4000万円あれば老後にどれくらい取り崩しできるのかという記事を書きました。
シミュレーターでは利回り3%で運用した場合、こんな感じで取り崩しが可能です。
- 月10万円 → 60年以上
- 月15万円 → 36年
- 月20万円 → 21年
月10万円なら永久機関みたいに減らずにいけます。
月15万円を使ったとしても36年持つので遺産を残すことも可能。
さすがに月20万円を使っちゃうと厳しい。
FIREはムリでも、老後資産と考えると庶民には十分な金額なのでは無いでしょうか。
さて、これは毎年安定して3%で回った場合のお話。
実際にはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ですら無理です。GPIFの4資産均等型ポートフォリオで平均3.3%といった感じでしょうか。
というワケで、過去のリターンに当てはめて試算をしたので記事にてシェアします。
今回の試算にあたってはバックテストの魔術師ナザールさんに相談したところ、めちゃくちゃカンタンにできるエクセルファイルを貰いましたw
ナザールさんのtweetは初心者向け情報も多いので良かったらこの機会にフォローをどうぞ。
では、米国株がアカンかった時代に老後を迎えた場合どうなってしまうのかを一緒に見ていきましょう。
老後4000万円で大丈夫だろうか?老後、リーマンショックが来た設定でシミュレーションしてみた
試算については下記のような前提でシミュレーションしました。
- 1990年1月1日の円建てS&P500で計算(米国株ポンコツ時代からスタート)
- リスク資産2000万円、無リスク資産2000万円、合計4000万円
- 上記から毎月10万円を取り崩していく
- 年間3%取り崩し(月割で0.25%)
- 都合上、1999年から2021年までのデータで22年分(65歳から年金を貰うと87歳)
2024年からは新NISAもあるので、税金もかからず、かなり近い結果を見ることができるのではないでしょうか。
まずは1990年当時からのS&P500のチャートを見てみましょう。
ITバブル崩壊とリーマンショックを挟んでいるので、これ以上の最悪を考える場合、投資をせずに個人向け国債だけを保有しているのが良いと思います。
逆に言えば、この時期でも生活が大丈夫と感じるなら大体の老後は大丈夫なんじゃないですかね。
前置きが長くなりました。
結論画像です。
※スマホの場合、見にくくてスミマセン。拡大しつつ見ていただけると幸いです。
- 定率取り崩し 41,219,781円
- 定額取り崩し 32,663,115円
- 運用なし取り崩し 12,400,000円
結果だけ見ると運用の凄さを感じますね。(定率取り崩しなら、もう一回ITバブル崩壊とリーマンショックをくらっても大丈夫。)
リーマンショックの底あたりでは資産が2000万円を割りそうな状況ですが、そこを耐えると劇的に資産が回復していきます。
米国株も調子が悪いと10年以上低迷するので、ここらへんをイメージしておくと老後のメンタルに良いかもですね。
参考までに定率取り崩し額の推移も。
定率3%なので株価が下がると取り崩し額も減ってしまいます。リーマンショックの底だとかなり少なくなりますね。
上記ではグラフが上手く再現できていませんが、一番悪かったときでS&P500が23,210円、キャッシュ50,000円を取り崩して、73,210円の生活費にしかならない月があります。
リーマンショックのときは円高、株安で▲55%くらいになっていたので、さもありなんです。
参考までに1990年からの円建てS&P500推移です。
1990年1月1日を50,000円に合わせています。
1990年から1995年までは横ばいなのに、そこから短期間で3倍にしたITバブルは凄いですね。
そのあと、2000年から2013年あたりまではホントに米国株はポンコツでして、米国株だけ投資するのはシーゲル派という変人だけだった記憶です。
さて、上記の結果を受けて管理人が思ったことなど。
とりあえず定額取り崩しで良いな
4000万円、月15万円取り崩しは厳しそう
でした。
下落相場で使いすぎて回復期は厳しくなるんですが、それでも暴落期が金額少なすぎて年金だけだと生きていけなさそうなので定額のほうを選びそうです。
実際に試してみたところ、やっぱりヤバかったです。
4000万円、月15万円取り崩しバージョン
