金利も上がってきたし、ひょっとすると債券も魅力的なんじゃないかな?と思っている人はけっこう多いのではないでしょうか。
私もそろそろ気になっています。
読者様より債券ETFについて取り上げて欲しい、と依頼がありました。
メッセージはこちら。
毎回ブログ更新楽しみにしてます。私は77年生まれの為、色々と共感するところがあります。今現在、ネオモバの特定口座にて1655を買っています。現金や債券(2620、1656等)の比較的短期債で色々ごちゃごちゃいじってバランスとってます。2620や1656について取り上げて頂けたら幸いです。1656のヘッジ付き1482もありますが、昨今の為替変動とヘッジコストが気になります。
金利も魅力的な水準になってきたところですし、記事にてご質問頂いた債券ETFの状況などを見ていきましょう。
最近、債券ETFが気になるのですが為替やヘッジコストはどうでしょうか?【1656】【2620】
まずは結論から書きますと1656、2620は良い商品です。
今の感じで1655(S&P500ETF)とバランスを取りながら資産形成はキャッシュフローも増えるし、魅力的な資産形成では無いでしょうか。
とはいえ、大半の読者様にとっては新しく無理して債券を持たなくてもキャッシュで良いと思います。
あと、利回りが欲しかったら個人向け国債10年変動でも良いかな、と。2023年1月10日時点で表面利回り0.33%で元本割れナシ。わりと魅力的。
さて、ご質問頂いた債券ETFも見ていきましょうか。
数字だとワケ分からんので商品の確認など。
コード | 連動 | 直近配当利回り |
1656 | 米国債7-10年ETF | 1.48% |
2620 | 米国債1-3年ETF | 1.21% |
こんな感じの米国債ETFとなります。
実際は米国債10年利回りはもう少しあるので、直近は参考程度ですかね。
米国債10年利回りの推移。
2019年に起こった世界同時経済危機以来の高値3.5%を超え、アメリカ経済もさすがにしんどくなってきたのか、頭打ちな感じもします。
金利が下がると債券価格は上昇します。
テキストだとハテナ?となるのでイラストのほうが理解しやすいかも。
実際に米国10年債券に近い動きをするBNDを見てみましょう。
ジリジリ下がり続けていましたが、金利が頭打ちして反転したようにも見えます。
これを見てると債券買いたくなりますね。。
長期チャートも見ておきましょう。
確かに買い場っぽいですが、とはいえ債券ETFなのでそこまで値動きは大きくありません。70~90ドルのレンジです。
- 金利が上がると利子(配当)は増えるが価格が下がる
- 金利が下がると利子(配当)が減るが価格が上がる
こんな感じでトータルリターンは債券なりのリスクとリターンに近い感じ。
とはいえ、昨年は金利が一気に上がったため、かなりダメージを受けたファンドも多いはず。
買うなら今っぽい気もしますが懸念はあります。
今から80ドル台まで戻しても7~8%くらいしか取れないので、どこまでリスクを負うか、ということに。
米国債券ETF(1656、2620)は為替の影響をダイレクトに受ける
米国債券ETFである1656、2620、BNDは為替の影響をダイレクトに受けます。
債券ETFの値動きよりもこちらのほうが気になる人は多いのではないでしょうか。
参考までにちょっと長期のドル円チャートを。
為替が2021年初旬の状態に戻ると132円→105円で▲21%以上の値下がりリスクがあります。
債券ETFで7~8%取っても為替で負けてる、とか普通にありそうですね。年間で利子を貰ってもマイナスなことを考慮して勝負しなきゃなぁ、という感じ。
去年、為替が噴き上がらなかったら素直に債券は良かったと思うんですが、ということで暴騰の結論通り、キャッシュで良いかな、となります。
でも何とかリターン取りたい、と思うのが人の心。こういったとき、為替ヘッジを有効に使えないかな、とか。
ただ、ヘッジはあくまでヘッジなのでリターンに使うのは難しいんじゃないか、と思って私は為替ヘッジ付きを選ぶことはほとんどありません。
意外にヘッジコストもかかりますし。
為替ヘッジはコストがかかる。もちろん債券ETFにも
為替の値動きを抑えるために為替ヘッジがあります。
出典:野村アセットマネジメント
これを見ていると、為替リスクが無くなるので金利だけ見て債券ETFを買えそうですよね。
しかし為替ヘッジにはコストがかかります。
どれくらいのコストかというと、ざっくり短期金利差が為替ヘッジコストと言われています。
出典:野村アセットマネジメント
金利差分のコストを負担するとなると、今の日米金利差から見ると利子は貰えそうにありません。
となると、債券単体の値動きに賭けるかどうか。もしくは素直に債券リターンに賭けるか。
これだと普通に株式で良いかな、と私はなってしまいます。
野村アセットマネジメントの画像が分かりやすいので、またまた画像を借りてみます。
新興国債券為替ヘッジ付きなので微妙に米国債とは違いますがイメージは伝わりやすいかな、と。
左がヘッジを始めたときの利回り、右が5年経ったあとの利回りです。
こんな風にパチリとリターンが確定すれば使いやすいのですが、為替が大きく動いたときはヘッジコストも大きくなります。
意外と投資してみないとリターンは分からない商品では無いでしょうか。
為替ヘッジコストを超分かりやすくした画像(国内債券と外国債券が同じ動きになる?)
