昨年、Twitterにて
インフレが話題になっている中、物価連動国債ETFのTIPとVTIPについてはどうでしょうか?
という質問をいただきました。
まさにインフレが進行しているので、ちょっと現状を見ていきたいと思います。
けっこう昔から悩んでいたのですが、個人的な考えとしては今回もBNDで良いかなぁ、と。
いつもお世話になっているハルさん (@haru_tachibana8)のtweet。
インフレが話題になっている中、物価連動国債ETFのTIPとVTIPについてはどうでしょうか。国内ネット証券で購入可能なのにブログを書いている人がほぼおらず、色んな方の記事が読みたいと思っていました。
— ハル☀️@米国ETF (@haru_tachibana8) March 9, 2021
物価連動債って、Twitterやブログでもほとんど見たことがないですね。せっかくなので、管理人の考えなどを記事にしました。
結論から書いておくと、管理人は物価連動債のTIPは不要と思っています。
理由としては
・インフレと金利動向は読めない
・キャッシュ+暴落時に株式購入で対応しているから。
では、商品詳細など含め見ていきましょう。
物価連動債、TIP、VTIPとは
物価連動債とは
物価連動債はインフレ対策としての債券ですね。詳しくはSMBC証券の解説が分かりやすいかと。
物価連動国債とは、物価動向に合わせて元本が変わる国債で、インフレ連動国債とも呼ばれます。 満期まで利率は変わりませんが、元本が物価の変動に合わせて変動するため、受け取れる利息が増減する仕組みです。
債券というのは基本的にインフレ=利上げ時に弱いです。利上げをすると債券価格が下がるから。イメージが掴みにくいので画像でちょっと見てみましょう。
出典:大和証券
インフレが進むと同時に金利も上がる傾向になるので、債券投資というのはどうしてもインフレを警戒してしまいます。
そこでインフレ負けしないために作られたのが物価連動債と思っておくと良いかも。インフレに連動して価格が動く代わりに金利も変動します。
ブラックロックのTIP、バンガードのVTIPが有名どころです。
- TIP:iシェアーズ米国物価連動国債ETF
- VTIP:バンガード・米国短期インフレ連動債ETF
バンガードのVTIPは5年未満の短期債に投資をするため、TIPに比べさらにガチガチとなります。似て非なるものと思っておくと良いかも。
ちなみにTIPというか物価連動債はインフレ負けしない設計ですが、意外と値動きはあるイメージ。もう10年前くらいの話ですけど。
インフレ対応はするけど実質金利の影響はうけちゃう。こんな感じですかね。
これならAGG(米国総合債券)で良いよね、と思ってそれ以来調べてなかったのです。
すっかり調べてなかったので直近10年リターンを調べました。
TIPの直近10年リターン
物価連動債のリターンなんて知れてるだろう、と思ってたら意外と良いんですね。
分配金込みの実質リターンです。(ブラックロックのこういったところが好き。)
10年で1.3倍ですからガチガチの債券としては悪くありません。
ただ、2012年から2018年あたりは分配金込みでもけっこう我慢の時期がありました。個人的にはここらへんの値動きになるイメージが強いです。
あとリーマンショックなど金融危機にも瞬間的にはダメージがありました。コロナショックも同様ですね。
見ておくと参考になるのは2019年以降の伸びでしょうか。実質3年で30%上昇しているので、保有していた方はかなりホクホクだったのでは?
TIPでの注意|意外と値動きがある
分配金込みでのリターンを見ると安定商品のように見えるんですが、意外と値動きが大きかったりします。
歴史も古く2003年から取引されています。
リーマンショック当時はTIPがクッションになってないというのを目の当たりにしていたので、あまり保有意欲が湧かないのはここらへんが原因です。
インフレ対策になるけど万能ではない、という感じ。
個人的には今後のインフレを踏まえても持つことはないだろうな、と思っています。もう少し理由を深堀していきましょう。
インフレ連動債TIPを不要と考える理由
意外と値動きがある、実質金利差の影響は受けるというのが個人的に持たない理由です。
ハルさんはインフレにあわせてリターンを狙っちゃえるレベルの人なんで別枠として、個人的にはTIP買おうかな、という人って守りで考えていると思うんですよね。
それなら総合債券のAGG(バンガードだとBND)で良いのでは?というのが昔からの結論になっています。
S&P500か好きな株式ETFを持ちつつ守りの部分でAGGを保有。
暴落などがあったら、債券のAGGを売って下がった株式ETFを買うというシンプルな方法で良いかな、と。
もちろんインフレ対策が必要な富豪レベルの人だと検討かもですが、管理人には扱いきれない&腹落ちしないETFとなっています。
AGGとTIPの比較も調べました。
TIPとAGGの長期リターン比較
2004年設定来からのTIP、AGG比較(分配金込み)です。
直近はTIP圧勝ですね。やはり金利上昇局面では強い!
ただ、局所的にはTIPが強いんですが、そこまで圧勝というわけでもないんですよね。(債券なので値動きあるように見えてもめちゃマイルドです。)
個人的にはAGG(総合債券)持ってて負けるときは何買ってもしゃーない、と思っているので、個々人の性格によるかもですが。。
参考までに昨年記事にしたときのチャート。
去年はまさかこんな事態になるとは思いもしませんでした。
生きてると驚くことばかりなので深く考えず株式バイアンドホールドでも良いかも。
株価チャートだとこんな感じ。
緑:TIP(物価連動債) 水色:AGG(総合債券)
AGGに比べると値動きが大きいです。とはいっても18年で20%とかなので、株式に比べるとそよ風みたいなものかも。
TLTなど20年以上の長期債と組み合わせると面白い気がしますが、手間をかけてもリターンが良くなる気もしないし、債券は下落時のクッション+安定した利子支払いを期待したいのでAGG、BNDといった総合債券一本で良いかな、と思います。
というワケで、個人的にはキャッシュもしくはAGGやBNDと株式を組み合わせるお気楽カウチポテトポートフォリオで十分と思い、TIPに関してはとくに注目してきませんでした。
今回調べた範囲でも、持つことはないと思います。
理由は将来のインフレも金利動向も読めないから。
TIPでリターン取れなくても、暴落があったら買いためていたBNDなど債券ETFを売って株式を買えば良いですしね。(ハイテクがめちゃんこ売られていたらハイテク買うかもw)
なので個人的にはS&P500ETFとAGGを半々で持つ投資信託SBI・米国バランス(愛称:まるっと米国)を楽天証券でも買えるようになって欲しいな、とは思います。
下落耐性とかリバランスの性能などは関連記事をお読みください。
関連記事ついに爆誕!SBI・米国バランス(愛称:まるっと米国)|SBI・iシェアーズ・米国バランス(2資産均等型)
おわりに|物価連動国債ETFのTIPはインフレ対策には良いけど個人で持つには不要
インフレ連動債ということで、ガチガチな債券ETFですが意外と値動きのあるTIPです。
一年前はまだしばらくインフレは無いかな、とか書いてましたがガンガンインフレしまくっていました。管理人の逆神性能高過ぎなんですけど。。
とはいえ、インフレ+金利上昇がすすめば総合債券が落ちてくるので、そのときにBNDなどを仕込みたいな、と思います。
管理人の考えはこんな感じです。
ご質問ありがとうございました。またTwitterでもよろしくお願いいたします。
お読み頂きありがとうございました。
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