老後のリスク資産比率をどうするかは悩ましいところと思います。
ニッセイ基礎研究所が面白いレポートを書いていたので記事にてシェアします。
レポートはこちら。
外部リンク老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかも
さすがニッセイ基礎研究所でして、S&P500のデータア円ベース・配当込みで、1973年2月末から2024年3月末までの月次データを使用しています。
こういった細かな作業は個人では調べきれないものも多いのでありがたいですね。
結論はタイトルで書いていますが過去シミュレーション結果では株式比率75%が最適でした。
では、一緒に見ていきましょう。
老後はどれくらいの株式比率にすれば良いのか?→S&P500の場合75%が良さそう
まず良いなと思ったのが資産2400万円でシミュレーションしていたこと。
NISAをコツコツ埋めていったらこれくらいの金額というイメージが取りやすいかな、と。
月5万円(年60万円)を積立投資20年続けたらざっくり2倍になってて2400万円というのが期待し過ぎず良い数字と思っているので。(つみたてNISA20年のときもこんな計算でいました。)
まずは結論と取り崩し方法。
具体例として、65歳など退職時点に100万円程度の緊急用の資金以外に、老後生活用の2,400万円の資産があると仮定して、過去のデータを用いて、25年間にわたってS&P500に連動する米国株式インデックスと預貯金に配分し、毎月8万円を引き出すシミュレーションをした。
その結果、2,400万円をすべて預貯金にするより、75%以上を株式インデックスに配分し、毎月株式資産と預貯金から4万円ずつを引き出す方が、資金が枯渇するリスクを回避し、かつ、25年後の最終時価残高が相当大きくなる可能性が高いことが分かった。
毎月8万円を定額引き出しということで年金で不足する生活費を埋めていくシミュレーションですね。
こういうの大好物ですw
画像もあるので、こちらも結論画像から見ましょう。
取り崩し期間は25年(90歳想定)です。
データも最小値(悪かったとき)と上位50%値という感じで書いてくれているのも専門機関の凄さですね。
左が株式比率75%、右が株式100%の状態。
もう一度画像を見て貰うと分かるのですが、投資結果が芳しくなかった場合でも月8万円を取り崩していても25年後には資産が増えています。
ただ、月9万円だと資産の減りが大きいときもあるし、月10万円だと枯渇してしまう様子。
2400万円に対して年96万円だとちょうど4%ルールなので、過去データからだとこれくらいが資産を減らさず取り崩せる数字なんですね。
けっこう画像が豊富だったので、順を追いながら見ていきます。
まずはパターン設定。
今思ったら定期預金でもインフレ負けしなければ2400万円って毎月8万円を25年間使うことができる金額なんですね。
全然関係ないけど2400万円って改めて凄い金額。
5000万円あれば50年間、毎月8万円使うことができるのか。。17年後には年金受給できるし、ひょっとすると資産運用頑張らなくて良いのでは。。
今さら気付くアホな管理人ですが5000万円って凄い金額ですね。今度改めて記事を書いてみますw。
スミマセン。話を戻します。
お次は早見表。これも分かりやすい。
個人的には14のカウチポテトが好みですが結果はどうなってるんでしょうか。
上記パターンでの25年後の残高。
株式比率を下げるほどに残高が低くなってますが、これはS&P500の運用利回りが良かったことも大きいですね。
これを見て老後も運用は必要だな、と思うか、はたまた運用こそ正義と思うかで受け取り方が変わりそう。
管理人は運用も必要だけど、下落相場でのメンタルも大切なのでほどほどで良いかな、と。
S&P500の調子があまり良くなかったターンでも90歳時点で1200万円あるカウチポテトで十分なのかも。月4万円ずつ取り崩すときのリバランスもやりやすいしw
シミュレーション大好きな人向けの画像もあります。
株式比率75%で取り崩していったときの推移。
最小値は数年後にITバブル崩壊、その後リーマンショックに被弾という地獄モードでした。
下位25%は最終年度近くでITバブル崩壊に被弾しますが、資産はそんなに減らず、85歳くらいから暴騰に当たる人生。
最小値より4年早いだけで最終金額がとんでもなく変わってるのも面白いですね。
ちなみに最小値である地獄モードは自分の資産でもシミュレーションした記事があります。
もし良ければ記事終わりにも載せておくのでお時間ありましたら是非。
関連記事老後5000万円で大丈夫だろうか?老後、リーマンショックが来た設定でシミュレーションしてみた
