AERAが新NISAでの面白い検証をしていました。
ズバリ、特定口座の利益が出てる銘柄を税金払って新NISAに移し替えてホンマ得なん?というのを東証のお偉いさん(執行役員)に聞いた、というもの。
具体的な数字が出ていて参考になるので記事にてシェアします。
記事はこちら。
外部リンク新しいNISA「税金を払っても特定口座から移すべきか?」30年検証【東証協力】
特定口座で投資信託や個別株を持っている人は気になる話ではないでしょうか。
では、一緒に見ていきましょう。
30年検証!新NISA「税金を払っても特定口座から移すべきか?」
東証の結論はケースバイケース
AERAが聞いたのは東証執行役員・長谷川高顕さん。
ガチお偉いさんに聞いてますやん。。
まずは結論から。
「特定口座の資産にそれほど利益が出ておらず、将来の期待リターン(どれくらい上昇しそうか)が高いと判断するなら、早くNISA口座に移し替えるという考え方ができるでしょう(非課税効果>税金の繰り延べ効果)」
「特定口座の資産の含み益が大きく、将来の期待リターンが低いと判断するなら、NISA口座への移し替えは慎重にしたほうがいいという考え方もあります(非課税効果<税金の繰り延べ効果)」
どっちやねん!となりますが、前提条件で変わってしまうから。
単純な右肩上がりなら乗り換えがお得なのですが、30年レベルで長期投資すると当然暴落に巻き込まれます。
例えばリターンが2%だったとしても30年投資ならば乗り換えが得です。
半面、平均5%で回っていても10年に1度の50%もの暴落に3回または2回見舞われると、NISA口座に移さないほうが有利な場合もあるとのこと。
NISAは元本割れした場合、損益通算ができませんから税金払い損となってしまうケースも。
AERAの画像をお借りしてみます。
出典:新しいNISA「税金を払っても特定口座から移すべきか?」30年検証【東証協力】
字が小さい&画像が荒くて分かりにくいですね。
管理人がエクセル先生に聞いたのを見て貰ったほうが分かりやすいかも。
ちょっとテキストが多いのですがザーッと見て下さい。
右肩上がりと途中で暴落があったケースを作りました。
右肩上がりだと2%でも乗り換えした方が良い
単純なケースから見ていきましょう。
まずは右肩上がり2%のリターン。
リターン2% 右肩上がり | ||
年数 | リターン | 年度末株価 |
1年目 | 2% | ¥10,200 |
2年目 | 2% | ¥10,404 |
3年目 | 2% | ¥10,612 |
4年目 | 2% | ¥10,824 |
5年目 | 2% | ¥11,041 |
6年目 | 2% | ¥11,262 |
7年目 | 2% | ¥11,487 |
8年目 | 2% | ¥11,717 |
9年目 | 2% | ¥11,951 |
10年目 | 2% | ¥12,190 |
11年目 | 2% | ¥12,434 |
12年目 | 2% | ¥12,682 |
13年目 | 2% | ¥12,936 |
14年目 | 2% | ¥13,195 |
15年目 | 2% | ¥13,459 |
16年目 | 2% | ¥13,728 |
17年目 | 2% | ¥14,002 |
18年目 | 2% | ¥14,282 |
19年目 | 2% | ¥14,568 |
20年目 | 2% | ¥14,859 |
21年目 | 2% | ¥15,157 |
22年目 | 2% | ¥15,460 |
23年目 | 2% | ¥15,769 |
24年目 | 2% | ¥16,084 |
25年目 | 2% | ¥16,406 |
26年目 | 2% | ¥16,734 |
27年目 | 2% | ¥17,069 |
28年目 | 2% | ¥17,410 |
29年目 | 2% | ¥17,758 |
30年目 | 2% | ¥18,114 |
リターンは小さいですが複利のチカラを実感できますね。
確かに東証さんの言う通り、2%であっても右肩上がりなら税金を払っても乗り換えたほうが長期的にはお得です。
右肩上がりに含みを持たせておきつつ、2%は夢が無いので、一般的に期待されそうな5%を見ておきましょう。
リターン5% 右肩上がり | ||
年数 | リターン | 年度末株価 |
1年目 | 5% | ¥10,500 |
2年目 | 5% | ¥11,025 |
3年目 | 5% | ¥11,576 |
4年目 | 5% | ¥12,155 |
5年目 | 5% | ¥12,763 |
6年目 | 5% | ¥13,401 |
7年目 | 5% | ¥14,071 |