これは個人的な意見なのですが、為替リスクって超長期では気にする必要はないと思っています。理由はいずれ為替は金利差で埋め合わされるからです。
※もちろん短期的には為替の影響デカイので気をつけましょう。
昔集めてて、それ以降データが無いので古いものになりますがグラフにしました。
- 野村BPI指数
- シティグループ世界(除く日本)国債指数
- シティグループ世界(除く日本)国債指数(為替ヘッジあり)
昔は外国債券といえばシティ国債指数でした。日本債券の代表的な野村BPIとシティ為替ヘッジありを比べるとほとんど同じような動きになっていますね。
長い目で見るとヘッジコスト分くらいが下回っているのも分かります。
為替ヘッジをかけた外国債券は国内債券とリターンが変わらないことになりますね。
これが原因でひと昔前は外国債券不要論が色んなブログで書かれていました。山崎先生はその筆頭ですね。
ちなみにその間のドル円チャート。
外国債券の代表的指数であるシティ国債は為替の影響で高金利があるものの冴えないリターンが続きましたが、超長期では為替ヘッジをしてもしなくても同じような結果に落ち着いています。
債券は債券のリスクプレミアムに応じたリターンを得られるのかな、と。
株式も同様でざっくりしたイメージだと信託報酬よりヘッジコストがかかりそうだし、リスクは受け入れるから為替ヘッジは不要かな、と思っています。
為替ヘッジについては他にも記事をいくつか書いています。もし参考になれば。
関連記事為替ヘッジのメリット・デメリット
関連記事【1497】米ドル建てハイイールド社債ETF(為替ヘッジあり)を検討してみる
債券はバランスファンドでこそ生きてくる
これは個人的な考えなのですが、債券はバランスファンドでこそ生きてくるアセットと思うんですよね。
なかなか超長期目線で債券を持つのは難しいですし、日々値動きする商品を見ながら、株式とリバランスしていくのって個々人ではやはり難しいです。
なのでeMAXIS Slimバランス8資産やニッセイ4資産均等型のように自動リバランスしてくれるバランスファンドのような感じで持っているのが良いかな、と。
債券リターンはないものの、定期預金金利もしくは個人向け国債10年変動くらいは得られますし、株式が暴落すれば安く買うチャンスも比較的取りやすいです。
債券の値動きで頭使うこともないし平穏平和。
あと、まとまったキャッシュがあるとキャンペーン系とかで小銭稼ぎできるし、それで良いかな、とかも思っています。
このまま日本の金利が上がってくればそれこそ個人向け国債10年変動で十分ですし。
そろそろ長くなってきたので終わります。
おわりに|【1656】【2620】といった債券ETFは魅力だが為替の問題もあるし私はキャッシュで良い
【1656】【2620】といった債券ETFは魅力です。
ご質問頂いた読者様は今まで買ってきたETFが花開くチャンスですかね。まだまだ買い進めても良いかと思います。
ただ為替ヘッジについてはコストもかかるし、今のままで良いんじゃないかな、と思いました。
初めて債券ETFを悩んでいる人にも、
1656(米国債7-10年ETF)
2620(米国債1-3年ETF)
は小口から買えて値動きを見られるのでちょっと買ってみるには勉強になって良いのではないでしょうか。
ただ、無理して買わなくても、株式リスク資産とキャッシュだけでも十分資産形成はできると思います。
これから何度も厳しい市況がやってくるはずなので、キャッシュがあると心穏やかに投資が続けられます。(もちろん債券は株式程動かないので暴落期は心の支えにもなります。)
お互い心地よいリスクでコツコツ投資を頑張っていきましょうね。ご質問ありがとうございました。
お読み頂きありがとうございました。
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