それなりの難易度で、不況でも仕事に困らない資格って何かないだろうか。
こんな風に思った事がある人はめちゃくちゃ多いでしょう。私ももちろん考えてしまいます。
氷河期世代の牧 美帆(@healin_mama)さんより頂いた寄稿にその答えがありました。
リアルな就職氷河期の体験談を知る機会とともに、リーマンショックでもビクともしなかった知的財産管理技能士の強みを知ることが出来ます。
3分くらいで読める内容です。
氷河期体験|フリーター、ブラック企業を経て派遣社員に
私は2001年に短大を卒業した、いわゆる氷河期世代です。
もともと文章を書くことが好きで、できればそういった仕事につきたいと考えていましたが、当時はまだまだインターネットは一部の人のものだった時代。
家で仕事なんて夢のまた夢、Webライティングなんて仕事はありません。
ライター系の仕事はおろか、事務系の就職先もほとんどない状態でした。
職種を限定せずに、30社以上を受験しましたが、結局新卒での就職は叶わず、最初の1年は、アルバイトを転々としていました。
アルバイト代をはたいてパソコンの勉強をし、2002年に何とか正社員でIT系の企業に就職することができました。
その後同じIT業界に転職するものの、面接時には出ると言っていたボーナスが結局出なかったりと、似たような状況に陥りました。
これ以上職歴を重ねたくないと考えた私は、2社目を退職後に、派遣社員の道を選ぶことにしました。
知的財産を扱う部署に配属
派遣先は、大手メーカーのグループ会社でした。
知的財産を扱う部署のシステム担当として、配属されました。
なぜその派遣先を選んだかというと、単純に、家から自転車で通える距離にあったからです。
知的財産という分野には、全く興味はありませんでした。
例えば、職場に飛び交うIPという言葉。ITの仕事をしていた私にとっては「Internet Protocol」ですが、その職場では、「Intellectual Property」。日本語で知的財産です。
派遣先の方から「知財部」という説明を受けても、知的財産を略した知財という言葉が聞き取れず「資材部かな?」と勘違いしていたくらいでした。
私の仕事は、直接、知的財産の管理に携わる仕事ではなく、管理に必要なさまざまな補助ツールをExcelのマクロ(プログラム)で作成したり、Accessというソフトでデータベース化したり、修正することでした。
複雑な管理をExcelで自動化し、頼られる存在に
知的財産の仕組みは、私が考えていた以上に複雑なものでした。
知的財産は大きく「特許」「実用新案」「商標」「意匠」に分かれ、それぞれに法律が存在します。出願や審査、そして登録後の仕組みも異なります。
例えば、特許は、ただ出願しただけでは審査されず、新たに「審査請求」という手続きを踏まないと、特許を取れない仕組みになっています。
なぜ、このような仕組みになっているのでしょうか?
日本は、「先願主義」という形を取っており、同じ発明が2つ出願された場合は、先に出願した方が、特許として認められます。
審査請求には、何十万というお金がかかります。出願だけであれば、1万5千円(2019年5月時点)です。
そのため、多くの企業は、とにかく出願しておいてから、実際に審査請求の手続をするかどうかを、じっくり検討するのです。
また、この審査請求も、いつまでも待ってもらえるわけではなく、3年以内に請求しないと、無効になってしまいます。
こういった制約がたくさんある中で、特許の出願日を基準に審査請求の期限が近づいてきたら警告を出したり、この特許はどこの国に出願し、特許の取得までにいくらかかったかを管理したり…とたくさんの事柄を企業は管理する必要があります。
また、特許に関わる金額や、期間などは変更もしばしばあり、そのたびにプログラムを変更する必要もあります。
自分でExcelでプログラムを組んで、思い通りの結果を得られ、社員の皆さんに感謝してもらえる仕事は、私に合っていました。だんだん、他のシステムの仕事も任されるようになりました。
2級知的財産管理技能士を受験し、合格!
その中で興味を持ったのが、2級知的財産管理技能士の受験でした。
ただ言われたとおりにプログラムを作成するのではなく、きちんと知識を得て、納得した上で作成したい、またそうすれば、より良い提案もできるだろうと考えたのです。
受験勉強は、ほぼ公式テキストだけで行いました。テキストを読み込み、条文を書き写して、頭に叩き込んでいきました。休日も試験勉強にあてていました。
勉強期間は約3ヶ月。ラッキーなことに、1度の受験で2級に合格することができました。
あれこれ色々なテキストに手を出さず、公式テキストに絞って勉強したのが功を奏したのかもしれません。
2級知的財産管理技能士は氷河期世代にもおすすめ
私は結局、文章を書いて仕事をする夢を諦めきれず、現在はその会社を退職し、現在は全く別の仕事をしています。
しかし、この資格があれば、特許に関わる仕事に、いつでも戻れると思っています。
この2級知的財産管理技能士を、氷河期世代の方にも強くおすすめします。
なぜなら、特許の需要は、不況においても絶対にあるからです。
私がその会社に正社員として勤めていた頃、リーマンショックが起きました。
特許は企業が国内で、そして世界で戦うための武器。特許の需要は決してなくならないからです。
しかし、1級知的財産管理技能士は、国家資格であり、合格率6%の超難関資格といわれる弁理士と同等、あるいはそれよりも難しいと言われています。
私が以前いた職場でも、1級を持っている人は弁理士の方ばかりでした。ですので、2級でもきちんと評価してもらえるはずです。
知的財産管理技能士検定は、年3回実施されており、とてもチャレンジしやすい試験です。
次回は2019年7月21日(日)、そしてその次は2019年11月17日(日)に実施されます。
7月は難しいかもしれませんが、11月の試験に向けて、今からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
書いた人:牧 美帆(@healin_mama)さん
外部リンク牧さんの執筆記事まとめ(リンク切れ)
外部リンク知的財産管理技能士検定
資格のない私も知的財産管理技能士検定を取ろうか悩みまくっています。
管理人より
牧 美帆(@healin_mama)さん、寄稿ありがとうございます。
やはり1999年からの就職氷河期は厳しいものがありましたよね。
知的財産管理技能士というのは初めて知りました。リーマンショックでもビクともしないとは、安定した需要が今後も見込めそうです。
この記事を書いて頂いて、私も資格の必要性を感じました。
お読み頂きありがとうございました。
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