インデックス投資をしていると投信積立が万能と思う反面、キャッシュフローを増やしたいから個別株の配当金やETFからの分配金が欲しくなる人も多いです。
管理人もその一人。
ただ、海外ETFを使っており、二重課税が面倒やなぁ、と思うこともあります。
また、この円安でドル収入は嬉しいのですが、為替益が出た場合、確定申告をする必要があるので、意外とう面倒だったりすることも。(為替差益は雑所得。)
対策としてドルMMFを購入することで分離課税にしてしまい、証券口座内で自動で処理してもらうという方法がありますが、都度注文が面倒でもあります。(ドルMMFは超短期債の証券なので分離課税。)
※ややこしいので後述しています。
さて、同じような状況で読者様より海外ETFから東証ETFへ乗り換えたい、と質問をいただきました。
もしかすると似たような考えを持つ人もいるかもなので、記事にて回答していこうと思います。
もし良かったらお付き合いください。
海外ETFの配当受取と二重課税が面倒なので東証ETFに乗り換えたいが、ななしさんならどうしますか?
まずは読者様のご質問から。
こんにちは、同じ氷河期世代の女性です、いつも読みやすく、ためになるブログを楽しみにしています。
FIREを目指して資産運用がんばっています。
投資信託のオールカントリーが万能だなあと思いつつ、配当がチャリンチャリンと入ってくるのがモチベーションアップに必須なので、VTI・VYM・SPYDを積み上げていました。
しかし最近二重課税問題と、配当の為替差益対策でドルMMFに急いで換えるのがストレスになってきました。
今より年取ったらさらにめんどくさくなるでしょう。
そこで米国ETFを買いなおそうかと思っています。
商品は海外、中でも米国を長く買いたいことと、配当が好きであることを考え、東証ETFの2558、2559、2013、2014を検討しています。
しかし配当多めの2013、2014が資産額が意外と伸びてないことが心配で迷っています。東証ってやはり少数派ですし。
ななしさんならどうしますか?
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
同じ氷河期世代ということで資産形成のタネを作るのは大変だったと推察します。
オルカン積立が最適と思いつつ、配当チャリンチャリンがモチベーションなのも超絶分かります。仕事以外からの収入があるとメンタルに良いですしね。
さて、結論から書くと2558(もしくは同じS&P500ETFの1655)がおすすめかと。
ゆっくり内容を書いていきますね。
その前に、アルファベットやら4桁数字だけでワケが分からん、という人もいると思うので商品説明もしておきましょうか。
VTI 全米株式
VYM 米国株の高配当に時価総額加重
SPYD S&P500のうち高配当銘柄に均等投資
2558 東証で買えるS&P500ETF
2559 東証で買えるオルカンのETF版
2013 東証で買える米国高配当ETF(中身は海外ETFのHDVで比較的クオリティ重視)
2014 東証で買える米国連続増配ETF(中身は海外ETFのVIGと同じで連続増配10年以上ということで配当利回りはそんな高くないけど金ピカ企業の集合体)
こんな感じの商品で悩んでいる、という状況ですね。
関連記事【朗報】東証でHDVが買えるようになる!【2013 iシェアーズ 米国高配当株 ETF 】
海外ETFの特徴
- NY市場に上場している商品を直接買える
- 流動性は世界一安定しており安心
- 経費率が超絶安い
- 配当は米国で外国税10%が取られたあと日本でも20.315%が課税される=二重課税(確定申告で一部取り戻せるが手間が大きい)
東証ETFの特徴
- 東証で即買える
- 経費率もNY市場のものと遜色なし
- 二重課税を商品内で調整してくれる商品も増えてきた
ブログを始めた当初はまだまだ海外ETFのほうがメジャーで使いやすく、取引量含め、東証ETFのメリットが少ない時代でした。
しかしここ数年で、とくに二重課税調整をしてくれる商品が増えたことで東証ETFの使い勝手は劇的に増しました。
現在ではよほど欲しい商品がない場合、東証ETFで米国株にも十分アクセスできるようになっています。
SNSなどではバンガードのVOOなどを良く見ますが、中身はS&P500に連動する商品なので、東証で似たような商品を買っても、リターンも似たような数字になります。
VOO S&P500ETF
NY市場上場 経費率0.03%
ドル転が必要
二重課税あり
2558 S&P500ETF
東証上場 信託報酬0.077%
ドル転不要
ETF内で二重課税を調整してくれる
VOOのほうがコスト有利ですが、配当の二重課税がないのでトータルリターンを見ると2558を買った方が手間もかからず税的にもおすすめ、となります。
ちなみにETFを使わなくても、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)といった分配型の投資信託も二重課税調整されたあと分配金がでるので、投資信託派の人も同じような使い方が可能です。(楽天証券でも買わせて欲しい。。)
参考:ETF→証券税制・二重課税調整(外国税額控除)について
参考:投信→投資信託等の二重課税調整制度とは何ですか
さて、質問いただいた回答をしていきましょう。
二重課税問題と、配当の為替差益対策でドルMMFに急いで換えるのがストレスなら円建て配当受取が便利
一番悩んでいるのは税金を支払いたくない、というより為替対策のドルMMFかと思います。
海外ETFでドル配当を貰った場合、そのドルを換金するときに為替差益が出ると雑所得で申告が必要になるからですね。
