投資をしているとアメリカや新興国に代表される成長を期待される国。逆に日本のように低い成長の国。といった具合に、投資国によっては成長率はバラバラです。
特に成長が望めるであろう新興国をどれくらいのバランスで入れれば良いか悩む人もいると思います。私もそうでした。最近は国の成長へのこだわりはなく、リスク資産と捉えてスッキリするようになっています。
人の数だけポートフォリオはあります。明確に自分の投信方針が決まっている人は大丈夫ですが、どうしようかな、と悩んでいる人の考え方の一つになれば幸いです。
高い成長率=高い利益、とは限らない
基本的には人口がこれから増えていく国は高い成長力が期待できそうです。
10年くらい前はBRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICSは各国の頭文字を取った造語)がもてはやされていました。
高成長の雄、BRICSを含む新興国と、誰もが認める低成長の日本、この2つを10年チャート比較で見てみましょう。データ引用元は全てmyINDEXです。
青線が新興国、黒っぽい線が日本ですね。思ったほど変わりはありません。
ここらへん、チャート期間の切り取りで都合の良い数字はいくらでも出せるので、注意が必要です。
期間を20年に変えると、新興国が日本を約60%程度上回っています。60%は無視できない数字ですね。
ですが、2012年終わり頃に日本では政権交代をして、1ドル80円、1ユーロ100円の世界から一時期1ドル120円という為替変動がありました。80円が120円って1.5倍だったりしますね。
円建てで見た時に、成長の高い国が単純にリターンに直結するかというと、現実世界では?(ハテナ)となります。
成長の罠
私の場合、人口、GDP成長率だけで、株価が期待通りの利益を上げるとは中々思えません。名著「株式投資の未来」シーゲル教授は【成長の罠】という分かりやすい言葉を残しています。
簡単にいうと、皆が成長するだろうと思ってお金を賭けている状態です。この場合、全員が期待し過ぎて、高い値段=株価がついているため、期待した成長率通りのリターンにならない事を意味します。
最近の例でいくと、FANG銘柄と呼ばれるFacebook、Amazon、Googleも同様なのかも知れません。
私の場合、何が当たるか将来は分からないので、バンガードの全世界株式VTを老後リスク資産の半分くらいにしています。
残り半分は成長の期待はされていないが高配当といった米国高配当株式HDVや小型株になります。
成長が低い国=株式リターンが低い、とも限らない
日本株式の割合が高いとリターンが出ない。だから、全世界の株式時価総額で保有する事が最適だ。
そう思っている人も多いと思います。私も昔はそうでした。最近はそこまでこだわる必要は無いとも思っています。
楽天証券経済研究所客員研究員、山崎元氏の意見です。私もリターンの源泉はリスクと思っています。
要は、成長率が正しく予想されて既に株価に織り込まれているとすれば、株式は、今後、リスクに見合ったリスクプレミアムを伴うリターンをもたらすということなのだ。
引用元:低成長下の株式投資にも希望はある
マーケットは効率的で、将来を織り込んでいるとすれば、低成長は皆分かっている事です。
であれば、十分に株価が下がっているので、資本を投下すれば期待に見合ったリターンを得られる。そういうワケですね。
日本株式比率の低い私が言っても、説得力がありませんが。。
株式市場全体に投資をしたい場合、先進国や全世界よりも、下記の投資信託が個人的には面白いと思っています。
上記投資信託と現金の比率さえ、上手くコントロール出来ていれば、ほとんどの平均値と比べても良い数字が出るでしょう。主軸の株式部分をどうするかの参考になるはずです。
まとめ
- 国の成長力が株式のリターンに直結するわけでは無い
- 事実、新興国の成長力と日本の成長力の差ほど、株式リターンに直結はしていない
- 成長が期待できない日本でも株式に対して悲観的になり過ぎる必要は無い
本記事では、新興国へのリターンを期待するな、と書いているわけではありません。ですが、期待し過ぎる場合は、注意をした方が良いと思っております。
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国の成長力が株式リターンとイコールではないように、長期投資が必ずリスクを下げるのか、という話も念頭に置いておくと、自分の中での投資の軸が作りやすいです。
成長の罠について書かれた本です。10年以上を過ぎてもかなり読まれている一冊。
それだけ愛読書として個人投資家の間で保有されている本なのでしょう。投資ブログでも良く出てくる本です。kindle版が出ていない事が残念です。
高いですが、買うだけの価値は確実にある本です。シーゲル=高配当のイメージがあるかも知れませんが、インデックス国際分散を推奨している超正統派です。
電子書籍にならない限り、私もずっと保有する本の一冊になるでしょう。
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