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S&P500の20年トータルリターンのすべてはベスト35日間に達成されている【敗者のゲーム】

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敗者のゲーム8版をkindleで読みました。

結論から書くと今のような低迷期には最良の一冊。

2003年に出た新版(で良いのか?)が最初に読んだ敗者のゲームだったので、20年前くらいから本質は変わってないことに驚きます。

実際、微妙にアップデートはあるものの内容やエッセンスはほとんど変わりありませんでした。コロナショックのことも書いてましたが2行くらいで、直近の情勢を踏まえてどうするの?と期待する人には拍子抜けかも。。

ただ、始めて買った人は何回も読めるような名著であるとも思いました。

 

さて、敗者のゲームを読んで投資初心者や、自分にも自戒を込めての備忘録を書いておこうかと。

本書を一言で伝えるなら「ミスをするな」です。

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ミスをするな、動くな、大人しく市場に居続けろ

昔と違い、投資はプロのゲームとなっており、一般人がプロを出し抜くことは不可能になっています。

これはメインプレイヤーが機関投資家に移ったことが原因。

1985年の初版より言い続けられているのは、テニスに例えられています。

曰く、

アマチュアは相手に負けるのではなく自分のミスで自滅する

アマチュア同士で試合をすると、プロのように力強いスマッシュや、芸術的なドロップショットで点を取れることは少なく、結果としてはミスが少ない方が勝つ。淡々とボールを返し、相手がミスをするのを待つのが最良、ということ。

投資もコレと同じで、機関投資家並みの知識や資金力を持っていても、周りが超が付くほどの機関投資家ばかりで、市場を出し抜くことが難しくなっている昨今、モンスター級の投資家が動かした市場の平均を持ち続けることこそ、投資を勝者のゲームする第一歩なのだと。

 

分かりやすい文章など。

また、数年にわたる成績不振に不満を抱いた投資家が、その時点で収益を出している魅力的なファンドに乗り換えた結果、再び「安く売って高く買う」サイクルに巻き込まれ、長期的にはリターンの3分の1を吐き出しているという問題もある(個人の場合、この割合はさらに悪い)。

残念ながら、こうした人たちは、ある期間成績がよかっただけなのに、成績のよいファンドに集中投資させようとする投信会社の広告に煽られて、高コストな行動をとってしまう(数百のファンドを出している運用機関であれば、一つや二つ好成績のものもあるだろう)。

流行りに乗っかりたくなりますけど、インデックス丸抱えに比べてリターンは33.3%下がっちゃうというお話。。

ついついサテライトでやっちゃうんですが、気を付けなきゃ、とか。。でも、半分趣味みたいな楽しみだからなぁ。

 

稲妻が輝く瞬間といった名言は健在。

 

S&P500の20年トータルリターンのすべてはベスト35日間に達成されている

S&P500の平均リターンを分析した調査を見るとわかりやすい。20年間の株のトータルリターンのすべてはベスト35日間に達成されている。

これはホント衝撃的で、どの機関投資家すら稲妻が輝く瞬間だけを捉えることは不可能なので、買ったらずっと放置が最強になってしまいました。

 

ただ、これだけでバイアンドホールドをするのはメンタル的にしんどかろう、ということで、ところどころに投資家を助ける神画像が用意されています。

有名なコレとか。

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株式の値動きは単年で見ると大きいんですが、長期で持ち続けた場合、米国株だと25年以上で負けなしとなります。(日本の場合、為替を考慮する必要はあります。)

管理人はこの画像が無かったらリーマンショックで心が折れていたかも知れません。エリス先生に感謝感謝。

 

あと、インデックス投資の経典なのでアクティブファンドには手厳しいことも。

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アクティブファンド自体は良いとして、15年後にベンチマーク(S&P500など)を上回ろうとすると至難の業。

これができるからバフェット先生は神様なのでしょう。

 

ここらへんの基本のキを忘れず、コツコツ投資を続けたいですね。

ちょっと時間があるので、何版も読み続けて今回感じたことなども。

 

敗者のゲーム8版を読んで感じたこと【プチ書評】

文章がシンプルになった

もともと章立てで、短く区切っていて読みやすい本でしたが、何となく読みやすい表現になってるような。。

アメリカ人の本らしさが少しだけ薄まった気がします。冗長な自慢話や他社批判が少し減ったのかも。比べてないので分かりませんけど。

29章+付録と考えると、1日1章ずつ読めば一ヶ月で通勤のお供や、寝る前の読書にちょうど良い感じな気がしますね。

 

問題があるとすれば、マルキール先生、エリス先生、故ボーグル先生にありがちな冗長すぎる前書きとか挨拶で飽きてしまうパターンでしょうか。。

敗者のゲームは前書き部分で、いきなり結論である「ミスをするな」とその理由を書いているので、まだ取っ付きやすい気もしました。

 

カッコよかった名言が減らされている

稲妻が輝く瞬間はかろうじて残っていましたが、そんなにインパクトがあるような書き方では無かったような。

あと、「靴下を買うように株式を買えば良い」「リスクに賭けてみようとするのは悪魔のささやきだ」みたいな中二病表現が好きだったんですが、これらも出てなかった気がします。

中二病っぽいから消されたのかも。。

 

株式至上主義は変わらず

これは安心ポイント。

エリス先生は債券なんか持たんでええ、の人です。

今は全世界株式推しな感じ。

債券はインフレ調整後、そんなにリターンが無いので全部株式で良いという考え。

かわりにリスク調整をするならMMF(マネーマネージメントファンド)とのこと。昔は証券会社でも円MMFという形で超短期債がありましたが、金利考えると現金で良いかな、と。

よくよく考えると管理人は現金でリスクコントロールしてるので、エリス先生の教えをけっこう守っている感じなのかも。

 

あと、自分が使い切れなかったら家族に相続して株式はずっと生き続けるというのも昔からの主張のままでした。

単年ごとの値動きは安全資産(現金・年金など)を上手く使おう、という感じ。

 

コロナショックなど直近の話題を期待してはいけない

ちょっと書きましたが、リーマンショックのことは触れていますが、コロナショックくらいは「またもや暴落」程度の扱いで、このあと私たちはどう考えれば、というのを期待して買うと残念な結果になります。

そんなことは30年以上前に乗り越えていて、株式を買って落ち続ける、ただそれだけだ。というところでしょうか。

ただ、インフレについての脅威はけっこう書かれているので、そこらへん参考になる人は多いかも知れません。(昔からインフレについて結構なページを書いてました。)

おわりに|市場に残り続けよう

S&P500の20年トータルリターンのすべてはベスト35日間が叩き出しているようです。とすれば、私たち個人投資家にできることは長く市場に居続けることだけ。

もちろん、株数を増やすほどに効果は絶大になるので、資産形成期はコツコツ買い続けるのが大前提です。

そういえば本書では平均回帰というのが何度も目につきました。上がり過ぎたものは下がるし、下がり続けたものは上がる。

 

もしかすると大変な時期がやってくるかもですが、それもまた平均に回帰していきます。良いときも悪いときも市場に居続けられるよう、一緒に頑張っていきましょう。

 

お読み頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人
ななし

1976年生まれ、超就職氷河期世代のインデックス投資家。投資情報を中心とした当サイトの管理とWebライターをしております。自己紹介は「ななし」をクリックで。

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