公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、国内外の株価の上昇や円安を背景に、2024度第3四半期(10~12月)の運用実績が10兆7032億円と発表がありました。
世界最大の機関投資家としても3ヶ月で10兆円の運用益は笑いますね。
外部リンクGPIF 去年10~12月 年金積立金運用実績 10兆7000億円余の黒字
GPIFの運用はざっくり
- 日本株式 25%
- 外国株式 25%
- 国内債券 25%
- 外国株式 25%
というシンプルなポートフォリオです。
それでもしっかりリターンが出ているのは私たち個人投資家として学ぶべきところが多いですね。
せっかくなので、今日はGPIFの運用状況などを一緒に見ていきましょう。
【俺たちのGPIF】うっかり10兆円の利益を出してしまうww【2024年第3四半期】
2024度第3四半期(9~12月)の運用リターンは+4.31%(期間収益率)、運用実績が10兆7032億円でした。市場運用開始以降+4.40%(年率、2001~2024年)となっております。
画像を見ると四半期ベースではところどころマイナスを出しつつ、それでも大きなプラスになっているのは個人投資家としては心の支えになる画像。
コロナショックでも四半期ベースで▲10%程度の損失というのもポートフォリオの大切さを教えてくれます。(リーマンショック時はもう少し保守的な運用だったのでマイナスも小さい。)
全体の概況です。
第3四半期(10~12月)は+4.31%でした。
利益10兆7032億円のうち、利子・配当は1兆3932億円。インカムよりキャピタルが大きい四半期でしたね。
2024年度全体で見ると利益10兆5487億円に対して、利子・配当は3兆8193億円。インカムが4割程度あるのは、通常の市況であれば鉄壁といって良いのではないでしょうか。
2023年を見ると収益率22.67%とぶっ飛んだ数字で、昨年がいかに異常な一年だったかを思い出させてくれます。(4資産均等型でもこんな増えてたんですねw)
参考までにインカムとキャピタルの推移など。
累計収益164兆円に対して、利子・配当収入が55兆円。ざっくり1/3がインカム。
しっかり底支えをしつつ、株式のキャピタルが伸びています。
個人で同じ運用はなかなか難しいので、ポートフォリオに悩んでいる人はオルカン半分、個人向け国債半分で良いと思います。個人向け国債の利回りも伸びてきましたし。
ポートフォリオはこちら。
- 国内債券 25.51%
- 外国債券 24.58%
- 国内株式 24.99%
- 外国株式 24.93%
2024年12月末とあるので、リバランス後の数値ですかね。
リターンの悪い国内債券を一番高めているのが凄い。個人だったらメンタルやられそう。。
各アセットの寄与度など。
スマホだと字が小さくてスミマセン。
- 国内債券 ▲1.33%
- 外国債券 +4.12%
- 国内株式 +5.55%
- 外国株式 +8.96%
昨年12月なので円安の影響が大きいです。
それにしても、2023年に引き続き国内債券が足を引っ張っています。金利上昇局面だと債券価格は下落するので、しんどいですね。(そう考えると元本割れナシの個人向け国債の優遇さが凄い。)
外国債券は金利も十分に上がっており、イギリスは金利引き下げに入っているし、為替次第ですがそれなりのリターンになりそう。
市場インデックスの推移など。
債券は国内債券はずっと下落傾向。外国債券は変動大きそうですが%で見ると大したことはなく、期待リターンあたりを動いている感じ。
外国株式は好調。国内株式はちょっと苦戦。
とはいえ、2024年7月、8月の下落からよく立ち直りました。
年金積立金は未来の世代のためのお金
ちなみにですが、GPIFがこれだけ儲かってるんだから年金下げられるだろう、みたいな声もあります。
しかし、年金積立金の運用収益や元本は概ね100年の年金の財政計画のなかで、将来世代の年金給付を補うために使われます。
年金財源全体のうち、積立金からまかなわれるのは約1割です。
現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかったものが、将来世代のために積み立てられています。
積立金は年金財政の安定化に活用することとされています。
当初は年金給付の一部に積立金の運用収入を充て、一定期間後からは運用収入に加えて、積立金を少しずつ取り崩し、最終的に概ね100年後に年金給付の1年分程度の積立金が残るよう、積立金を活用していく財政計画が定められています。
さて、毎回思ってしまうことなど。
GPIFの運用で年金の10%を補填できるなら、運用額を10倍にすれば年金解決では?
と思ったんですが、現在の運用総額が258兆6936億円なので、10倍はさすがに厳しいかw(国家予算25年分とかになる・・)
あとは何だかんだで4資産均等型つえーーー。
今後数年分の家族旅行用として100万円用意しているんですが、コツコツ月5万円をニッセイ4資産均等型に積立しています。
2023年みたいなのはレアケースとして、下落局面でも強いので、安心して5~7年保有することができそう。(積立は100万円=20ヶ月で停止して、旅行費用として年20万円±を取り崩します。)
老後にインフレ負けしない運用としてもニッセイ4資産均等型は良いなぁ、と思いました。NISA以外の資産は全部ニッセイ4資産均等型にして、必要に応じて取り崩す、とか。
あ、あとGPIFのサイトは個人が運用を学ぶのにも分かりやすくまとまっているので、興味がある人はどうぞ。
外部リンクGPIF|年金積立金の運用とは
長期分散投資の意義というところでお好きな項目を読むと勉強になるかと。
興味のある人は第3四半期運用状況なども。
外部リンク2024年度第3四半期運用状況(速報)[PDF:584KB]
というワケで今日は俺たちのGPIFが2024年第3四半期の運用益が10兆円というお話でした。
2024年は8月に急落がありましたが、キッチリ3~5%の期待リターンになりそう。
良いときがあれば悪いときもある。とはいえ、長く続けていけばそれなりのリターンに収束するので、私たちにできるのは長く持ち続けること。
ともに頑張っていきましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
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GPIFの資金はおおむね50年程度は本格的に取り崩す必要が生じない資金です。こういったことを知っていると無暗に年金破綻などを心配しなくて精神的に良いかもですね。
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