アメリカ以外の先進国の長期株式リターンを知りたいと思う人はいると思います。
例えば、かつての覇権国であるイギリスとか。私は気になっていました。
英国を調べようとすると中々詳細データが見つかりません。他の先進国でも株式は長期で成長しているのか。気になっている方の参考になれば幸いです。
FTSE100英国大型株の長期リターンをPDFで公開
PDFリンクFTSE100長期リターン
データ元はWikipediaです。
1969年から2017年までの指数の推移を単純にエクセルに打っただけですが結構便利なのです。
横軸に長いのでスマホでは見にくいかも知れません。PCやタブレットで見る方が楽ですが、参考なので適当にみてください。
1969年からの長期チャートです。こちらもWikipediaより引用です。
チャートで見ると2000年以降は、ぱっとしないように見えます。
PDFから2000年以降のデータを一部抜粋します。
PDFでは淡い赤塗は10年保有、水色は20年保有と色分けしています。
2000年を100とした場合、2009年には104とほとんど変わりない数字になっています。ITバブル崩壊とリーマンショックがいかに大きいかが参考になります。
米国株に比べ、無配当で企業価値をひたすら高めるようなAmazonやGoogleといった成長企業よりも、安定した収益をしっかりと配当で出す成熟企業が多いです。
また実際には通貨がポンドの為、為替によるリターンの変動も大きいです。しかし、為替リスクは超長期は金利差で収れんするので長期ではそこまで気にする必要はないでしょう。
※先進国債券の超長期では、金利差は為替の変動で相殺されてます。そして国内債券と変わらないリターンに落ち着きます。
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補足事項説明
PDFを見るときの補足説明です。
年末終値
その年の終わりの数値です。1969年を313として数値化しています。
FTSE100という指数は1983年12月31日を1,000とする数値です。それ以前のデータはWikipediaさんがやってくれました。
増益率
前年に対する増益率です。100%以下はマイナスの年になります。
縦軸の薄い赤色セルと水色セル
その年からの10年間、20年間を色塗りしています。
縦軸に見ていくと最終部分が20年保有した場合のリターンが分かります。
FTSE100の長期データ(PDF)を見て分かること
10年保有でマイナスだったのは、保有した最後の年がITバブル崩壊をした時と、2008年リーマンショック時のみという事です。
20年保有でマイナスはありません。配当を再投資すると、まずますのリターンが出てきます。
下記画像はmyINDEXより円建てデータでの引用です。指数はMSCI英国(円建て)大型中型株という時価総額85%を占めるものです。すこし違いはありますが似たようなので代用します。
ありがたい事に円建てで配当込みのデータです。
30年保有は株式らしいリターンです。10年、20年リターンは配当込みでこれは厳しい結果。。
平均性の回帰を考えると、今こそ英国株を買いたいのですが、残念ながらNY市場ではFTSE100連動のETFは買えません。
楽天証券などの海外ETFはNY証券取引所であり、ロンドン証券取引所での取引は出来ません。
また、日本でFTSE100連動のETFを買う事が出来ますが、出来高が少なすぎて上場廃止リスクが高すぎます。
おわりに:かつての覇権国も長期株式リターンは信頼できそう
個人的にはここ10~20年間が、英国株にとっての受難の時代で株式低迷期だと感じました。
長期で保有する場合は、株式が持つリターンを期待しても問題はないと思いますが、先進国全体に投資をした方が無難です。
英国株単独で投資する手段は少ないので、先進国株式インデックス等に分散投資でも近しいリターンが得られる参考となるのではないでしょうか。
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FTSE100英国大型株指数の紹介です。個人的に好みの銘柄が多かったので保有したかったです。
S&P500をWikipediaで調べてPDFにした記事です。長期の株式リターンを見る際の参考にどうぞ。
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