「就職氷河期」「優秀」という検索で当サイト(氷河期ブログ)へ来られる方が時折いらっしゃいます。
私などは無能の類ですが、1999年の大卒の内定者50%以下という超絶望的な戦線を潜り抜けた猛者は圧倒的に優秀な人だと思います。
半面、正規職に就けずスキルを発揮したり、本来であればキャリアを積んでいく機会に恵まれなかった層も多い世代です。
どの世代も優秀な人もいます。その割合はあまり変わらないとも思います。
分母が大きい事と、社会にでた時から過酷な環境だった。このあたりだと思います。
ほとんど回答が出てしまいました。
しかし、生まれた時代という運は変える事が出来ません。
せっかくなので就職氷河期世代の特徴や当時を少し振り返ってみます。
管理人の考えとしてですが、参考になれば幸いです。
氷河期世代で大企業や役職持ちは間違いなく優秀
大企業でなくとも中小企業で課長級以上は間違いなく優秀でしょう。もしくは従業員規模1000名以上という大企業という「くくり」に在職しているだけで優秀です。
超就職氷河期という言葉が大げさではない画像を紹介します。
当時の有効求人倍率推移です。画像はWikipedia(就職氷河期)より引用です。
特に1999年から2001年は本当に仕事が見つからない。
受験戦争を勝ち抜いてきた優秀な人でさえ内定が貰えない。そんな時代でした。
引用元:マイナビ転職|有効求人倍率とは
分かりやすく言えば、「仕事の数(有効求人数)」を「仕事をしたい人の数(有効求職者数)」割った数値のことです。厚生労働省が毎月算出、発表しています。
- 「1」より大きくなるほど求人数(仕事の数)が多く、働き手が足りなくなります
- 「1」より小さくなるほど求職者(仕事をしたい人の数)が多く、仕事探しが難しくなります
特に選り好みをするわけではなく本当に仕事が無かったですね。。
あと受験戦争って笑えるくらいの倍率がありました。F欄とか蔑まれる大学でも20倍とか普通でした。
氷河期世代(ロストジェネレーション)の人口の多さ、今ほどの大学が乱立していなかったというのも原因だと思いますが、まぁ凄かったのを覚えています。
補足として書かせて頂くと、現在の就職状況がヌルゲーと思っているわけではありません。
求人数は多くても、いわゆる大手企業は募集者殺到のとんでもない狭き門でしょう。
絶望的な就職戦線を勝ち抜けなかったからと言って無能ではない
いや、もちろん仕事が出来ない人は一定数います。典型的な例を出すと管理人などはそうです。
地道に深耕営業みたいなのは得意でも、風呂敷をひろげて大きな仕事を取ってくるとかは全然できません。
資格とかも全然持ってません。サラリーマンの価値としては下の下です。
現職はあまりExcelを使わないので、LOOKUP関数とかすっかり忘れてしまいました。(たぶん、Googleに聞きながら使えると思いますが。。)
すみません。少し趣旨から外れました。話を戻します。
就職氷河期を生き抜いたからこそのタフさはある
仕事に対して、選べるという状況は無かったので、労働に対してタフです。肉体的にも精神的(メンタル)にも。
同世代の友人と話したりしていると、その状況は病んでしまうだろうという所も踏ん張ります。昔とは労働環境は変わったんだし、無理せず助けを求めようよ、と思う事もあります。
一生その会社が大丈夫という意識は無いので、倒産やリストラされても何とかするという人が多いです。
ただ、決して恵まれた、いや酷い就職環境だったのに悲壮感は少ないという感じがしますね。
ですので、現在、前線で働いている同世代は皆さんタフな人が多いです。
優秀だけど就職活動を勝ち抜けなかった人に救いが欲しい
とはいうものの、問題点は山盛りあります。
新卒至上主義の日本で、新卒カードが一切通用しなかった世代です。優秀だけど、正社員として働けなかった人は多いです。
友人は偏差値60の大学を出ても、まともな内定がありませんでした。そんな高望みはせず普通の会社を希望していました。中小企業も仕事が無いので採用までいかないのです。
しかし働かないと食べていけないので、あるとすれば契約社員か派遣社員です。今でもよく聞く「小泉政権がー」「竹中がー」というヤツです。
会社の体力がどんどん奪われていく環境の中で、雇用の調整弁として使われるという扱い
いやいや、そこでスキルを磨いて正社員になれば良いと思う方もいるかも知れませんが、仕事が無い状況で、企業はいくらでも新卒を選び放題の時期が続くのです。
ここに救いの手が入らないままの時期が異様に長かったのを思い出します。とどめに2008年のリーマンショックが来ます。
氷河期世代(ロストジェネレーション)が救われない部分ですね。ここを何とか救済出来ないのか、と管理人は思ったりしてます。
人口減に対して移民で解決をするより、この世代を何とか、、と思うのですが、政治というのは難しいのです。私に出来るのは選挙へ行く事くらいだったり。
人手不足で何とかなる、という部分があったとしても、その時には老後になっていそう。。
「氷河期世代は優秀なのか」と問われると、この世代を生きた管理人はこんな風に思います。
氷河期世代について少し書きたい事もあるので、お時間がある方はお付き合い頂けると嬉しいです。
氷河期世代の特徴(個人的所感)
受験戦争に駆り出され、親には普通の就職を望まれながら就職戦線は絶望的、それでも何とか生き残って少し景気が持ち直したと思ったらリーマンショック。
この間、私もそうですが、多くの同世代は政府も企業も信用しなくなったと思います。