8年目 | 5% | ¥14,775 |
9年目 | 5% | ¥15,513 |
10年目 | 5% | ¥16,289 |
11年目 | 5% | ¥17,103 |
12年目 | 5% | ¥17,959 |
13年目 | 5% | ¥18,856 |
14年目 | 5% | ¥19,799 |
15年目 | 5% | ¥20,789 |
16年目 | 5% | ¥21,829 |
17年目 | 5% | ¥22,920 |
18年目 | 5% | ¥24,066 |
19年目 | 5% | ¥25,270 |
20年目 | 5% | ¥26,533 |
21年目 | 5% | ¥27,860 |
22年目 | 5% | ¥29,253 |
23年目 | 5% | ¥30,715 |
24年目 | 5% | ¥32,251 |
25年目 | 5% | ¥33,864 |
26年目 | 5% | ¥35,557 |
27年目 | 5% | ¥37,335 |
28年目 | 5% | ¥39,201 |
29年目 | 5% | ¥41,161 |
30年目 | 5% | ¥43,219 |
30年後にはザックリ4.3倍の資産に増えています。
新NISAは積立枠、成長枠合わせて年360万円の投資が可能。そうすると360万円×4.3=1548万円。
2年分くらい満額突っ込んで30年寝かせたら3000万円を超えます。
でも、5年連続満額投資して、その後30年間放置できる人は少なそうな気もしますね。代わりに30代の人が死ぬ気で2年間全力で新NISAにぶち込んで30年放置は夢があります。
私の場合は寿命もあるから20年くらいですかね。
そうすると5%複利で2.6倍。
1800万円×2.6倍で4680万円。
うーん。。こんな順調にいくとは思えない。
なぜなら市場は右肩上がりではないから。
30年も長期投資してると必ず暴落と付き合う必要があります。お次は10年ごとに▲50%の暴落があったケースで雑シミュレーションをしたものを見ていきましょう。
10年に一度50%級の暴落があると乗り換えしない方が良いケースが多い
10年に一度50%級の暴落があるのか、というと考えすぎかも知れないし、とはいえ、近代になるにつれて暴落頻度は増えてる気もします。
なので、これくらいは考えておいて良いのかな、とも。
まずはリターン5%で10年に一度暴落した場合。
リターン5% 10年に一度暴落 | ||
年数 | リターン | 年度末株価 |
1年目 | 5% | ¥10,500 |
2年目 | 5% | ¥11,025 |
3年目 | 5% | ¥11,576 |
4年目 | 5% | ¥12,155 |
5年目 | 5% | ¥12,763 |
6年目 | 5% | ¥13,401 |
7年目 | 5% | ¥14,071 |
8年目 | 5% | ¥14,775 |
9年目 | 5% | ¥15,513 |
10年目 | -50% | ¥7,757 |
11年目 | 5% | ¥8,144 |
12年目 | 5% | ¥8,552 |
13年目 | 5% | ¥8,979 |
14年目 | 5% | ¥9,428 |
15年目 | 5% | ¥9,900 |
16年目 | 5% | ¥10,395 |
17年目 | 5% | ¥10,914 |
18年目 | 5% | ¥11,460 |
19年目 | 5% | ¥12,033 |
20年目 | -50% | ¥6,017 |
21年目 | 5% | ¥6,317 |
22年目 | 5% | ¥6,633 |
23年目 | 5% | ¥6,965 |
24年目 | 5% | ¥7,313 |
25年目 | 5% | ¥7,679 |
26年目 | 5% | ¥8,063 |
27年目 | 5% | ¥8,466 |
28年目 | 5% | ¥8,889 |
29年目 | 5% | ¥9,334 |
30年目 | -50% | ¥4,667 |
おごごごご・・・
マジか、30年後には半減してるやんけ。。
リスクはリターンを蝕む、というヤツですね。正確にはボラティリティはリターンを蝕む、というのが分かりやすいかも。
デカいドローダウンを食らうと年5%くらいのリターンでは取り戻せないんですよね。
なので、配当貴族インデックスなどは大きな暴落でのドローダウンが小さかったからS&P500に勝っているというバックテストから生まれた商品だと思っています。
では平常時7%で回った場合はどうでしょうか。
リターン7% 10年に一度暴落 | ||
年数 | リターン | 年度末株価 |
