氷河期世代の管理人にとっては、他人事ではないので記事にしました。
きっかけは下記Newsweekのネット記事です。リンクは新しいタブで開きます。
外部リンク数百万人の「中年フリーター」が生活保護制度を破綻させるかもしれない
まるで氷河期世代が生活保護制度を破綻させる、と取られてしまうタイトルですが、私としては政府が見捨てたからだろう、と思ってしまいます。
(ちなみに外部リンク先ではそこまで生活保護に突っ込んだ話はありません。氷河期世代でフリーター生活は辛い、というのがメインでした)
記事のポイント
- 10年以上前から同じ事は言われていた
- 約10人に一人が中年フリーターという現実
- 実際に生活保護制度は破綻するのか
リンク元の内容も引用しながら、管理人の思う所を書いています。
正直に書くと怒られるかも知れませんが、生活保護が破綻しても「時代と運と政府の対応のまずさ」だと思っています。
2、3分ほどで読める記事ですので、さらっとお付き合い頂けると嬉しいです。
生活保護破綻は10年以上前から言われている
読んだ記事で書かれていた引用です。
彼らは正社員に比べて貯蓄が少なく、社会保険の加入率も低い。そのまま年金を受給する世代になると、月七万円に満たない国民年金しか受け取れない。
となれば、生活は立ち行かなくなり、生活保護が視野に入ってくるだろう。
ところが、日本の財政はそれだけのボリュームを支える状況にない。生活保護という制度そのものが破綻しかねない状況だ。
2015年くらいから中年フリーターにスポットが当たるようになったと書かれていましたが、2004年くらいから、同じことはずっと言われ続けていたと思います。
バブル崩壊後、今では就職氷河期(ロストジェネレーション)と呼ばれる世代が、このまま正規職に就けないのでは、と言われ始めた頃です。
リーマンショックの少し前に景気が回復基調だった一瞬がありましたが、新卒の採用が緩んだだけで問題解決にはなっていません。
昔は2ちゃんねるで、働いているより生活保護の方が有利だというコピペが良く出ていました。
パターンがあり過ぎて正確なのは不明ですがこんなのです。
生活保護 | 底辺サラリーマン | |
労働時間 | 0分 | 10時間以上 |
通勤手段 | 通勤の必要なし | 満員電車1~2時間 |
食事時間 | 好きなだけ | 10分未満 |
昼食 | 食う | 食えない日がある |
夕食 | 食う | 食えない日がある |
夕食後 | 自由 | 仕事 |
残業 | 全くない | ない日がない |
残業代 | 労働の必要がない | 残業があっても無い場合がある |
土日祝 | 365日休み | 出勤する日もある |
年数 | 死ぬまで | 自動的に40年 |
年金 | 免除 | 払っても貰えない |
税金 | 免除 | 給料をほとんど取られる |
支給額 | 20万円超も可 | 税金引かれて残らない |
年金のイメージや残業は少し変わってきているので時代を感じます。
しかし、これでもマシな方で、正社員になるのも難しい時代でした。フリーターか非正規で貯金もままならないなら、年金も期待が出来ません。
年金を払わないまま生活保護の方が良いというのを当時は良く目にしていました。
とどめの一撃がリーマンショック
これが決定打となりました。私もリストラされました。派遣村と呼ばれる言葉が出来ましたね。
幸い、私は転職が出来ましたが、リーマンショックまでに正規職につけていなかった就職氷河期世代は致命的な状況に陥ります。
もう忘れている人もいるかも知れませんが、2008年から2012年までは本当に仕事が無くて人余りの時代が続きました。
特に正社員は非常に狭き門でした。あったとしてもブラック企業くらいという。ワタミが叩かれていたのもこの時代でした。
理由は完全に「これ」です。
中年フリーターが正社員になれない背景には、不況期に正社員の採用が絞り込まれているという事実がある。
いったん非正規雇用になってしまうと「スキルが身につかない」、あるいは「スキルがついても認めてもらえない」という状態が続くため、景気が回復して求人が増えても、思うような職には就けない。
負のスパイラルはまだ続いています。
政府としては、無かったことにしたい世代でもあると思いますが、氷河期世代は40代が中心となってきました。
あと20年後には60代。2040年問題と言われるものですね。いったいどうするんだろう。。
現在人手不足で困っていると言いながら、政府も企業も積極的にこの世代を使いたい感じはありません。
移民に期待をしているようですね。人は余っているけど活用する気は無さそうです。
関連記事さらっと移民規制緩和。氷河期世代(ロスジェネ)の活用は出来なかったのか?
40代前後の約10人に一人が中年フリーターという現実
35~54歳のうち、非正規雇用労働者として働く「中年フリーター」は約273万人で、同世代の10人に1人を占めているようです。
7040問題という、70代の親が40代無職の子供を支えているという事も考えると、アラフォーと呼ばれる世代だけで中年フリーターや生活保護予備軍は10人に一人以上でしょう。
もう生活保護という制度の破綻を避けるのはもう無理な気がしてきますね。
定年が伸びてきている現在、ロスジェネ世代と呼ばれる層を準正規職扱いで30年くらい働いてもらえる環境が出来れば変わるのでしょうけど。
ただ受け皿となる成長産業が出てくるイメージが全然わきません。モノづくり大国日本と呼ばれながら、ここ最近はぱっとしない状況です。
AIの普及で変わってきたら良いけど期待薄です。
2008年の調査では、同世代が生活保護になった場合、年間17兆~19兆円の歳出増というものがありました。
2018年のレポートとか出たら、もっと愕然としそうです。。
そりゃ生活保護という制度も破綻するわ、となります。
期待できるとしたら人口減による人手不足は今後も続くので、資本主義の見えざる神の手が動いてギリギリ何とかなるのかも知れません。
何だかんだで生活保護は破綻しないと思う
管理人としては楽観的な部分もあります。
ちなみに憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は、努力義務なのでこれを根拠とはしていません。
現在は貧富の差が開き始めている過渡期であって、まだ中流意識が残っているのだと思います。
資本主義の残酷な面として、貧富の差は開き続ける宿命があるので今後は富裕層と低所得層がきっぱり分かれてくるでしょう。
実際、最低限の文化的生活をするには日本はわりと恵まれた環境です。インフラもそうですし社会制度もしっかりしています。
周りがみんな貧しくなれば、文化的最低限の生活も変わってくるでしょう。他人との比較が一番自分を苦しめるのですから。
人口が減れば税収も減りますが、合わせて歳出も減ります。
正確な意味ではありませんが「国民の借金1000兆円」というものも、お金の付け替え方次第なので、極端な話、医療費負担を容赦なく上げるか高齢者優遇を辞めれば楽になります。
財源なりの支出をしていく形で、何だかんだで生活保護という制度自体は無くなることは無いのかな、と。
金額という面では生命維持程度になる可能性はもちろんあります。。現在の歪んだままの状況は変わっていくでしょう。
おわりに
数字だけ見ていると絶望的な状況ですが、悪い将来ばかり考えていても将来は変わりません。
戦後の焼け野原から復興が出来たように、追い込まれたり方向性が見えれば強い国民性を持っています。
今はまだ選挙が体をなしていないというか、投票者の多い方への政策が続いていますが、そのうち人口ボリュームとしては最大勢力になるのが氷河期世代です。
結局のところ、生きるためには働くしかないけども、何とか乗り切ってきています。
人生は一度きりなので、出来れば質素ながらも笑いの多い生活をしていこうと思っています。
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