ダウの犬投資法というものがあります。
ダウの採用銘柄30社のうち、配当利回りが高い順にならべて上位10社を買うという投資法です。
昔は米国株の手数料が高くて、なかなか実践ができない方法でしたがネット証券大手3社の最低手数料撤廃でカンタンにできるようになりました。
昔は日本株でやっていた時期もありましたね。
関連記事高配当戦略:日本版ダウの犬「TOPIXコア30の負け犬投資法」
記事内容はダウの犬投資法の紹介です。
10銘柄だけでなく、5銘柄、はたまた1銘柄でも運用が可能です。(銘柄が減るほどリスクとリターンは高くなります)
インデックス投資は退屈で、サテライト運用を考えている人には面白い投資法と思います。
ダウの犬投資法が簡単にできるようになった
外国株式の最低手数料撤廃によって1株からの買付ハードルが下がりました。
ダウ採用銘柄のうち、高配当の企業だけ買うのも容易になったのは嬉しいですね。
ダウ銘柄というのは、地球上で最も生存能力の強い30社とも言えます。
では、ダウの犬投資法というのはどのようなものでしょうか。
システムは非常にカンタンですのでご紹介していきます。
ダウの犬投資法|通常10社バージョン
ダウの犬投資法はファンドマネージャーであるマイケル・オヒギンズが使っていた手法です。
そのルールは単純で、以下の作業をループするだけ。
- 年に1度(年末など)ダウ30銘柄を配当が高い順番に並べる
- その上位10社を均等金額で買う
- 1年間、保有を続ける
- 翌年度は必要なものだけ銘柄入れ替えをする
果たして、これで市場=ダウ平均に勝てるのかというと、1920年代から1990年代まではダウ平均を年2%以上アウトパフォームしていました。
ただ、米国株が買いやすくなったとはいえ、10銘柄はけっこうなお値段になります。
下記画像は2019年にスタートしていた場合の保有銘柄です。
コカ・コーラ(KO)やファイザー(PFE)など株価が安い銘柄を2株にしたとしても10万円前後の資金を用意する必要があります。
10銘柄は・・・という方向けに、より小額から試すことができて過去実績の高い方もあります。
ダウの子犬投資法とよばれるものですね。
ダウの犬投資法|子犬5社バージョン
ダウの子犬投資法は、さらに銘柄を絞って5社にしたものです。
選出の仕方は以下になります。
- 年に1度(年末など)ダウ30銘柄を配当が高い順番に並べる
- 高配当上位10社のうち株価が低い5社を買う
- 1年間、保有を続ける
- 翌年度は必要なものだけ銘柄入れ替えをする
オヒギンズいわく、株価が低いこと=不人気銘柄で市場から低評価されているとの事。
低評価とはいえ、ダウ銘柄であるので、その世界的競争力は十分過ぎるものです。
市場が気づいたときにリターンを得る方法になります。
高配当だけに注視しているワケでない点も要チェックですね。詳しい詳細を知りたい方はAmazonでどうぞ。
値動きのブレは10社に比べ大きくなりますが、リターンも大きくなる、と著書では書かれています。
もう一度、2019年にスタートしていた場合の表を確認して見ましょう。
右端のSmall DogにYesと書いている5社が「子犬」にあたります。
2019年スタートのダウの「子犬」5社
- エクソンモービル(XOM)
- ベライゾン(VZ)
- ファイザー(PFE)
- コカ・コーラ(KO)
- シスコシステム(CSCO)
高配当好きにはお馴染みの銘柄がズラリ。
こう見ると魅力的なラインナップに見えます。
この5社だと保有をしてみたいという人は多いのではないでしょうか。
株価が近いというのも魅力ですね。
ダウの犬投資法には最後にもう1つの方法があります。
たった1銘柄だけ保有するというもの。
孤高すぎる投資法ですが、私は好きなヤツです。
ダウの犬投資法|1社バージョン、孤高のPPP
PPPとは何ぞや、となると思いますが、本書の中では書いていませんでした。
やることは今まで以上に単純です。
- 高配当順に10社を選出
- その中で2番目に株価の低い企業へ投資する
一番株価の低い銘柄ではないのか?と思うかも知れませんが、一番株価が低い企業は本当にポンコツだった実績があるからです。
一点突破の方法ですが、オヒギンズを信じて続けることができたら圧倒的なリターンを手に入れることができる、との事。
代わりに精神力が尋常じゃなく必要になります。しかし、小額だとかなり面白いかも知れませんね。
投資法だけでなく考え方なども面白いので書籍はオススメ
本で知りたい場合は、Amazonで買うのが一番です。
一時は絶版本で高かったのですが、kindle版が出て安くなりました。
読んでいて単純に面白いのでオススメします。
実際に1991年にオヒギンズが著書にしたことで、有名になり過ぎて本当に自滅しています。
