インデックス投資を始めていくと色々な知識が流れ込んできます。色々な本があり過ぎて悩んでしまう人も多いと思います。私もそうです。
私の場合は昔の話ですので、投資の本も少なかった時代です。読み漁る時間もありました。
出来れば必読書は押さえておきたい。なにより読みやすくて長期間変わらない原則的なものを知りたい。そういった方へのオススメの一冊です。
平凡なのに、なぜかお金が貯まる人の「8つの習慣」
2002年発行の本です。また、アメリカで書かれているので、日本とは少し環境が違います。しかしコラムとして日本での環境も書かれているのでご安心ください。
例えば日本とアメリカの土地事情も紹介されています。住宅事情でいえば、同じ仕様でも日本はアメリカの3倍近い値段になります。このような事もふまえています。
本書の特徴としては
- 著者のリック・イーデルマンはファイナンシャルプランニング会社の経営と投資管理会社のオーナー
- 彼の顧客は、収入では中流クラスの人達が中心という事(いわゆるごく普通の人たちです)
- そして彼が顧客を裕福にしたのではなく、顧客が勝手に裕福になっているので、その理由を調査したもの
以上3点に集約されます。
リック・イーデルマンは素直に冒頭で、わが社のお客様は他社でサービスをうけても大抵の場合、同じように成功しているだろう。
どんなファイナンシャルプランナーも、人をお金持ちにする事は出来ない。と言っています。
では、どのようにして本が書かれたかと言うと、顧客に「日常どのようにお金を使っているのか」を調査して、その傾向の「8つの習慣」をまとめた、という形です。
隣のお金持ち的な本ですが、訳者の読みやすさ、イデールマンの語り口も優しいので気持ちよく読めるので、資産形成を考えている人には一読の本と思っています。
インデックス投資を考える、実践している人にすれば当たり前の部分もあるかも知れませんが、習慣1のタイトルだけで気になってくるはずです。そして読むほどに納得してしまう。そんな本です。
お金が貯まる人の習慣その1
ネタバレになってしまうので、その1だけを簡単にご紹介します。あと背表紙も面白いので画像を。
習慣その1:どんなにお金に余裕があっても、長期のローンを利用する
いきなりコレです。
多くの人は住宅ローンはとにかく早く払い終えたいのが普通です。
マネー本でも、住宅ローンの返済は最高の投資!と書かれている事も多いです。確かに返済を早くすることの方が、投資の不確実なリターンよりも確実な一手です。
しかし、財産形成で成功をしている人達は住宅ローンを返済する十分なお金を持っているにも関わらず、すぐに全額返済はしていないのです。
また、若い人が住宅ローンを組んだ場合を説明し、なぜ住宅ローンの繰り上げ返済をすすめないかにも言及されています。
持ち家派で住宅ローンを返済している人にはもちろん、賃貸生活の私にも刺さるタイトルですし、読んで納得の内容でした。
日本とアメリカで事情は違いますが、住宅ローンを抱える不安の要因は失業をしたりして返せなくなったらどうしよう、という問題があります。
しかし、生きている以上は働く必要があり、もしも失業をした際に、住宅を持っているという事は非常に大きなメリットであることが書かれています。
具体的に書くと、急いで返済をするより余裕分を貯蓄や投資(アメリカですので株全力でなくとも長期債も充実しています。)をする事で、もしもの際に余裕が出来るというものです。
住宅ローンを返済しながら、徐々に生活防衛費を充実させて、小さくインデックス投資をしていくようなイメージです。
もしもの際を心配するよりも、上記の準備をたんたんと行う方が良い結果をもたらすという事ですね。
本書より参考になる文章があるので引用します。
住宅ローンというのは所得があるから借りられるのであって、家の価値に対して貸し出されるローンではない
借金を返済する事は、財産をつくるということと同じではない
住宅ローンさえ返済してしまえばそれだけで自分はお金持ちになれると勘違いしている人がたくさんいる
けっこう面白そう、と思う方は本に合うのだと思います。
そういえば、私は奨学金を借りていて30代半ばまで返済していましたが、一気に返す事はありませんでした。
リーマンショック直前に一括返済していたら、リストラ&貯金無しで路頭に迷っていたかもしれません。これもお金の扱い方の一つだと思います。
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お金が貯まる習慣その2
その2以降は本書でお楽しみください。タイトルだけ書きだしておきます。
- どんなにお金に余裕があっても、長期のローンを利用する
- 投資はリスクを分散して考える
- 質素な生活を心がけ、その浮いたわずかなお金を投資に回している
- 投資に関して長期スパンで考えている
- 株価指数に関心を持たない
- お金のことに時間をかけていない
- お金について家族でオープンに話し合っている
- 新聞・雑誌・テレビの情報に惑わされない
おわりに
個人的には凄い良書ではありますが、あまりネットでも取り上げられていない本と思います。
習慣その2以降は、インデックス投資をしている人なら知っている、とタイトルだけで思う人も多いでしょう。
私は2017年の末に久しぶりに読んだのですが、15年の歳月を経ても色あせる事のない名著でした。
同時に自分でも忘れていたりする事もあり、投資の名著と同じく何度も目を通したい本です。
ちなみにAmazon、楽天でも中古本しかありません。楽天はプレミアがついていました。
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