いきすぎた金融緩和の影響からか、実体経済とはかけ離れたまま株価は上昇しています。これに上手くのった人は資産を伸ばした一年でしたね。
この状態をバブルと捉えるのか、お金の流れや潮目が変わったと捉えるのかは人それぞれと思いますが、個人的には警戒領域です。
とはいえ、いかなるときも市場に居続けることが平均6.7%というリターンを生み出すので降りちゃダメというのが株式投資の難しいところ。
さて、今がどんな状態にあるかは何となくで良いので掴んでおくのが良いですね。いつも尊敬している山崎元先生の記事によると現在はバブル形成過程とのこと。
そして、ややこしいことに新型コロナの影響で2つのメカニズムが働いているとか。。
山崎先生の記事はこちら。
外部リンク株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説
ちょっと現在のバブルを形成している2つのメカニズムを管理人と一緒に確認していきましょう。
現在は株価バブル形成過程
現在は新型コロナのおかげというと変ですが、株価が上がりバブル形成過程となっています。
コロナ対策による株価バブルも進行中だ。コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている。
ケインズは株価は美人投票といいましたが、バンガードのジャック・ボーグルは短期的には色んな要因から乖離することはあるが超長期では企業の利益と等しくなる、みたいなことを言っていました。(昔過ぎてどの本か忘れました・・・)
何となくなのですが、今の株価というのは企業の利益とは釣り合っていないのかも知れません。
その兆候はすでに出ていて、世界的に債務不履行に陥る企業が増えているようです。また異次元の金融緩和をしているものの、支払い能力に懸念のある企業も増えています。けっこう際々な状態だったりして。。
企業の存亡と株価上昇が並行しているという何だか見たことがない状況でもあります。
株価バブル「2つのメカニズム」は社債型バブルとコロナバブル
現在、2つのメカニズムで株価が上がっています。
1つは社債型バブル。もう1つはコロナバブル。
社債型バルブ
社債型バブルは1年前から山崎先生が言っていますね。
ざっくりしたシステムはこちら。
(1)信用力が不十分な会社も含めて社債で資金を調達する
(2)社債をパッケージングした証券化商品を金融機関が販売する
(3)低金利環境下で運用難の金融機関が証券化商品を購入する
(4)資金を調達した企業はこれを自社株買いに振り向けて株価を上昇させ、株主と経営者(ストックオプションを持っている)が富を得る
リーマンショック前、運用に困った金融機関に毒入り饅頭と言われたサブプライムローンが爆売れしていたのですが、今回も懲りずに社債を使ったスキームを練り上げていました。
しかしコロナショックで社債市場が蒸発しそうになりました。
画像はけっこうガチガチの投資適格社債ETFであるLQDの5年チャートです。
債券がこんなに動くのは暴落の特徴といっても良いのですが、20%以上が一気に落ちるのは異常事態です。(株式でも40%くらいでした。)
FRBがリーマンショックの経験から信用に問題のある企業も含め、社債を異次元レベルで買い支えたことにより社債市場は崩壊を免れました。
ということで、社債バブルはまだ継続中。
コロナバブル
コロナショック最中は世界恐慌の始まりか、というような状況でした。株価の下落速度はリーマンショックを上回っていましたから。
金融崩壊はなかったものの経済活動が急停止という事態にもなりましたね。
異次元レベルの金融・財政政策により徐々に経済活動が回復してきたものの、まだ新型コロナの感染が続いているので金融政策が引き続き予想されることから株価は高値更新をしています。
山崎先生はこの状態を刺してコロナバブルといっています。ただ、今すぐ解決する問題でもなく、この状況はまだ続きそうです。
関連記事コロナ禍でも株価が上がるのは「極めて自然」~バブルはコロナの感染拡大でむしろ大きくなる
問題は社債バブルがどうなるか
不幸中の幸いみたいな状況により、株価が今すぐ崩壊というのは無さそうです。
記事では下記のような心配がされていました。
前述のように「社債バブル」は、企業経営者にも金融機関にも運用機関にも好都合な仕組みになっている。社債市場が政策的に支えられていて、社債が発行しやすい状況が続くと、今後株価のバブルが大きく膨らむ可能性がある。これを株価の引き上げに使おうとする企業経営者の行動が、「コロナバブル+社債バブル」の形となり得るからだ。潜在的に進む社債バブルの動向は、今後生じるかもしれない株価バブルのスケールに大きな影響を与える要因になるだろう。
超巨大企業の経営者や金融機関がさらなる株価引き上げに社債を使うとなると、次にくる暴落のダメージは半額セールどころではないかも知れませんね。
信用リスクの低い社債まで買い支えているので砂上の楼閣よろしく株価も企業もサラサラと消えていきそう。。
注意しつつも相場に居続けることが大切
こんな記事を読んでると少しずつ利確しながら資金を抜き、暴落に備えたくなりますがそれは愚策ですね。
暴騰と暴落を耐え抜くことで、やっと株式の平均リターンと言われる年6.7%を得ることができます。
タイミングに賭けてみるというのは良い方法かもですが、超天才たちが集まる欧米のヘッジファンドでも運用に失敗するので一般人がうまく勝てるかというと難しいかな、と。
コロナショックの底で株式を買った人はいたかも知れません。管理人も買えたくらいなので。
しかし資産運用の大半を動かせたかというと別ですよね。たぶん小出しで買ったのがたまたま当たったみたいな。
管理人は怖いので債券ならぬ現金でのカウチポテトになっています。
コロナショックからの回復が記憶に新しいですが、ちなみに稲妻が輝く瞬間を逃した場合、長期投資家が得られる年1~2%くらいに下がりそうです。
関連記事稲妻が輝く瞬間を逃したら悲惨なリターンになる画像が秀逸すぎる
最後に山崎先生の意見を引用して終わります。
バブルに対して投資家にできることは限られている
バブルの発生と崩壊のメカニズムに関心を向けると、投資家は「何かしなくてはいけない」という気持ちになりやすい。
しかし、バブルに乗ってもうけるべく追加で投資したり、あるいはあらかじめバブル崩壊を避けようとして投資額を減らしたり、という投資のタイミングをはかる行動を的確に行うことは簡単ではない。
多くの投資家にとって現実的な戦略は、自分にとって適切な大きさの投資リスクを長期的に保有し続けることだ。「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう。もちろん、こうした「長期投資」を効果的に行うためには、幅広い対象への「分散投資」を行ってリスクを低下させることと、手数料の低い運用商品を選ぶ「低コスト」の心がけが重要だ。合い言葉は、常に「長期、分散、低コスト」だ。
バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う。
※太字・赤字は管理人がしました
バブルに左右されない鈍感力は管理人も持ち続けたいと思います。
おわりに|上がっても下がってもコツコツと投資を続けていきます
管理人はバカの一つ覚えみたいに毎月ETFを買っています。これは暴騰していても暴落していても続けるでしょう。
理由は、相場は読めないけど超長期で見れば株式の期待値はプラスということを信じているから。
最後は管理人の頭がお花畑状態みたいな感じになっちゃいましたが、現状を見つつ、気持も引き締めつつ、それでも長期目線でコツコツと投資を続けていきたいと思います。
大変なこともあるかもですが一緒に頑張りましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
応援クリックをして頂けると毎日更新する励みになります。
にほんブログ村
山崎先生の本はけっこうkindleで無料で読めるケースがあります。2020年12月19日時点だとkindle Unlimitedで無料となっていました。
興味がある方はぜひどうぞ。
Kindle Unlimitedを30日無料で使ってみる
意外と読まれている記事