しかし、2000年以降を見てみると誰もがやらなくなった投資法という事で、徐々に効果を取り戻しているようです。
誰もがやらなくなったので効果が出てくるというのは非常に好きです。
ゴサム・キャピタルの創始者ジョエル・グリーンブラッドが良く話していた事ですね。
では、実際にダウの犬は、ただの負け犬となったのかを確認しましょう。
ダウの犬投資法は本当に通用しなくなったのか|2000年以降は凄い
いやはや、これが通用するようになっているのが投資の面白いところです。
下記画像は2000年以降のダウの犬投資法のリターンと、ダウ平均、S&P500の比較データです。
※スマホの方はスワイプで広げてくださいませ。。
2000年以降の平均リターンではダウ平均、S&P500を抜いていますね。
3年、5年、10年もダウの犬は優秀なリターンを見せています。
また、言っていた通り、Small Dogである子犬5社も、期間を長く取る程にリターンが安定するようですね。
見どころは2018年
一番面白いのは2018年です。GEが絶望的なマイナスでダウから外れた年。
2018年の10社はというと以下の通り。
結果はゼネラルエレクトリックの-58.3%、IBMの-25.9%がありながらも、市場平均に打ち勝っています。
ちゃんとPPPの一社入魂でもGEを避けているのも興味深いです。
2018年は強気相場から一転し、市場にボラティリティ(相場変動)が戻ってきた年。
しかもS&P500がマイナスをつけた年でもありますね。
不人気銘柄なので、IT銘柄が強かったここ数年の上昇相場はどうだったのかも見てみましょう。
直近5年も良いリターン
下げ相場に強いのはイメージ通りでしたが、上昇相場も市場平均に見劣りしません。
特に下げ相場で価値を棄損しにくいというのは長期投資では大きな利点です。
何度か当サイトでも取り上げていますが、リスクは思った以上にリターンへの影響が大きいです。
関連記事【リスクはリターンを蝕む】株式投資で複利リターン6%は期待し過ぎの可能性大!
単純なバイアンドホールドの場合、複利で6%というのはけっこう難しい、という記事も書いていますね。
ブラックロック社あたりが「ダウの犬ETF」を出さないかな~と思っています。笑
個人的には、予算がパンパンなのと追いきれなさそうなのでダウの犬投資法はしばらく縁が無さそうです。
ただ、2019年8月現在は円高株安の動き。
状況次第ではPPPをチャレンジしたいと思っています。
PPPをしたい人は1,000円単位で米国株が買えるPayPay証券などをどうぞ。
まとめ|ダウの犬投資法が簡単にできるようになった
- ダウの犬投資法はマイケル・オヒギンズ考案の投資法
- 投資法は高配当上位10社、株価の低い5社、PPPの3種類ある
- 1990年代は流行りすぎた事がきっかけで「負け犬」となった
- 2000年以降は良いリターンを出している
相場にはサイクルがありますので、また通用しなくなる時期もくるでしょう。
しかし、誰もが見捨てている負け犬こそリターンの源泉であることも多いです。
個人的にはコア資産を積立投資で市場平均を取りつつ、サテライトとして取り入れるのは面白いな、と思いました。
面白いと思った方は、Amazonの商品紹介を見ると楽しくなるかも、です。
現在のダウ銘柄や配当利回りについて知りたい方は以下をどうぞ。
外部リンクNYダウ配当利回りランキング | 日経平均株価 AI予想
下記は各年のダウの犬銘柄を見ることができます。(英語ページ)
外部リンクDogs of the Dow Total Return: Dog Years(リンク切れ)
面倒な方は、下記のなかから好きな年をクリックすると見れるようになっています。
2018, 2017, 2016, 2015, 2014, 2013, 2012, 2011, 2010, 2009, 2008, 2007, 2006, 2005, 2004, 2003, 2002, 2001, 2000, 1999, 1998, 1997,
引用元:Dogs of the Dow Total Return: Dog Years
そういえば昔はできなかったけど、今ならPayPay証券を使えば1,000円単位で好きなダウの負け犬投資法ができますね。
外部リンクPayPay証券
関連記事です。
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【PPP】ダウの犬投資法で孤高の1銘柄を検討する【WBAかKO】2019年8月
ダウの犬に関係する記事です。
ネット証券大手3社が米国株の最低手数料撤廃をしたので、手を出しやすくなりましたね。
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