2018年は2回急落がありました。つみたてNISAなどで株式100%のポートフォリオを組んでいる人は焦った方も多いと思います。
こういった急落の度に思い出されるのが国内債券です。毎日資産額が減っていくのを目の当たりにすると、口座を見るのも辛くなりますね。私もリーマンショックの時は毎日辛かったです。
国内債券を検討している人は勿論、資産運用全体のリスクを減らす手段として参考になれば幸いです。
【国内債券をカナリアとして運用する】が私のテーマです。
eMAXIS Slim国内債券インデックスとは
ざっくり書くと、ほぼ日本の国債に投資をする商品です。
日本株のTOPIXのように連動指数があります。大体メジャーなNOMURA-BPIという指数を使っています。
NOMURA-BPIとは、野村證券株式会社が発表しているわが国の代表的な債券
パフォーマンスインデックスで、NOMURA-BPI(国債)はそのサブインデックスです。わが国の国債で構成されており、ポートフォリオの投資収益率・利回り・クーポン・
デュレーション等の各指標が日々公表されます。出典:eMASX Slim国内債券目論見書
eMAXIS Slim国内債券インデックスの保有銘柄
組み入れ上位銘柄をみると、みごとに国債ばかりですね。
全体の80%以上が国債で運用されています。
代表的な資産クラスとの騰落率の比較
日本株式や外国株式はもちろん、海外の債券に対してもリスクの低い投資商品になります。
ただし、しっかりマイナスの時もあるのでネットバンクの定期預金を利用した方が良いのでは?と私は思っていて、大半の無リスク資産は定期預金です。
10年国債の利回り
主なリターンは長期国債の利回りに近くなります。2018年11月22日時点だと、10年国債で0.9%となっています。
過去10年となると金利は下がりっぱなしでしたが、ゼロ金利を経て、ようやく金利の上昇となっています。
10年前は1.5%くらいあったんですね。既に記憶にありません。。
過去30年のリターンとリスク
eMAXIS Slim国内債券インデックスはまだ設定されて間もないのですが、連動指数自体の過去データはあります。過去のデータから傾向を探ってみます。
myINDEXからの引用です。
30年保有した際は素晴らしいデータを出してくれているのですが、バブル崩壊以降の金利低下にともないリターンが減ってきています。
特にここ5年は安定運用が第一の国内債券というのに、期待リターンは少ないわりにリスクの方が高く、ほとんど見向きもされない状況です。
2017年末まで株式が調子良かった事もあります。過去のリターンは将来をあらわすものではない、というのは国内債券においては気にかけておく必要がありそうです。
国内債券インデックスを買う時に気を付ける損失リスク
安全な日本国債中心ですが、リスク資産ではあるのでそれなりのリスクはあります。
分かりやすい図を用いると下記のようになります。大和証券の説明が分かりやすいので図を引用します。
金利が上がると国内債券インデックスは損をします。魅力が薄れる為です。逆に金利が下がれば国内債券インデックスは儲かります。魅力がある投資先になるからです。
ゼロ金利を脱出して、日本はインフレ2%を目指す=長期金利を上げる方向なのは間違いなく、長期的に見るとリターンを出しにくい商品とも言えます。
ざっくり損失のイメージ借入金利の長さを図るデュレーションというものがあります。現在は約9年という長期金利中心の銘柄組み込みです。
年1%の金利上昇で9%くらい損をします。そこに年間の信託報酬がマイナスとなります。
デュレーション等は関連記事で詳しく紹介しています。
大事な信託報酬やライバル商品の紹介が後回しになってしまった。。
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eMAXIS Slim国内債券インデックスの信託報酬
期待利回りが低いので、信託報酬は低ければ低い程良いです。
年率0.15012%(税込)となっているので、クラス最安を掲げるeMASIX Slimシリーズの安心感があります。
純資産に応じて信託報酬が下がっていく設定なのも好感が持てますね。
ライバルはニッセイ国内債券とたわら国内債券
比較対象とした場合、ニッセイ国内債券とたわらノーロード国内債券がライバルになります。
銘柄 | 信託報酬 | 純資産(億円) |
Slim国内債券 | 0.15012% | 14 |
ニッセイ国内債券 | 0.15012% | 65 |
たわら国内債券 | 0.15012% | 65 |
信託報酬は横並びですが、設定が新しいので純資産が負けていますね。好きなブランドを選んでも問題ないと思っています。