お次は最初に紹介した画像。
上は青天井みたいな伸び方ですが、株式投資の最悪ケースでも毎月最大いくら引き出せるか、というお題の画像。
上位50%を引き当てられるなら月13万円くらいまで使えますが、未来は誰も分からないので無茶はしないほうが良いだろうな、と。
ただ、資産取り崩しを始めて5年くらいが暴騰ターンに当たったら、そこそこのペースで取り崩しをしても良いんじゃないか?と前回のシミュレーションとニッセイ基礎研究所のレポートを見て思いました。
頑張って積み上げたあとはお祈り投資法をするしかないですねw
最後の画像です。
25年間、投資元本を下回ることがどのくらいあるのか。
25年後までの時価残高が毎月8万円引き出した後、時価を下回る元本割れをしているかどうか、といった画像。
リスク比率が高いので当然、取り崩し直後は元本割れしやすいのですが、年を取るにつれて元本割れ確率が減っていくのは、良く見る例の画像の通り。
意外と元本割れしないんですね。
年金受給にあわせて現金500万円を用意しておき、それを取り崩して生活すれば安定飛行に入れそうな予感。
下がっても回復する期間もあるだろうし。
最後になりますが、このパートの小見出しが一番印象に残りました。
目的地に着陸するか、それとも飛行を継続するのか
まさに資産運用は目標金額達成だけでなく、老後も運用を続けることの大切さを飛行を継続と書いてるのは良い表現だなぁ、と。
書かれたのは熊 紫云 (ゆう しうん)さんで、他のレポートも読んでみようと思います。
最後に長めですが素晴らしい締めなので、引用にて。
このレポートでは、過去のデータの分析を通して、老後生活資金が枯渇するリスクへ対応し、老後生活を経済的により豊かで余裕のあるものにするためには、老後においても定期的に定額を引き出しながら株式投資を継続するという選択肢があることを紹介してみた。
従来は一般的に、年齢が増えるにつれ、安全資産を増やしたほうが良いとされることが多い。今までの筆者のレポート11でも年齢が上がるにつれて、残る投資期間が短くなり、十分に満足できる老後のための資産形成が出来たら、思い切って全額を元本確保型にするのも良いと述べてきた。
必要な金額の資産形成を最終目的とする場合、退職間際は若い時に比べて、将来の収入見込みが減少し、リスクを取れなくなる。飛行機に例えると、ある目標金額に近づいてきた際に飛行機が着陸するように徐々にリスクを抑えるというのは合理的である。目標金額に達成したら思い切って全額を元本確保型にして、目的地に着陸すれば良い。
このように退職直前まで一時的な金融・経済ショックで退職後の取り崩す予定の資産が大きく毀損してしまう可能性を避けるためにリスクの低いポートフォリオに移行すると良いという考え方は尊重すべきであろう。
しかし、人生100年時代、資産形成期に設定した目標金額の目安が不十分な可能性が出てくる。また、資産をさらに大きくし、老後生活を経済的により豊かにしたい人、子孫に財産を残したいと考えている人は、株式投資を継続する方が得策であるかもしれない。飛行機のイメージで言うと、まだ十分飛べるので、65歳になっても着陸しないで飛行を継続すればもっと遠くへ飛べるということだ。あくまでも自分自身の状況に合わせて老後の資産運用については判断すべきものであるが、このレポートを機に、老後資金は預貯金だけではなく、株式インデックス投資という選択肢もあることを、改めて考えていただくきっかけとなれば幸いである。
興味本位で読んでいたら思わぬ超絶良記事に出会いました。
こういったのがあるのでネット探索はやめられませんね。
ブログ村応援クリックの下に熊 紫云 (ゆう しうん)さんの記事リンクも用意しているので是非お読みください。
きっと心強い気持ちになるはず。
資産形成期には厳しい市況があるかもですが、資産が積み上がればわりと気楽な老後が送れそうと思いました。
なので、お互いコツコツ頑張っていきましょうね。
お読み頂きありがとうございました。
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熊 紫云 (ゆう しうん)さんのレポートはこちら。
外部リンク老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかも
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老後5000万円で大丈夫だろうか?老後、リーマンショックが来た設定でシミュレーションしてみた
わりと最悪の状況を想定した取り崩しシミュレーションです。
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