1年目 | 7% | ¥10,700 |
2年目 | 7% | ¥11,449 |
3年目 | 7% | ¥12,250 |
4年目 | 7% | ¥13,108 |
5年目 | 7% | ¥14,026 |
6年目 | 7% | ¥15,007 |
7年目 | 7% | ¥16,058 |
8年目 | 7% | ¥17,182 |
9年目 | 7% | ¥18,385 |
10年目 | -50% | ¥9,192 |
11年目 | 7% | ¥9,836 |
12年目 | 7% | ¥10,524 |
13年目 | 7% | ¥11,261 |
14年目 | 7% | ¥12,049 |
15年目 | 7% | ¥12,893 |
16年目 | 7% | ¥13,795 |
17年目 | 7% | ¥14,761 |
18年目 | 7% | ¥15,794 |
19年目 | 7% | ¥16,900 |
20年目 | -50% | ¥8,450 |
21年目 | 7% | ¥9,041 |
22年目 | 7% | ¥9,674 |
23年目 | 7% | ¥10,351 |
24年目 | 7% | ¥11,076 |
25年目 | 7% | ¥11,851 |
26年目 | 7% | ¥12,681 |
27年目 | 7% | ¥13,569 |
28年目 | 7% | ¥14,518 |
29年目 | 7% | ¥15,535 |
30年目 | -50% | ¥7,767 |
んげげげげげ。
7%で回っても10年に一度暴落があったらマイナスですやん。。地味に20年、30年となる都度、ダメージを受けて資産が減っています。
リーマンショック級の暴落があったとき、いかに元本復活が難しいかイメージしやすいですね。
わりと50%くらいの暴落なら耐えられると思いがちですが、現実にくらうと積んでも積んでもマイナスは長かったです。
そういった意味ではS&P500が3年連続マイナスになったITバブル崩壊なども地獄だったんだろうな、とか。
一気に9%まで上げてみました。S&P500というよりNASDAQ100の期待リターンみたいな数字ですね。
リターン9% 10年に一度暴落 | ||
年数 | リターン | 年度末株価 |
1年目 | 9% | ¥10,900 |
2年目 | 9% | ¥11,881 |
3年目 | 9% | ¥12,950 |
4年目 | 9% | ¥14,116 |
5年目 | 9% | ¥15,386 |
6年目 | 9% | ¥16,771 |
7年目 | 9% | ¥18,280 |
8年目 | 9% | ¥19,926 |
9年目 | 9% | ¥21,719 |
10年目 | -50% | ¥10,859 |
11年目 | 9% | ¥11,837 |
12年目 | 9% | ¥12,902 |
13年目 | 9% | ¥14,063 |
14年目 | 9% | ¥15,329 |
15年目 | 9% | ¥16,709 |
16年目 | 9% | ¥18,212 |
17年目 | 9% | ¥19,852 |
18年目 | 9% | ¥21,638 |
19年目 | 9% | ¥23,586 |
20年目 | -50% | ¥11,793 |
21年目 | 9% | ¥12,854 |
22年目 | 9% | ¥14,011 |
23年目 | 9% | ¥15,272 |
24年目 | 9% | ¥16,647 |
25年目 | 9% | ¥18,145 |
26年目 | 9% | ¥19,778 |
27年目 | 9% | ¥21,558 |
28年目 | 9% | ¥23,498 |
29年目 | 9% | ¥25,613 |
30年目 | -50% | ¥12,806 |
おお!何とかプラスで生き残ってます。
しかし暴落を食らうとダメージがデカ過ぎますね。30年かけて1.2倍です。
1800万円が1.2倍とすると2160万円。
ダブルバガーなどの銘柄を取り崩して新NISAの原資に充てる場合、けっこう微妙な数字。
ここまで見ていると、何だか投資に未来が見えませんね。
少しだけ安心材料を。
株価というのは過去何度も暴落をしてきました。そして、その暴落を含めての平均リターンが超長期だと6.7%というのが直近200年のデータ。
これは株式投資の未来でシーゲル教授が書いていた神画像もそうですし、敗者のゲームのエリス先生も近い数字を出しています。
10年に一度50%級の暴落があるとすれば、もちろん平均回帰も働くので、それ相応に高いリターンも出るでしょう。
