Twitterを見ていたらSPYDは【逆張り中の逆張り】であるダウの子犬投資法と実感しました。
あってます!SPYDはS&P500の中で傷んだ株集めてて、時価総額の小さくなった株の小型株効果を狙ってます
「株価痛んでるから、なんかポジティブなニュース出たら反発するやろ。それまでは配当で我慢するわ」ってノリです
— みらいあせっと@東北投信🇨🇦🌴🇹🇭🍤 (@instockexnet) September 11, 2020
よかった〜!
腐ってもS&P500の銘柄なんやから、ゆうてエリート銘柄
その中で、人気無い
だいたい市場は必要以上に人気なくさせるwその集合体
ええやん!
ってノリですw— かず@Dr.& Investor⚽ (@kazuya04012007) September 11, 2020
このtweetは高配当をゲットではなく市場平均より高いリターンを狙っていますね。そしてこの考え方はマイケル・D・オヒギンスのダウの犬と呼ばれる投資法です。
では、ダウの犬投資法とSPYDを比較しながら確認をしてみましょう。
SPYDがS&P500版「ダウの子犬」である理由は均等投資と配当スクリーニング
ダウの犬投資法とは
ダウの犬投資法はファンドマネージャーであるマイケル・オヒギンズが使っていた手法です。
そのルールは単純で、以下の作業をループするだけ。
- 年に1度(年末など)ダウ30銘柄を配当が高い順番に並べる
- その上位10社を均等金額で買う
- 1年間、保有を続ける
- 翌年度は必要なものだけ銘柄入れ替えをする
- ダウの子犬は10社のうち株価の小さい5社を選ぶ
果たして、これで市場=ダウ平均に勝てるのかというと、1920年代から1990年代まではダウ平均を年2%以上アウトパフォームしていました。
ただ有名になり過ぎたため、真似をしたファンドが増えた結果、まさに負け犬となったとウォール街のランダム・ウォーカーでは語られていましたね。
しかし2000年以降はそれなりに良いパフォーマンスを残しています。
関連記事2000年以降のダウの犬投資法がけっこう凄い【子犬かPPPをしたい】
2000年以降のダウの犬はそこそこ良いリターンを出している
緑と薄緑がそれぞれダウ犬ですね。赤系はスーパーアクティブ運用なので無視した方が良いです。
濃いグレーがS&P500、グレーがダウ30となっています。
ここ10年は「米国株の春」みたいな市況でしたが、2000年からとなると米国株が低迷していた時期を含むのでちょうど良いのではないでしょうか。
正確な数字が探せなかったのですが、何だかんだで米国株を20年保有すると7%前後のリターンは期待できそうですね。
リスクを取って逆張りをしたダウの犬は10%近いリターンになっています。
ただ、コロナショック以降の最新版はまだ出ていませんが、ハイテクが少ないことも合わせてS&P500にはボロ負けしてそうな気がします。(実際、SPYDはボロ負けでした)
直近5年のリターンはこちら。
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
Dogs of the Dow | 2.60% | 20.80% | 23.70% | 0.00% | 19.70% |
Small Dogs | 10.30% | 14.30% | 12.80% | 0.80% | 9.70% |
Dow Jones | 0.20% | 16.50% | 28.10% | -3.50% | 25.30% |
S&P 500 | 1.40% | 12.00% | 21.80% | -4.40% | 31.50% |
2017年はともかく2019年は惨敗ですね。反面、市況が悪かった2015年などはダウの子犬が高いリターンを叩き出しました。
ここ20年の結果をみた感じでは高配当らしからぬリターンです。
管理人は昔からこのダウの犬投資法が好きだったのですが、ETFでは設定されていないんですよね。
でも考えてみたらSPYDの銘柄選出がダウの犬と同じやん、と思った次第です。ちょっと両者を比較してみました。
SPYDとダウの子犬の比較
比較するとこんな感じ。
SPYD | ダウの犬 | ダウの小犬 | |
対象指数 | S&P500 | NYダウ | NYダウ |
選出方法 | 高配当の80社 | 高配当の10社 | 高配当の5社 |
各銘柄の比重 | 均等投資 | 均等投資 | 均等投資 |
リバランス | 年2回 | 年1回 | 年1回 |
指数に対する割合 | 16% | 33% | 16.6% |
ダウの犬だと30銘柄中の10社なので1/3の負け犬に賭けるワケですが、子犬となると1/6になりますね。
SPYDは500社中の80社なので抽出されるのはお互い16%くらいと中々に市場から見放された感じが良いです。
好リターンが出せるのは負けている期間があるから
20年以上に渡って年平均40%リターンを叩き出したゴッサム・キャピタルの創始者グリーンブラッドも同じような投資法をしていました。
著書の「魔法の公式」で書かれたいた言葉が相応しいと思うので引用します。
12カ月中5ヶ月は指数に負ける。また通年負けもあるし、2年連続負けもある。
だからこそ逆張りが廃れず、超長期で見た場合に結果高リターンを享受できるのだ。
※魔法の公式は高配当ではなく低PER✕高ROAだけど内容はめちゃ似てます。
これはダウの犬の中でもオヒギンスが語っていた内容でもありますね。
市場平均に負けるときがあるからこそダウの犬は高いリターンが享受できる。そしてダウ銘柄の生命力を信じて、何年も続けることができた人だけ恩恵にあやかれるのだと。
また両者ともに共通しているのは腐っても鯛というか、市場からは低評価されているが一般的に見ると超巨大企業へ投資していることです。
ちょうどSPYDも負け込んでいるので寝かしておくには良いかな、と。
今まで高配当アイテムとしてしか考えていませんでしたが、逆張りキャピタル狙いとして保有するのも面白いかも知れません。
結果が分かるのが20年くらいかかるのが難点ですけど。。
おわりに|SPYDはS&P500版「ダウの子犬」として高いリターンを期待できそう→ただし負けている期間を耐え忍ぶ必要がある
オヒギンス(ダウの犬の人)とグリーンブラッド(年40%リターンの人)の言葉を借りると、
- 高配当などは逆張り投資である
- ゆえに市場平均に負ける
- 単年どころか何年も負ける
- それゆえ結果的に高いリターンを享受できる
低い評価の企業を抱えこみポジティブなニュースが出たときに大きく動くのを上手くキャッチできるのでしょうね。
個人的にはサテライトとして面白みがあります。ここ数年はバリュー株や高配当というのは市場平均に劣後してきました。これからの展開が楽しみですね。
お読み頂きありがとうございました。
応援クリックをして頂けると毎日更新する励みになります。
にほんブログ村
東北投信様でも同様の記事が書かれていました。
外部リンクSPYDはダウの犬を模した「S&P500の犬」ETFだったという話
ぜひこちらの記事もどうぞ。
関連記事です。
2000年以降のダウの犬投資法がけっこう凄い【子犬かPPPをしたい】
【PPP】ダウの犬投資法で孤高の1銘柄を検討する【WBAかKO】2019年8月
ダウの犬の基本情報や、30銘柄のうち1銘柄だけに特化したPPPという投資法の紹介です。逆張り好きな方はぜひどうぞ。
意外と読まれている記事