインフレ対策としても優秀そうですね。
私は次に紹介する期間指定を考えていましたが相続を考えると定率指定が良い気がしてきました。
期間指定
これが一番後腐れなくキッチリ資産を使い切れる方法でしょう。
管理人は70歳になったらNISA満額を30年分割で取り崩す予定です。
暴落が来ているときはストップして個人向け国債1000万円で凌げば良いですし、面倒なら低迷したら清貧に生きていきます。
読者様の場合、年齢が分かっているので、あとは年金の受給額と、どうやって生きていきたいかで計算を立てやすそうですね。
- 年金受給額までの生活費
- 年金受給後の生活費
これを意識して、いまの資産を一度計算してみてはいかがでしょうか。
取り崩しのざっくりしたシミュレーション記事も応援クリック下に載せておきますので、もし良ければお読みください。
楽天証券の自動取り崩しはこちらからどうぞ。
というワケで今日は4%ルールと定率取り崩しのお話でした。
今回は私も定率指定の良い勉強になりました。
メッセージと暖かい言葉もありがとうございます。
同じ氷河期世代として大変な時期もありましたね。しかし資産形成をすることで、少しずつ人生が楽になってきたと思います。
まだまだ大変なこともあるかもですが、ともに頑張っていきましょう。
お読み頂きありがとうございました。
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