実際にリーマンショック後の10年というのは米国株にとって黄金の時でありました。
では、思い切って平常時は年14%というリターンで見てみましょう。(毎年14%ってアホか、と思われるかもですが直近はそんな感じでしたよね。そして幾何平均すると、これでリターン5%になります。)
リターン14% 10年に一度暴落 | ||
年数 | リターン | 年度末株価 |
1年目 | 14% | ¥11,400 |
2年目 | 14% | ¥12,996 |
3年目 | 14% | ¥14,815 |
4年目 | 14% | ¥16,890 |
5年目 | 14% | ¥19,254 |
6年目 | 14% | ¥21,950 |
7年目 | 14% | ¥25,023 |
8年目 | 14% | ¥28,526 |
9年目 | 14% | ¥32,519 |
10年目 | -50% | ¥16,260 |
11年目 | 14% | ¥18,536 |
12年目 | 14% | ¥21,131 |
13年目 | 14% | ¥24,090 |
14年目 | 14% | ¥27,462 |
15年目 | 14% | ¥31,307 |
16年目 | 14% | ¥35,690 |
17年目 | 14% | ¥40,686 |
18年目 | 14% | ¥46,382 |
19年目 | 14% | ¥52,876 |
20年目 | -50% | ¥26,438 |
21年目 | 14% | ¥30,139 |
22年目 | 14% | ¥34,359 |
23年目 | 14% | ¥39,169 |
24年目 | 14% | ¥44,653 |
25年目 | 14% | ¥50,904 |
26年目 | 14% | ¥58,031 |
27年目 | 14% | ¥66,155 |
28年目 | 14% | ¥75,416 |
29年目 | 14% | ¥85,975 |
30年目 | -50% | ¥42,987 |
おおおおおぉ!
これこそ私たちが期待する株式リターンですね!
30年で4.2倍なので年5%くらいのリターンですけどw
管理人だと寿命の観点から20年くらいしか放置できませんが、20年時点で2.6倍。1800万円×2.6倍=4680万円。
ちょっと厳しいかもですが、夢のある金額になりました。
ちなみに年14%+10年に一度暴落パターンは別の記事でも書いています。
関連記事【新NISA】300%リターンの銘柄も非課税枠に乗り換えて良いんですか?【特定口座の悩み】
自分でシミュレーションしたところ東証さんの説明はめちゃくちゃ正確でした。
もう一度引用にて読んでみましょう。
「特定口座の資産にそれほど利益が出ておらず、将来の期待リターン(どれくらい上昇しそうか)が高いと判断するなら、早くNISA口座に移し替えるという考え方ができるでしょう(非課税効果>税金の繰り延べ効果)」
「特定口座の資産の含み益が大きく、将来の期待リターンが低いと判断するなら、NISA口座への移し替えは慎重にしたほうがいいという考え方もあります(非課税効果<税金の繰り延べ効果)」
確かに期待リターンによって変わるのが分かりますね。
できればアホな管理人のためにグラフとか用意してくれてたら良かったのに。。
というワケで、ここまでざっくり読んでから下記を読むとより深く理解できると思います。(私はアホなので自分で計算しないと良く分かりませんでした。。)
外部リンク新しいNISA「税金を払っても特定口座から移すべきか?」30年検証【東証協力】
今日は長くなりましたが30年検証!新NISA「税金を払っても特定口座から移すべきか?」というお話でした。
シミュレーション好きな方からの応援ポチがあると嬉しいですw
ちなみに管理人は税金を払って過去の一般口座を新NISAに乗せ換え予定です。
それは暴落はあるだろうけど、何だかんだで平均回帰して年3~5%くらいはなるだろうという緩い考えから。悪いときもあればアホみたいに儲かる時期も含めて株式リターンだと思っています。
なので、今後もコツコツ買いながら新NISAを持ち続けますので、読者様と一緒に頑張っていきたいと思っています。
お読み頂きありがとうございました。
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関連記事です。
【新NISA】300%リターンの銘柄も非課税枠に乗り換えて良いんですか?【特定口座の悩み】
こちらは画像多めで分かりやすい記事ですね。
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