年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2020年4月1日より、外国債券の比率を上げていきます。代わりに利回りの低い国内債券を下げるようです。
外部リンクGPIF|基本ポートフォリオの変更について(PDF)
年金運用のポートフォリオが変わりますが、管理人はそんなに慌てることでは無いとも思っております。
- 変更後の運用比率は過去データでもしっかり実績を出している
- 年金支払いの財源のうち、GPIFの取り崩しは10%程度
では、記事にて確認していきましょう。
GPIFのポートフォリオが4資産均等型に変更【2020年4月1日から】
ポートフォリオの変更を受けて下記のように変わります。ざっくりとしたイメージはこんな感じ。
株式の比率は変えず、債券の比率が変わりました。国内と海外比率、株式と債券比率のどちらも半々となります。
完全なカウチポテトポートフォリオですね。ニッセイ・バランス4資産均等型と同じポートフォリオに。。
合わせて許容乖離率も変更になりました。
GPIFによると新しいポートフォリオは目標とする実質運用利回り1.7%を上回り、かつリスクの小さいものにした、とのこと。
外国債券が増えた理由としては、金利低下に伴って国内債券の運用利回りが下がり過ぎたため、まだ利回りの高い外国債券を入れるようですが、果たしてどうなんでしょうか。。
管理人の考えとしては問題ないかな、と思っています。
超長期では為替変動は金利差で解消され、結局は国内債券と同じリターンになるというのが10年くらい前に流行っていた理論です。
特に変わっていないなら全て均等にした方がリバランス効果も得やすいかな、と。
ちなみにですが、GPIF自身が分散投資の有効性については伝統的4資産均等型を使って紹介していました。
4資産均等型で問題ないかどうかを見ていきましょう。
GPIFは4資産均等型ポートフォリオに変えて問題はない
当サイト(氷河期ブログ)では、けっこう4資産均等型をおすすめしています。
関連記事4資産均等型の単年勝率は8割、10年運用だと無敗!ニッセイの時代がきた
GPIFが出している数字から見てみましょう。
外部リンク年金積立金管理運用独立行政法人|長期分散投資の効果
画像は4資産均等型をリバランスしながら10年保有したケースです。リーマンショックなどもプラスで乗り切っているのが分かりますね。
39回中、元本割れは0回です。
単年度実績でも、そこそこの強さを見せてくれます。
最新データは2018年ですが、1年間を投資して元本を割った回数は48回中14回。勝率79.16%という無双ぶりです。
2020年のコロナショックでどうなったかのレポートが早く欲しいですね。(2017年、2019年の暴騰を多く含んでいるのでプラスなのでは?とも思います。)
参考までに過去戦績を。
- 39年間での勝率100%=無敗
- 平均した利回り=10年で85%(複利6.345%)
- 一番儲からなかった時=10年保有でプラス8%(複利0.772%)
- 最高に儲かった時=10年保有でプラス192%(複利11.311%)
GPIFがポートフォリオ変更で失敗したらどうする?という意見も問題ない
そもそも公的年金に占める割合のうち、GPIFの運用積立は全体の10~20%程度だからです。
ざっくりこんな感じ。
GPIFの余剰金運用取り崩し | 10% |
現役世代が納める保険料 | 70% |
税金 | 20% |
2035年までは年金運用金からの取り崩しはゼロ、今から20年後の2040年くらいに取り崩しが増えるものの高齢者人口も減るので年金支払いの20%程度を用意していく、という感じです。
少し古いデータですが分かりやすい画像を見てみましょう。(平成26年度検証)
これを見ると2060年近くになって、やっと年金財源の20%くらいを運用積立金から拠出していくのが分かります。
ほとんどの財源は現役世代からの保険料なのですね。2035年くらいまでは国と保険料から賄われるので今からだと15年の運用期間があります。
そうすると分散投資かつ長期投資、そしてリバランスの効果というのは期待できると管理人は思っています。
もちろん支える側が少なくなりますし、私たちが老後に受け取るときの金額が減るのは目を瞑る必要がありますね。
少子高齢化とはこういうものなのでしょう。
年金積立金は未来の世代へのお金
GPIFがもっとも分かりやすく説明しているので引用します。
現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかったものが、将来世代のために積み立てられています。
GPIFはこの年金積立金を、国内外 の資本市場で運用して増やしています。
年金積立金の運用収益や元本は概ね100年の年金の財政計画のなかで、将来世代の年金給付を補うために使われます。
年金財源全体のうち、積立金からまかなわれるのは約1割です。
これを見て年金100年の安心をしよう、とまでは言いません。しかし、思っている以上に国がキッチリしているように感じました。
GPIFの運用は超絶手堅いのですが、説明用の資料が不安にさせるのかな、と思うところはあります。
下記は少子高齢化での不足分を運用で補うイメージ図です。
この絵を見ると不安になる人が多そうだと思ったり。。(ちなみに本記事では画像を逆順で紹介しました。どうでしょうか。)
ちなみに財源の内訳などは、けっこう深堀しないと出てきません。めちゃ分かりやすい資料だと思うんですけどね。
というワケで、管理人は年金運用(GPIF)に不安を持っておりません。またポートフォリオについても個人的には好きな比率です。
これが正しいかどうかは分かりませんが、私などよりも遥かに優秀な人たちが考え抜いた結果に委ねたいな、と。
おわりに|GPIFの運用ポートフォリオが4資産均等型になるが大丈夫そう
GPIFの運用が変わりますが、個人的には安心しています。
また、運用でどれくらいを賄っているかというと、2040年に10%程度で、それ以降は20%程度に留まる。
こういった変更があると、年金運用でギャンブルだーという話が出てきますがニュースに飲まれないようにしていきたいですね。
たぶんコロナショックで〇〇兆円の損失が―――というニュースがそのうち流れます。そして、低迷期から回復したりした時は全く話題にしてくれない。
そんな中でも頑張っているGPIFを応援したいと思います。
以上です。
とはいえ、年金だけに頼っては生活が苦しいのは誰もが同じです。個人でもコツコツ投資をしながら、一緒に少子高齢化を生き抜きましょう。
お読み頂きありがとうございました。
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関連記事です。
やっぱり出てきた!「14兆円すったら、年金受給者は怒る」という記事
2019年2月の記事ですが、こんな風な話題が出てきます。これは2018年12月のクリスマスセール後の話ですね。
ちなみに2019年の何でも上がった時はめちゃ静かでした。
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