最終的に民主党政権が完全にとどめを刺した感はあります。任せてみよう→大いなる失敗を多々経験しましたね。
個人的に政権交代とアベノミクスが無かったら、人生詰んでいたと思います。
話が飛び飛びでスミマセン。。
簡単に特徴をまとめるとこんな感じ。
- 高校以降で時代の良い波にのったことがない
- 先行きの暗い話しか見えない
- さらに自分の人生について絶望する
- 誰も助けてはくれない
- 何とか生き延びるが若者の〇〇離れと叩かれる
意外とインターネット勃興を肌で感じた世代なので、ネット情報は大好きも入れたいところです。
どの世代でも同じなのかも知れませんが、幸せに生きるという事とちょっと離れすぎた世代だったような気がします。
社会に出て辛苦を味わい過ぎた。そして、それが当たり前と思い始めた。このあたりに世代間のギャップはあります。
たぶん、同じ世代では共有できても、他とは一線を画します。その割に世代間の団結が弱いような気もします。
私なんて、ファミコンやってた時が一番楽しい思い出とか笑えません。
サイレントテロという声なき反抗
団結感はありませんが、一斉にとった行動があります。
- お金を使わない(使いたくても使えない)
- 結婚しない
大きくいうと、この二つです。
お金が使えない、結婚への希望も持てない。その現実を分かっているところに、燻っているところにメディアが油を注いでまわります。
年金や老後といった将来が期待できないので、極力お金を使わない人は多いです。ミニマリストに近い属性の人も多いでしょう。
- 自分に必要なものだけを買う
- 家(戸建て・マンション)はいらない、大きな家も不要
- お金を使わなくても楽しめる趣味をもつ
- 車はもちろん不要
こういった価値観に自然となっていく、という感じ。
結果としてどうなったかというとサイレントテロです。
同じ時期にパラサイト・シングルという言葉もありました。
パラサイト・シングル(Parasite single)とは、「学卒後もなお親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者を言う」と定義している。
Wikipediaでは上記のように書かれていますが、生活自体が困難というのもありました。
当初は自活できる収入があるのに、親元で生活している事に対する警鐘だったと思うのですが、少し変わった気がします。
また話がブレましたね。
サイレントテロについては、もし良ければ関連記事がありますので、もし良かったらお読み頂けると幸いです。
一部抜粋すると、こんな感じです。ちゃんと将来年金がもらえて生活できるのか、みたいな事も書いています。。
良い子の諸君!
若者の○○離れとよく耳にするが、当時群がってたのは今のジジババ共だ!
今の若者は、離れるも何も最初から近づいてすらいないな!
電通十訓 | サイレントテロ十訓 |
1.もっと使わせろ | 1.必要なときにだけ使え |
2.捨てさせろ | 2.大切にしろ、捨てるな |
3.無駄使いさせろ | 3.無駄使いをやめろ |
4.季節を忘れさせろ | 4.季節感を楽しもう |
5.贈り物をさせろ | 5.贈り物などするな |
6.組み合わせで買わせろ | 6.必要なものだけ単体で買え |
7.きっかけを投じろ | 7.最小限の消費ですら、計画を持ってあたれ |
8.流行遅れにさせろ | 8.流行?何それw最新式?ペイできるか旧式のものと比較しろ |
9.気安く買わせろ | 9.無駄買いするな、よく考えろ |
10.混乱をつくり出せ | 10.混乱するな。目的を見失うな |
少子高齢化のしわ寄せを一番最初に受ける世代
サイレントテロにはしらざるを得なかった理由でもあるのですが、少子高齢化という極めて現実的なことを一番最初に体験する世代でもあります。
ネットを見ていると老害は〇ね、老人がお金を持ちすぎているから分捕れ、という荒い言葉をみます。
言わんとしている事は分かるのですが、では自分の両親や祖父母に対して同じことが出来るのか、と。
少なくとも私は出来ません。それを正面から受けて対応をしなければいけません。自分が金銭的に面倒を見れるかというと正直無理ではありますが。。
お金を持っている氷河期世代は一部だと思う
余談ですが、ネットを見ていると人の声は大きく聞こえます。当サイト(氷河期ブログ)はお金や投資の話が多いです。
Twitterや投資ブログを見ていると、周りは普通に数千万円のお金を持っているように思ってしまいますが、実際には極々一部の希少種です。
普通に生活していたら私は出会う事がないだろう人達と思います。それでも、その人たちの資産が楽をして手にしたかというと違うでしょう。
倹約につとめ、真面目に働き、正しいお金の使い方をした上で20年以上生き抜いた結果が今になってネット上で見れているのだと思います。
そういう人たちの苦労話や節制にはあまり目がいかないです。
まとめ
- 氷河期世代で優秀な人はいる
- 特に就職戦線を潜り抜けた人は確実に優秀
- 他の世代と比べ特別優秀なわけでないが人数が多いのでそう感じる可能性はある
- しかし、もう少し奥を見ると救われない人たちも多い
結論としては優秀な人も多いです。人数が多いので。
世代間で意見の食い違いはあると思いますが、生まれた時期という運でスキルを身に付けられないまま正社員という普通の待遇も望めなかった人も多くいます。
移民よりも氷河期世代を、と私などは思ってしまいます。
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