年金+月15万円使えると生活が楽なんですが、今度は資産のほうがヤバいですね。
87歳時点で768万円しか残っていません。
まぁ、運用していない場合に比べるとそれよりはマシなんですが、それでも心許ない金額ですよね。
円建てS&P500と付き合いつつ、月15万円使うなら5000万円くらい貯めないとダメかも。
いや、これ最悪の時代を想定しているので、もう少し希望あるのが良い、という人もいるでしょう。管理人もそうです。
というワケで、円建てS&P500のデータが取れている1990年1月1日を基準にしてみました。
1990年を基準に取り崩した場合
1990年からのS&P500チャートです。
32年となるとリーマンショックも含めて緩やかな右肩上がりと見れなくもありません。
ただ、私たちが使う場合、円建てということを忘れないようにしたいですね。ちなみに円建てS&P500はこちら。
横ばい、谷、奈落の崖、アホみたいな暴騰。
まともに期待してるとメンタル病みそう。。
また前置きが長くなりました。
サクサク見ていきましょう。
1990年を基準とした4000万円、月10万円(年3%)取り崩し
取り崩し当初は円建てS&P500がずっとヨコバイなのでジリジリ資産が減りますが、ITバブルとともに資産が1.5倍以上に膨れ上がりますね。
ここまで膨れてしまうと定率も定額でも満足できそうな数字。
リーマンショック後の暴騰を見ていると、定額取り崩しの場合、取り崩しが少ないため95歳という死亡間際に9500万円になります。死ぬ直前が資産最大で億り人間近は嫌だなぁ。。
定率で使っていても95歳時点で7200万円もあります。
生活費推移を見てみましょう。
定額だと毎月10万円で安定しています。
定率は5万円+株価連動なのでリーマンショックまではウハウハですね。
死ぬ間際に7000万円もいらんなぁ、ということで、散財バージョンの月15万円を試してみました。
1990年を基準とした4000万円、月15万円(年3.8%)取り崩し
4000万円から毎月15万円を取り崩すと年率4.5%、月割り0.38%となります。
4%ルールを超えているので、たぶん採用する人は少なそうですが、死後にお金は持っていけない派はありかも知れません。
ITバブル崩壊とリーマンショックで沈むものの、定額、定率どちらも死亡間際の95歳くらいのほうが資産増えている状況に。。
リーマンショック後の回復がいかに凄かったか分かりますね。(そら米国株人気出ますわ。)
定率で取り崩した場合の推移。
良いときもあれば悪いときもある。
絶妙なバランスですが、これなら毎月15万円固定で取り崩すほうが精神的に良い気もしますね。
長くなってきたので、そろそろ管理人の考えをまとめて終わりにしようと思います。
おわりに|4000万円あっても老後すぐに株価低迷がくると生活は厳しい。5000万円を目標に頑張りたい
4000万円あれば悠々自適と思っていましたが、老後初期に株価が長期低迷(大きな下落をともなう場合はとくに)をしてしまうといきなりギリギリの感じになるのが分かりました。
そして米国株はわりと長期低迷するので、管理人の老後スタートあたりに暴落がくるとかありそうな気もします。
逆にこれから10~15年が暗黒期の場合、管理人の老後はシミュレーション後半のような素晴らしい成績になりそうです。
自分でもITバブル崩壊、リーマンショックを老後すぐにくらうとヤバいだろうな、と思っていましたが案の定ヤバい結果となりました。
そして思ったことは
- 4000万円じゃヤバそう
- 5000万円を目標にしておかなきゃ
- 65歳で定年しても副業ですこしくらいは生活費を稼げるようにしておく
という身も蓋もないことでした。。
ただ、漠然とお金を増やしていくより、わりと悪そうな条件を想定しておくほうが、老後の対処もしやすそうですし、余ってしまいそうなら80歳くらいから消費を増やすか相続をしていけば良いだけですし、個人的にはこちらのほうが向いてそうです。
というワケで、今日は4000万円で取り崩しした場合、実際に大丈夫そうかというシミュレーションでした。
ここまで悪い条件はなかなか無いと思いますが、これをくらっても生き残れるようお互いコツコツ資産形成を頑張っていきましょう。
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