債券ETFであるBNDは金利上昇に弱いです。金利が上がると債券価格が下がるからですね。
では、どれくらいの損失を見ておけば良いのかを知っておくと安心かと思い、記事にしました。
では、サラっと見てみましょう。
BNDやTLTは金利が上がったら、どれくらい損失が出るのか?
過去にTwitterではざっくりと紹介しました。
簡単な例だと
デュレーション10年の債券ETF
×
金利が2%上昇(債券価格は下落)ETFの株価は20%下落になりますね😱
もちろん受け取る利子は増えるし、参考レベルではありますが😅#金利が2パーも急騰したら株価も大変なことになってるw
BNDは6年ちょいだった気がします https://t.co/bs4bvNOzSH
— ななし@氷河期ブログの人 (@_teeeeest) May 28, 2020
関連記事海外ETF|債券は天井っぽいけどBNDを買って大丈夫なの?【私が保有する理由】
まずは債券と金利のおさらい
債券価格は金利の上下で動きます。
大和証券の画像が分かりやすいので紹介しましょう。
金利が上がると、低い金利で買った債券の魅力が薄れるから価格が下がるのですね。
金利が下がった場合は逆です。
では、どれくらい値動きがあるかは、デュレーションという言葉が重要になってきます。
絵心が無いけど果敢にチャレンジした説明がこちら。
テコの部分が長いと、金利の上げ下げで受ける影響が大きい、という感じですね。
デュレーションとは何ぞや
デュレーションとは何ぞや、となるので、こちらも紹介しておきましょう。
デュレーション(Duration)には2つの意味があります。1つは、債券投資における元本の平均回収期間を示すものです(単位は「年」)。
将来受け取ることのできる利息や償還金(キャッシュフロー)の現在価値の合計を計算し、それぞれのキャッシュフローを受け取るまでの期間に、キャッシュフローの現在価値合計に占める割合を掛けて合計し、計算します。
一般的に、クーポンが同じであれば、残存期間の長い債券ほどデュレーションは長くなります。同じ残存期間であれば、クーポンが低い債券ほどデュレーションが長くなります。
もう1つは、金利変動による債券価格の感応度を示す指標としての意味です。一般的に、金利変動に対する債券価格の変動率が大きくなるほど、デュレーションは大きくなります。
引用元:SMBC日興証券|デュレーション
金利や期間 | デュレーション | |
クーポン(利子) | 低金利 | 長くなる |
クーポン(利子) | 高金利 | 短くなる |
残存期間 | 長期 | 長くなる |
残存期間 | 短期 | 短くなる |
日興証券と大和証券はホントに初心者向けの説明が上手いですね。
金利クーポンと残存期間を組み合わせることでデュレーションの長さは変わります。
さて、ここからが本題。
BNDの金利とデュレーションはどうなっているか
バンガードの最新情報だと下記です。
2021/04/21 時点 | BND | ベンチマーク |
構成債券銘柄数 | 9,398 | 11,360 |
平均デュレーション | 6.6 年 | 6.0 年 |
平均残存期間 | 8.5 年 | 8.2 年 |
実効利回り | 1.5% | 1.30% |
平均クーポン | 3.20% | 3.10% |
この表だけ見ると、何のこっちゃですが、デュレーションのざっくり知るとクーポンや残存期間も何となく理解が進みそうですね。
BNDのデュレーションは6.6年なので、
もし米国債の金利が、インフレだから明日2%上げるわ…
と言われたら、
金利2%×デュレーション6.6年=13.2%下落する、となりますね。
反対に、超不景気が来る!マイナス金利でも良いから1%下げる!
となると、
金利1%×デュレーション6.6年=6.6%上昇する、という感じ。
テキストだけ見ると金利の動きで債券って、けっこうリスクがありそう…と思う人がいるかもです。
過去の記事を引用しますが、画像を見ておくと少し安心するかも知れませんね。
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個人的には毎月利子を貰いながら、株式に比べると値動きはめちゃ小さいのでバランサーとして優れてると思うのですがどうでしょうか。
BNDはここ数年で1.5%の金利変動がありましたが、80~90ドルのボックスを維持しています。
個人的には十分許容範囲内かな、と思ってコツコツ買っている感じですね。
では、管理人はもっていませんが長期債のTLTも見てみましょう。
※TwitterだとTLTの方が人気がありそうなので調べました。笑
TLTの金利とデュレーションはどうなっているか
ブラックロックの最新情報はこちら。
2021年5月29日現在 | TLT |
平均デュレーション | 18.57 年 |
加重平均残存期間 | 26.10 年 |
平均利回り | 2.26% |
加重平均クーポン | 2.75% |
リーマンショックまでは米国長期債というのは、そこそこ魅力的な金利がありました。
デュレーションの長さで金利リスクがあっても5%程度の利子を生んでいたのです。
ただし金融危機以降は潮目が変わりましたね。私たち日本人は下がり続ける金利を20年以上見続けているので分かりやすいかも知れません。
金利が下がり続けた結果どうなったかはチャートを見てみましょう。
BNDと比べると債券らしからぬ値動きですね。
特に2019年の金利低下とデュレーションのテコの原理が大きく作用しています。
1年で50%の上昇とか見ていて怖くなるので、個人的には持ち続けるのに勇気がいりそう。。
参考までに米国30年債の金利推移を見ておきましょう。出典はモーニングスターです。
久しぶりにリーマンショック前の長期債金利を見ました。
けっこう高かったんですよね。
TLTと金利推移を合わせて見てみましょう。
ここから日本のように低金利がずっと続く、もしくはもう一段の低下があるならTLTを握り続ける価値がありそうですね。
超低金利で国内債券はどうだったのか
しかし結果としては利子を再投資すると小さいものの安定したリターンがあったわけです。
信託報酬を支払っても年1%くらいのリターンを出しているような感じですね。しかし、ここ4年くらいはさすがに金利低下の幅が無くなりぱっとしません。
ちょっと書き殴りな感じになってきたので終わります。
まとめ|BNDやTLTは金利の上下とデュレーションに比例して損益が計算できる
債券ETFは金利とデュレーションによって値動きがあるのですね。
金利や期間 | デュレーション | |
クーポン(利子) | 低金利 | 長くなる |
クーポン(利子) | 高金利 | 短くなる |
残存期間 | 長期 | 長くなる |
残存期間 | 短期 | 短くなる |
管理人は比較的デュレーションが短いBNDを好んでいます。
未来の金利は誰にも分かりませんが、自分のリスク許容度に応じた投資は可能です。
短期債に近いBNDと長期債であるTLTの特徴を見ながら、自分に合った商品を見つける参考になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。
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株式に比べると地味ですが、債券もまたポケットにお金を入れてくれる資産ですね。
キャッシュフローを増やすものを貯めていくのが人生攻略に有効だと思っており、金持ち父さんの続編はかなり面白かったです。
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