eMAXIS Slim国内債券インデックスの純資産額
2017年2月の設定日です。純資産は順調に伸びています。償還リスクが低くなると言われている30億円は時間の問題でしょう。
基準価額はほとんど変動がありません。ポートフォリオに加える事で、急落時に値動きをマイルドにしてくれます。
ただし増やせば増やすほど、暴騰時のリターンもマイルドになるので、比率は非常に難しいです。ここらへんは個々人のリスク許容度との相談になります。
急落で肝を冷やした人は、リスクを取り過ぎている状態ですので、現金比率を高めるか国内債券を保有するのが良いでしょう。
eMAXIS Slim国内債券インデックスの分配金
分配金については、ほぼ出る事はないでしょう。悪質なタコ足的な基準価額を下げて、わざと見かけ上の利回りを見せるような商品でもありません。
つみたてNISAに採用されている事もあって、この面に関しては安心して良いかな、と思っています。
株式クラスほど、気を使う商品でも無いので、気になる点があればニッセイやたわらといったライバルへ乗り換えるのも容易です。リターンが出過ぎていて課税が気になるという事も少ないでしょうし。。
eMAXIS Slim国内債券インデックスの見通し
未来は誰にも分かりませんが、正直言って暗いでしょう。
過去10年の国債利回りを見ていると現在以上に金利が下がって、債券価格上昇という事がある時は景気状況もマイナス金利を続けるという事です。
債券価格の上昇より日本の先行きと株式クラスの方が心配になります。
急な金利上昇は分かりませんが、過去に保有している国債の利回りから出る利益は、金利上昇にともなう債券価格下落で相殺されるような感じでしょうか。
こういった感じですので、正直オススメはしにくい、というのが現状です。
国内債券をカナリアにする
こちらはあくまで私の考え方ですのでご注意を。万人に推奨できる方法ではありません。
昔、某掲示板で良く出ていた「国内債券をカナリアにする」という使い方になります。カナリアとは、炭鉱で働く人たちが危険防止でカナリアを籠に入れながら作業していたというヤツです。
株式と債券は完璧ではありませんが、逆相関の関係にあります。債券価格が急上昇した時は株価がえらい事になっているはずです。(最近はゼロ金利で暴騰したりがあります)
株式の値動きを見ると色々考えて手出しをしたくなるので、あえて国内債券インデックスだけを見て、黙々と株式投信を積立するという方法です。
最近では同じような使い方は出来ないにしても、株価が下がった時に国内債券投信を持っていると精神的に取り崩しがしやすいと私は思っています。
私の老後資産は無リスク資産として約半分は定期預金で運用しています。わりと慣れましたが、株式の急落時に冷静にリバランスをしようとする場合、現金を取り崩して株式を買うのは勇気がいります。
今はSNSを通して情報が入り過ぎるので、まだまだ下がる、もう少し待ってから買い増しをしようと思っていると踏ん切りがつきません。
ましてや大切な現金ですから。
そういった意味では、ポートフォリオの一部分であって投資信託である国内債券クラスは損切りになっても必要分を売って、安くなった株式を買う事への精神的な辛さは軽減できると考えています。
とはいえ、自分でしていない事なので、実際にやっていくのはこれからになります。定期的にウォッチと報告をしますので、当サイト(氷河期ブログ)を見て頂けると嬉しいです。
まとめ
- ほぼ日本の国債に投資をする商品
- 年1%の金利上昇で9%くらい損をするリスクがある
- 信託報酬はライバルと比べても同レベル
- 国内債券インデックスとしての見通しは暗い
- 国内債券をカナリアとして運用する
最後の方法がどれだけ上手く作用するかは今後次第です。
余剰資金が用意できるうちは、老後資産とは別に特定口座でやっていこうと思っています。
現在考えているのは、個人的にオススメしたい投資信託を購入。同じ比率くらいで国内債券を持ちながらリバランスをしていく予定です。
リスク資産の部分はeMAXIS Slim全世界(3地域均等)という癖のある商品も入れているので、投資が少し楽しくなるようにやっていきたいと思っています。
お読み頂きありがとうございました。
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日本株式、先進国株式、新興国株式を三等分して運用するという変わった投資信託です。ですが、リバランスと長期運用でみると理にかなった商品とも思っています。
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