株式投資はしているけども暴落に備えて現金も用意をしているる。でも、定期預金だと利回りも期待できないし遊んでいる資金が勿体ないなぁ。。
そう思っている人は多いと思います。私もそうです。
そういった時に債券投資はどうでしょうか。
BNDという米国債券(国債・社債)全体へ投資する海外ETFがあります。
比較的値動きが少なく、金利による安定した利回りを得られる債券ETFとしては王道中の王道商品です。
国内債券は利回りのわりに、金利上昇での損失リスクの方が高いので、こういった時は様々な商品へアクセスできるNY市場が最強です。
もちろんドル建て商品ですので為替リスクを受けますが、その分、日本では期待できない利回りが魅力です。
株式のみだと市場急落時はほぼ世界全体の株価が下がります。
2018年12月の急落だとアメリカだけでなく、日本や先進国、新興国。全世界株式が下落したのを覚えています。
債券ETFを保有することでポートフォリオ全体で見た時の損失を小さくします。
また、分配金を貰いつつマイルドで長期投資に適した形になっていきます。
株式の上げ下げが気になってしまう人はもちろん、債券を組み込む事で自分年金を育てたい人にもおすすめの海外ETFです。
本記事が参考になれば幸いです。
BNDの特徴と概略
BNDはブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスという指数に連動をさせる海外ETFです。
バンガード社が運用する債券系の旗艦ETFになります。
中身は全て債券になります。非常にざっくりと言えば、中期の米国債と社債を満遍なく保有していると思って大丈夫です。
大きな特徴しては「残存5~10年の中期債券中心」ということです。
債券期間が長いと利回りは増えますが、金利変動での債券価格が大きく動きます。逆に短いと金利変動の動きは抑えられるものの利回りは減ります。
ちょうど良いバランスの取れた期間設定で、バンガード®・米国トータル債券市場ETFという名にふさわしいですね。
ライバルとしてブラックロック社のAGGがあります。
金利と債券の関係は大和証券の説明が分かりやすいので図を引用します。
BNDの平均デュレーション(残存期間)は2018年12月31日時点で5.9年です。直近の利回りは2019年3月15日時点が2.75%です。
イメージとして1年で米国のFF金利が1%変わると約6%の変動があります。
ざっくりですが、1%金利が下がるとBNDは6%儲かり、金利が上がったら6%損をします。
一般的に、クーポンが同じであれば、残存期間の長い債券ほどデュレーションは長くなります。同じ残存期間であれば、クーポンが低い債券ほどデュレーションが長くなります。
FF金利
フェデラル・ファンド(Federal Funds)レートのこと。フェデラル・ファンドとは、米国の銀行が連邦中央銀行に預けている無利息の準備預金です。米国では銀行間で日々このファンドの過不足を調整しあっており、そのときの金利を指します。
変わらなかった場合は金利が丸儲けです。金利は生き物なので、変動はありますが株式の動きよりは遥かにマイルドですね。
アメリカも低金利時代をやっと抜けつつあります。
未来の金利は分かりませんが、2018年に金利を上げだした際、BNDの価格変動よりも株式の方が大きかった事を思いだします。
そういった意味で、ポートフォリオを安定させるバランサーとしての期待も出来ます。
BNDの概略
ティッカー | BND |
経費率(信託報酬) | 0.035% |
ベンチマーク | ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックス |
構成銘柄数 | 8000 |
配当スケジュール | 毎月 |
ETF純資産総額 | 365.28億米ドル |
設定日 | 2007年4月3日 |
経費率(信託報酬)は年間0.035%と圧倒的な低コスト。これぞ海外ETFの魅力ですね。
また、債券の銘柄数も8000と分散されています。格付けが高いもの中心です。個人で生債券を分散投資は難しいので、この部分も大きな価値といえます。
純資産額の規模は300億ドルを超えており、日本円にして3兆円以上と流動性に関しても安心です。必要な時は即現金化が出来ます。
配当(分配金)は毎月です。毎月、チャリンチャリンと分配金が貰えるのは気分的にちょっと嬉しいですよね。
ちなみにETFの特性上、たまに日本の投資信託であるようなタコ足配当の心配はありません。
ETFの仕組み上、債券から上がってきた利回りだけしか出すことができません。
タコ足配当とは?
