投資をしていくと長期投資でリスクそのものは減らない、という言葉が時折でてきます。特に山崎元氏の本やコラムを見ていると多く出てきます。
長期投資すれば、プラスサムゲームなので基本的に経済成長の果実を受け取れるはず!という事が前提の株式投資において、もやもやしている人も多いのではないでしょうか。
私も山崎元氏の本を読んでいて、昔はもやもやしていました。
本記事では簡単に、その部分の分かりやすく説明をしたいと思います。
山崎元氏:長期投資でもリスクは変わらない
日本では、この二つが出ていて、インデックス投資家を惑わせます。回答は簡単です。どちらも正しいです。
もやもやしたまま投資をするのも精神上良くありません。記事を読む事ですっきり解決をする事が出来れば幸いです。
答え:長期投資で元本割れリスクは低減するが、株式リスク自体は全く変わらない
長々と引っ張っても仕方ありませんので答えからです。
長期投資で元本割れの確率は低減します
それは下記の図を見ても明らかです。
引用元:ウィール街のランダムウォーカー
長期で持てば持つほど、期待リターンに収束されます。上記はアメリカ株ですので、為替の影響も考える人様がありますが、25年保有をすれば戦後の実績を見る限りでは元本割れのリスクはなさそうです。
手元にある一番新しいデータとして、バンガード創始者のジョン・C・ボーグル氏の本より、上記図を引用しました。
ところどころで下落、急落はあるものの、やはり長期保有はかなりの確率で高いリターンが期待できます。
株式自体のリスクは長期でも短期でも全く変わらない
先ほどの図で答えが出ているのですが、補足的な説明です。下のチャートはNYダウの1年チャートです。期間は2017年8月~2018年7月の1年です。
引用元:Yahoo!ファイナンス
記憶に新しいかと思いますので、こちらを用意しました。
赤枠の部分をみると約20%程度の下落があります。これはどうしようもない事実です。長期で保有をしていても、株式投資というものはリスク商品なのです。
リスクとは期待値に対するブレと説明される事が多いのですが、2017年のように上昇する側のブレもあれば、2018年初頭のように大きく下落するブレも引き受ける必要があります。
いつ暴落(企業でいえば低迷や倒産)が来るか分からない。これこそが株式リターンの源泉です。
引用元:ウィール街のランダムウォーカー
もう一度、最初の図に戻ります。今度は左側。一年の平均リターンの散らばりを見て下さい。
値上がりは+52.26%という時もあれば、-37.00%というのが一年間のリターンです。
ですので、20年前に投資した100万円が順調に成長して4倍の400万円になっていても、1年で252万円になるという可能性は常につきまといます。
まとめるとこんな感じでしょうか。
- 資産運用に成功して老後に3000万円ができた
- 20年以上前に投資した元本は損をせずリスクが減ったのは分かる
- ただし毎年リーマンショック級の暴落があったら半額なので株式のリスク自体は長期でも変わらない
2018年1月下旬あたりからの下落は、たった20%程度でしたが、米国バブルの終わりだといったネット上でのニュースがチラホラ出ていました。
ひどい書き方では、過去最高の下落幅という表現もありました。そりゃ、基本数値が上がっているので、NYダウ指数が今よりも小さかった時のブラックマンデーよりも、現在の大きい数字の方が絶対値としての下落幅は大きくなります。
100万円がー37%になっても37万円の下落ですが、育った400万円のー37%=148万円の方が数字上の下落幅は大きいのと同じですよね。
結果として株価は戻ったが今後はどうなるのか
もちろん、今後も暴落とは付き合う必要があります。絶対もうかるなら、皆株を買いますしね。
リーマンショックから10年程経っており、そろそろかなと個人的には思ったりするのですが、未来のことは誰にも分かりません。
ただし、いつでも暴落と隣り合わせという真実は覚えておく方が良いでしょう。
下落リスクが怖いという人は債券を含んだバランスファンドを保有したり、リスク資産と現金の保有比率を確認をする事が一般的な個人投資家に出来る簡単で有効な戦略と思っています。
人間、儲かった時に比べて、損失の場合は倍くらいの精神ダメージを受けますから。。
私一人であれば、そろそろ何とか生きていけるかなとは思いますが、家族もおりますので安全値を確かめながら、ぼちぼちと老後資産を運用しています。もう若くもないですしね。
ちなみに、記事初めにあげた山崎元氏の理論は楽天証券のトウシルというコラムで無料で読む事が出来ます。けっこう昔の記事なので、探すのに時間がかかるかも知れません。。お暇があればどうぞ。
まとめ
簡単にまとめます。
- 長期投資で元本割れのリスクは減る
- 投機投資でも株式のリスク自体は変わらない
- 投資額が増えれば増えるほどブレ幅は大きくなる
元本割れリスクが減ってくるのは、長期投資をした場合に受けられる恩恵ですが、その間、何度も暴落や急落を受け止める必要があります。
個々人の損失に対する許容度は、本当に人それぞれですので、ゆっくり投資をしながら、自分の許容度を見つけていくのが良いでしょう。
私はリスク資産半分、現金半分がちょうど良いぬるま湯ですね。
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ウォール街のランダムウォーカーか山崎元氏の本を紹介しようと思ったのですが、両者の中道派というべき本です。
ランダムウォーカーに多大な影響を受けてブログを書き、山崎元氏と共著も出している水瀬ケンイチさんの本です。まだ読まれていない方はどうぞ。当ブログで書評も書いています。
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