確定申告は面倒くさいので、そういった場合、ドルMMFに変えておくことをおすすめしています。ドルMMFは証券なので、口座内で分離課税にしてくれて確定申告不要となるので。(投信などと同じ扱いになるイメージ。)
関連記事海外ETFや米国株の配当を生活でつかうなら為替利益は確定申告が必要
関連記事米国株式、海外ETFの為替差益が気になる?楽天証券のドルMMFは超おすすめかも
ドル配当の為替益については下記tweetが参考になるかと。
楽天証券より返信ありました
結論としてはドルMMFに即変換が良いですね☺️
>>
米国株式の配当金等、外貨預り金の米ドルを、円貨へ転換していただく場合、外国為替取引をおこなっていただきます。外国為替取引は、利益が発生した場合、雑所得として総合課税の対象となり、確定申告が必要になります。 https://t.co/nXdtTByYfX
— ななし@氷河期ブログの人 (@_teeeeest) January 29, 2021
米国株式の配当金等、外貨預り金の米ドルを、円貨へ転換していただく場合、外国為替取引をおこなっていただきます。
外国為替取引は、利益が発生した場合、雑所得として総合課税の対象となり、確定申告が必要になります。
さて、この問題の解決策ですが、今ある手間を一撃で解決するのが配当の円貨受取です。
今のところ楽天証券しか使えないのがネックですが、円転する手間がなくなるのと、為替差益が出てしまった場合に税務署に申告しなくて大丈夫だろうか、という不安を解消してくれる超メリットがあります。
管理人も円貨受取をしていますが便利ですね。
配当は分離課税だけど為替差益は雑所得というのは罠ですよね。。ここらへんの手間を避けるなら東証ETFか円貨受取が便利です。
円貨受取の手順は下記にて。
外部リンク米国株配当金を円貨でも受取ることが可能になりました!
ただ、二重課税はかかってしまうので、抜本的にはご質問のように東証ETFに乗り換えるのも一つの手だと思います。
管理人は含み益が大きいこと、古い商品は一般口座で確定申告が複雑なことから円貨受取をしています。
で、結論で書いたように、東証で買えるS&P500ETFで良いかな、と。
その理由も書いていきますね。
東証ETFで配当を貰っていくならS&P500ETFでも十分かも
ご心配されている通り、
- 2013 東証で買える米国高配当ETF
- 2014 東証で買える米国連続増配ETF
は純資産の面で不安があります。
過去に東証版HDVは償還されたこともありますので。。
あと、意外とS&P500の増配率は高いので、最初の数年は受け取る配当が少ないですが、株価の成長も含めて、年々受け取る配当も増えてきます。
参考までに1665(S&P500ETF)の配当推移など。
年度 | 年末株価 | 年間分配金 | 分配金利回り |
2017 | 216.2円 | 0円 | – |
2018 | 198.0円 | 2.5円 | 1.16% |
2019 | 253.4円 | 3.5円 | 1.77% |
2020 | 276.9円 | 3.1円 | 1.22% |
2021 | 396.5円 | 2.8円 | 1.01% |
2022 | 367.5円 | 3.8円 | 0.96% |
2023 | 488.9円 | 5.4円 | 1.47% |
株価と為替でブレはありますが、株価が低い時期に買っておけば、株価上昇に伴って貰える配当も増えます。
例えば
100円で購入 配当利回り1% 1円
200円に成長 配当利回り1% 2円
という感じですね。
実際に2018年の198円で買っていれば、2023年の配当利回りが1.47%でも、保有元本からの利回りは2.7%に増えています。
こんな感じで徐々に膨れていくので長期保有するなら、すぐにキャッシュフローを大きくしたいワケでなければおすすめ。
管理人はそんな感じでコロナショック以降、コツコツと2558(S&P500ETF)、2559(全世界ETF)を買っていました。
2558は1株単価も高くなってきたので、ブラックロックの1655も良いかも知れませんね。
取引が10株単位になりますが2024年7月15日時点で642円なのでコツコツ買いやすいかな、と。
S&P500の増配率などはこちらにて。
関連記事【驚愕】S&P500の増配率が凄すぎる!高配当ETF不要かも 2024年版
というワケで、管理人なら
- 楽天証券なら円貨受取を使う
- 他証券会社なら一度売って東証ETFに乗り換える
という順番になると思います。
おわりに|海外ETFの配当受取と二重課税が面倒ならば東証ETFに乗り換えがおすすめ
NISAを使った資産形成という点でいくと投資信託を成長させていくのが最適です。
しかし、自分の資産を運用するのであればモチベーションも大切ですね。管理人も18年くらいかけて、やっと月3万円くらいの不労所得に育ってきました。
昔は米国株に投資しようとすると海外ETFしか選択肢がなかったですが、今は東証ETFの使い勝手が大きく改善されましたね。
全部売って一気に乗せ換えは躊躇うかもなので、配当分だけ東証ETFを買って見るのは良いと思います。買ってから便利か気付くこともあるので。
また不明な点がありましたらお気軽にメール等くださいませ。
今回はありがとうございました。
相場の良いときも悪いときも、共に資産をコツコツ積み上げていきましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
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