企業が原資となる十分な利益がないにもかかわらず、過分な配当金を出すことをいいます。タコが自分の足を食べるのに似ていることから、このように表現されます。
SMBC日興証券はじめてでも分かりやすい用語集より引用
正直、BNDと高配当ETFのVYMを半々保有で老後の資産運用は十分だと思っています。
関連記事老後へ向けた海外ETFという選択肢。VYMとBNDでほぼ鉄壁
BNDの長期チャート|株式と比較して確認したい
引用はGooglefinanceです。
長期チャートを見ると上げ下げが気になりますが、リーマンショックで一瞬70ドル付近になった以外、80ドルを中心に上は85、下は75とハイパー安定しています。
同じ期間を株式で保有していると、こうはいきませんよね。安定した配当金(分配金)があるのも魅力です。
S&P500との値動き比較
アメリカを代表する大企業の株式指数S&P500と比べると、抜群の安定性どころか動きが無いように見えます。
S&P500の成長率が84.8%と低くみえるかもですが、BNDの設定日は2007年4月3日です。
リーマンショック前の最高値時期です。比較するときは両方の背景を見る必要がありますね。
現在の飽和感がある中ではポートフォリオの安定に一役買う存在になりそうです。
私も先日、購入しました。
関連記事海外ETFのBNDを購入。毎月分配を貰いながら株式暴落時の資金に使いたい
タイトル通りですが、もしリーマンショック級の暴落が来たら、売却して株式に変更します。
そういった時に、流動性の高さや価格の安定性は大きな武器ですね。売却手数料がかかっても報われる可能性が高いと思っています。
BNDの銘柄構成比率
米国財務省/政府機関 | 43.3% |
政府モーゲージ担保証券 | 22.1% |
工業 | 16.0% |
金融 | 8.7% |
米国外の発行体 | 5.2% |
公共事業 | 1.9% |
コマーシャル・モーゲージ担保証券(CMBS) | 1.9% |
その他 | 0.5% |
アセットバック証券 | 0.4% |
米国債と政府モーゲージ担保で65%を超えています。
モーゲージ担保証券(MBS)は、分かりやすく言うと住宅ローンを証券にしたもの。これを流動化しやすくして、元金利については米国政府が保証をしています。
ガチガチな安定債券を65%、格付けの高い社債などが残り35%をイメージすると良いですね。
個人的には為替リスクは受けるかわりに毎月分配をドルで貰いながら、配当金再投資の充足をしたいと思っています。
円建てで見たら値動きは大きいけど、もともと海外ETFはドル決済なので主力のVTやHDVのバランサーとなるのを期待したいです。
BNDの配当金(分配金)推移
2008年12月 | 0.294ドル |
2009年12月 | 0.248ドル |
2010年12月 | 0.22ドル |
2011年12月 | 0.203ドル |
2012年12月 | 0.167ドル |
2013年12月 | 0.175ドル |
2014年12月 | 0.166ドル |
2015年12月 | 0.166ドル |
2016年12月 | 0.16ドル |
2017年12月 | 0.168ドル |
2018年12月 | 0.192ドル |
毎月分配なので、各年の12月分を抜き出しています。
リーマンショック以降、金利引き下げに連動しているのが分かります。ただし、日本の個人向け国債に比べて雀の涙みたいな事はありません。
現在の利回りが2.5%を超えている事を考えると、へたな高配当ETFを持つより安心感はありますね。
日米の金利差がほとんど無くなっていた2014年~2016年でも1株あたり0.16ドルをキープしています。
今後の金利状況は分かりませんが、金利が下がっても配当金が読みやすいのは良いですね。
下がり具合によっては、BNDの価格が上がるので貰える配当金と売却益を見ながら、売ってしまうというのもありかも知れません。
まとめ|BNDの評価と所感
- 米国債券市場に分散投資できる(銘柄数は約8000)
- 経費率(信託報酬)は年間0.05%と圧倒的な低コスト
- 毎月配当を貰える
- 金利の上下で価格変動がある
- ドル建てなので為替リスクがある
- 代わりに株式とは比較にならない安定性がある
私は海外ETFがメインですので、配当金を増やしつつポートフォリオの安定も図れる事にメリットを感じています。
また、最悪金利上昇で損失を受けた場合は、素直に売ってしまって配当金で支払う税金と相殺が可能です。
そういった事を考えずとも、安定したドル製造マシーンとして毎月チャリンチャリンをしばらく楽しみたいと思います。
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ホントに無料で良いの?と思うレポートが読めますし、週に一度なので面倒にもなりません。
2019年5月2日追記:BNDより分配金が出ました。やはり現金を貰わないと実感ができませんね。
関連記事BNDの配当(分配金)を貰って実感。老後に向けての債券型海外ETFは良い
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